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蛇に睨まれる
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しおりを挟むしかも、だんだん目が回ってきた。気持ち悪いのが酷くなって、吐きそう。床に腕を突っ張っているのも辛くなって、伏せる。
「シオンさんっ!」
ここは狭すぎて体の方向転換ができねぇ。だから、俺がうずくまっても笑也は叫んで手を伸ばすことしかできない。
幻聴か?どこからか、笑い声が聞こえる気がする。「クスッ、クスクス」って、口の端を釣り上げて笑うソランさんの顔が目に浮かぶ。
一体何が起こった?
わからない。ただわかるのは、ものすごく気持ちが悪くて寒いってこと。それから、足元を何かが這っている。
「うぅっ……はぁ、はぁっ……く、うっ……」
歯を食いしばって意識が飛ばねぇように目を開け続ける。とにかく前に進んで、ここから出ねぇと。そう思って右手を伸ばした。
その手に、黒いものが絡みついた。
「シュー……シュッ、シュー」
細長い、蛇。左右で色が違う。オッドアイの黒い蛇。
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