恋人以上、永遠の主人

那月

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そうだ、お鍋にしよう!

13P

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 さて。じゃあ、皆で野菜を切りましょう!ちょっとだけ、料理教室の先生を気取ってみた。それぞれまな板と包丁を用意して。


 あたしの隣にカレス、ティンさんの隣にラファルガ君。人参は、洗う時にタワシで強く擦るように言っておいたから皮を剥かない。


 そのまま、ピーラーでそいでいくの。硬いからゆっくりでいいわよ。大きくなってきたら縦半分に切って、最後はあたしとティンさんが包丁で薄く切る。


 次、大根。包丁で皮を剥くのは怖いから、これもピーラーで。大きめの輪切りにして、一口サイズに。


 長ネギは簡単よ。ナナメに切るだけ。緑と白の間のところはちょっと硬いから、少し薄めに切ってね。緑の部分も食べられるわよ。


 最後、大量の白菜。まずは分解よ。包丁の先を使って、薄くて火が通りやすい緑の部分と火が通りにくい白の部分を切り分けるわ。


「んんん?包丁の先で、こう?あっ――」


「あっぶないないないなー。そこを持ってたら指を切るに決まってるじゃん、バカタレ。よく見て。包丁を、立てる。カッターで紙を切るみたいに境目に沿って滑らせる。こっちも。V字につながったら、外す。ホイっ」


「わわわわわわわわ……で、できた。すごい。綺麗…………あ、はいっ、やります!やってみます!ありがとうございましたユエさん」


 ラファルガ君は包丁をまっすぐ持ったまま、しかも包丁に意識が集中して進行方向に左手を置いたまま切ろうとしたから。


 あたしが伸ばした手は完全に間に合わなかった。彼の右手をつかんで止めたのは、自分の担当が終わって様子を見に来たユエさんだった。


 そのまま、ラファルガ君の後ろから左手で左手、右手で右手をつかんで。正しい包丁の持ち方と左手で押さえる位置を。包丁を動かして白菜を切って、直接教える。


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