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2人目
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しおりを挟む「あぁ、驚かせて悪かったな。お前を拾った時に、あまりにも汚かったんで風呂に入れてやったんだ。そしたら結構、弱ってた割には毛艶が良くて綺麗な、美人猫だなぁって」
案の定、返事をしながら顔を上げたら目が合った。バッチリ。しかも手を伸ばしてきていて、首から背中を撫でられてビックリ。
2度目のビクッ!危うく、条件反射で引っ掻きそうになったぜ。まぁ、俺は猫カフェの優秀な従業員だからそんな粗相はしねぇけど。
引っ掻きはしねぇけど、「いきなり何だよ」と睨んでやった。それもわかったのか、もう1度「悪かったな」と謝る。
「それにしても。動物の言葉がわかる人間と、人間の言葉がわかる猫か。奇妙な組み合わせだな」
それにしてもって!いや、確かにそうだよなぁ。正しくは動物の言葉がわかる人間と、白猫の擬人化種だけどな。
そんでもって、謝っても俺の背中を撫でる手は止めねぇんだな。そんなに撫で心地がいいか?
というか、風呂に入れてくれたのか。それは素直に、ありがとうございます。1か月以上経ってんのにやけに体が綺麗だなって思ったんだよ。
なるほどな。瀕死寸前の汚らしい白猫を拾って、風呂に入れて、飯を食わせて。これからもずっと俺の世話をしてくれるのか?
自嘲めいた笑いを漏らした男。顔を上げると、すかさず顎の下を掻くように撫でて気持ちいい。力加減が絶妙で、食った後だから眠くなる。
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