ユキ・シオン

那月

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轟木直也

3P

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 笑也が、自分の前に線を引いているから。家族のこととか学校のこととか、特に何も教えてくれないんだ。


 直也も似たような感じ。自分と自分以外を、はっきり区別している。だからこそ、お互いに良い距離感を持って暮らせるんじゃないかって思った。


 けれど定期的に直也は悠一と会って、魅了の力の影響を確かめる。薬も、継続して服用する。


 ソランさんからこの提案を聞いた時、第三者の目線ってやっぱり全然違うんだなぁって感じた。俺はもう、直也を諦めて手放すしかないって思っていたから。


「君にはもう家族も友達も家もお金もない。貯金?あぁ、どっかの偉い人が操作して生きるか死ぬかのギリギリまで減らしているみたいだな。だから、金はバイトで稼ぐとかしてまとまるまでは笑也君の家に居候させてもらうのがベスト。一応、どうするか聞いてあげようか?」


「断っても、全力で逃げ出しても見つけ出される。この首輪で眠らされて、捕まっちゃうんでしょ?あぁーあ、僕に自由なんてないんだねぇ」


 え、貯金の操作なんて初めて聞いたんだけど。こういうことがあると、香さんが本当に今でも人間を憎んでいるんだって実感する。


「ごめん、直也。信じてくれないかもしれねぇけど、俺もすごく辛い。直也をまだ苦しめてしまうのが。それにそれが直也のためでも、一緒に暮らせなくなったのが…………寂しい」


「ハッ、ほんっとシオン君って僕のことが大好きだねぇ?僕も好きだけど、大嫌い。ちょっと優しくて、弱いところを見せたからって僕が懐いたと思った?あっははっ、そんなわけないじゃん!」


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