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ナツメと安倍晴明
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しおりを挟むとりあえず、マクベスが本当に本気であたしのことを好きなんだっていうのはわかった。
眠っている間に晴明様を求める声が出ちゃってた?マクベスはあたしが晴明様を好きなのことを知って、それでも好きだなんて。
両想いになるのは諦めている。あたしは式神。あたしが好きな晴明様は死人。それでも、あたしを自分のものにしたいとは一言も言わなかった。
欲がないのか、度胸がないのか。わかんない。マクベスが、近すぎて全然わかんない。
晴明様が言った通り、マクベスと向き合わないといけない。今まであたしはちゃんと、彼の心と向き合えていなかったのかもしれないから。
だから今まで気づかなかった。晴明様はきっと、あたしに忠告しに夢に出てきてくれたんだと思うわ。
あたしとマクベスの絆の力が弱くなってきているから。これから起こりうるであろう大きな何かを晴明様は知ってしまったから、忠告。
死んでもなおあたし達の心配をしてくれるなんて、それなりにあたし達をほぼ強制的に永久の鬼追いにしてしまったっていう負い目を感じているのかしら。
というか、死んでも陰陽師の力が使えるのに驚きだわ。晴明様はどんな未来を見たのかしらね。
夢に出てあたしの背中を押さなければならないほど、あたし達がもっと本気になって強くならないといけないほど強い鬼が出る、とか?
どうもそうっぽいわよね。晴明様は鬼を殲滅するっていう誓約を当時のお上にしちゃってるんだから、鬼を殲滅するためなら何でもする。呪をかけてでもね。
……何にしても、晴明様はまたいつか夢で逢えるって言っていたし。マクベスと向き合って話を聞いてやれって言っていたし。
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