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ずっと見ていた
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しおりを挟むそんなことができるということは、少なくとも笑也はシオンに友達以上の想いを抱いているということになる。そしてきっと、本人に自覚はある。
俺はブラックホールのような黒い目から目をそらさずに、口を開いた。ブラックコーヒーの缶を、カンッと隣に置く。
「お前、シオンのことが好きなのか?」
「は、違うけど?俺はシオンさんのこと、親友以上、恋人未満だと思ってるから。俺、誰にも恋愛感情はないし」
あっさり打ち砕かれた、俺の予想。なんだ、違うのか。だってそう思うだろう?それくらい、笑也はシオンに必死なんだし。
だが、そんなあからさまに呆れて眉根を寄せて言わなくても。顔に「アホか」って書いてるぞ。
「そうだな、強いて言えば猫屋敷さんのことが好きなシオンさんが、親友としてめっちゃ好きだな。親友として、ここ、大事なんで」
……な、なんかこの子熱い。グッと胸の前で拳を握り構えて、黒い瞳の中でメラメラ赤い炎が燃え盛って見えるんですけど。
まったく、俺に挑むような目をしやがって。これで、擬人化種の血がわずかに混じっていても人間。しかも17歳のガキ。肝が据わりすぎだろ。近頃の子って皆こうなのか?
でもまぁ、こいつがシオンをどう思っているのかはよくわかった。なんか、ホッとした。
結局笑也は、俺がいない間、俺の代わりにシオンをずっと見ていてくれたんだな。決してシオンを小さい子供扱いしているわけじゃないぞ?
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