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主人マクベス
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しおりを挟む同時に彼が元人間で、何かしらの深い理由があって時空を飛び越えてきたことを悟った晴明様は「ゆっくり休みなさい」と、神様よろしく囁いて額に触れた。
晴明様、あんたよく事情を呑み込めたわね。普通は時空とか異世界とか考えられないわよ。あ、晴明様は全然普通じゃなかったわね。
「で、目が覚めたら君に首を絞められていたんだよ。あーれはもう、本当にビックリしたね」
「すーみーまーせーんーでーしーたー!だって晴明様に『突然現れた凶暴なバケモノが人間になって寝ている』って言われたんだもの」
「目を覚ます前に息の根を止める。それが主人を守るための防衛反応、だったね。ナツメは悪くないよ。悪いのは、意地の悪い晴明様だ」
あたしの本能を利用して仕組んだ、晴明様の戯れ。間違ったことは言ってないわね。まぁ、ドラゴン相手にあたしが首を絞めて殺すことなんてできると微塵も思ってないからからかったんでしょうけど。
「でも、あの時はすでに人間の姿に戻っていたでしょう?術が効かないのに、晴明様はどうやって戻したのかしら?」
「わからない。晴明様は『触れただけ』としか言ってくれなかったけれど、何かすごい秘術をかけてくれたんだと思うよ」
触れただけでドラゴン化が治まるなら苦労しないわね。さすが天才陰陽師の晴明様。マクベスはそれからずっと、恩返しのために晴明様に仕えてきたってことか。
剣の腕前は確かなものだから主に鬼退治をしたり。たまに晴明様の術で必要な道具を買い出しに行ったり、危険な場所にある呪具を取りに行ったり。つまり、使いっ走り。
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