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そうだ、お鍋にしよう!
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しおりを挟むティンさんは苦手ながらも、たまに料理をするから安心。シイタケの軸を斬り落としては切れ込みを入れて。ティンさん、真面目スイッチが入って黙々とこなす。職人みたい。
シイタケが終わったら木綿豆腐をパックから出して切って、またパックに戻す。水は捨てて入れなおす。
「お、お肉、こんなに買ったの?団長が泣いてたわけね」
「うちには食べ盛りがいるから。お肉の争奪戦になるわよ。わかってると思うけど、鶏肉はしっかり火を通さないといけないから気をつけて」
冷蔵庫から取り出した、大量の鶏肉。複数パックで割引きだったのよ。
豚肉は切らなくてもいいようにコマ切れだからそのまま、元から丸められているつみれのパックと一緒に冷蔵庫で待機。
鶏肉の塊を、一口サイズより大きめかつやや薄く切って。ティンさんがグニグニすべって、危うく指を3本切りそうになってたわ。
しっかり押さえて、ゆっくりでいいわ。時間は結構あるんだから。2人でどんどん鶏肉をさばいていく。
あれ?切ったお肉が見当たらないと思ったら、大きなボウルに入ってた。しかも、何かの液がかかってる。
「それに浸けて、染み込ませる。柔らかくなって美味しくなるから。何かって?そんなの教えるわけないじゃんじゃんじゃんけーん、ぽんっ!勝ったぁー」
わぁびっくり。奥で鍋つゆとデザートを仕込んでいたユエさんが、終わったのか鶏肉に謎の液体をドバドバドバッ!
だから、何の液!?去り際にじゃんけんをして、とっさに出したら負けた。勝って上機嫌に鼻歌を歌いながら、ユエさんは道具を片付け始める。
今後のためにも、明日にでも絶対教えてもらうわ。意気込んで、あたしとティンさんは残りの鶏肉をさばいて謎の液に浸け込んだ。
終わった頃に、カレスとラファルガ君が「終わりました、先生!」と手を振る。
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