ユキ・シオン

那月

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蛇に睨まれる

13P

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 何なんだよ?気味が悪い。ライトを前に向けた笑也が再び前に進もうとしたら、「待って!」と声が出た。


 何だこれ?寒い。急にゾクゾクすっげぇ寒気がして、小刻みに体が震える。叫んだ声が上ずって、慌てて振り返った笑也がまたペンライトを向ける。


 ただの視線じゃねぇ。ハァハァ息が上がって、気持ち悪くなるくらいの視線と、憎悪。


 これ、ソランさんだ。


 どこかでソランさんが俺を見てる。どこ?まさか俺達、見つかっちまったのか?捕まっちまうのか?ここまで来たのに、悠一を救うこともできずに負けるのかよ?


 そんなの嫌だ。俺は、どんな状態であっても必ず悠一を助けて一緒に家に帰るんだ。


 え、汗がすごい?そんなこと言われてもこれ、冷や汗だから。歯を食いしばっても、手が、足が動かねぇ。まるで金縛りにあっているみたいに体が動かないんだ。


「深呼吸、でき……待って。シオンさんの足元、何か――」


「いたっ!うっ……な、なに……?」


 俺の様子の変化に手を伸ばしてきた笑也が、ペンライトを俺の足元に向けた。何かいたのか?俺も振り向こうとしたら、ズキンッ!


 強烈な痛みを右足で感じて、思わず低い天井に頭を打ちつけた。その頭の痛みも感じられねぇくらい、足が痛い。


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