17 / 268
鬼死団
1P
しおりを挟むマクベスが全力で走り続けて20分くらい。我が国の端に到着、目の前には何もない。ただ、真っ黒く焼け死んだ大地が広々と広がっている。
この真っ黒な大地こそ、7年前の百鬼夜行によって滅んだ国。古くからの伝統を尊重し後世に伝えてきた、美しき国“神無ノ国”よ。
前のあたし達の故郷。文明の発展を望まない、自然豊かだけれど必要最低限の機械はあって、平和で綺麗な大きな村のような国だったわ。
それが、たった1日で滅んだ。国中で数えきれないほどの鬼が暴れ、手当たり次第に人間を食らう。どこから現れたのか、鬼の軍隊といえるほど統率が取れていた。
ひたすら暴れまわる鬼がほとんどだけど、明らかにあたし達を探して襲ってきた大型の鬼がいたの。
災鬼っていう大型の鬼で、角が3本あって背中に翼が生えているの。両手足がやたら長くて肩から手首まで、脚の付け根から足首までに関節が2つある変な鬼。
翼を羽ばたかせれば竜巻が起こり、雄たけびを上げれば空から雷が降り注ぐ。地面を踏み鳴らせば大きな地震が発生するのよ。だから、災鬼。
もちろん倒したわよ?馬鹿みたいに強かったけど、何時間もかけてなんとか倒した。だからあたし達を殺したのも神無ノ国を滅ぼしたのも、その鬼じゃない。
あたし達が頑張って倒した災鬼は捨て駒だったのよ。だって出たんだもの、災鬼を倒した直後に新手の超大型の鬼が。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる