恋人以上、永遠の主人

那月

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鬼死団

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 マクベスが全力で走り続けて20分くらい。我が国の端に到着、目の前には何もない。ただ、真っ黒く焼け死んだ大地が広々と広がっている。


 この真っ黒な大地こそ、7年前の百鬼夜行によって滅んだ国。古くからの伝統を尊重し後世に伝えてきた、美しき国“神無ノ国”よ。


 前のあたし達の故郷。文明の発展を望まない、自然豊かだけれど必要最低限の機械はあって、平和で綺麗な大きな村のような国だったわ。


 それが、たった1日で滅んだ。国中で数えきれないほどの鬼が暴れ、手当たり次第に人間を食らう。どこから現れたのか、鬼の軍隊といえるほど統率が取れていた。


 ひたすら暴れまわる鬼がほとんどだけど、明らかにあたし達を探して襲ってきた大型の鬼がいたの。


 災鬼っていう大型の鬼で、角が3本あって背中に翼が生えているの。両手足がやたら長くて肩から手首まで、脚の付け根から足首までに関節が2つある変な鬼。


 翼を羽ばたかせれば竜巻が起こり、雄たけびを上げれば空から雷が降り注ぐ。地面を踏み鳴らせば大きな地震が発生するのよ。だから、災鬼。


 もちろん倒したわよ?馬鹿みたいに強かったけど、何時間もかけてなんとか倒した。だからあたし達を殺したのも神無ノ国を滅ぼしたのも、その鬼じゃない。


 あたし達が頑張って倒した災鬼は捨て駒だったのよ。だって出たんだもの、災鬼を倒した直後に新手の超大型の鬼が。


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