恋人以上、永遠の主人

那月

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そうだ、お鍋にしよう!

15P

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 ――白菜を分別完了。緑の葉の部分は手でちぎって、白の部分は斜めに削ぎ切り。実はカレス、包丁に慣れてるんじゃない?っていうくらい、ちゃんとできてた。


 ラファルガ君は超ゆっくりながらも斜めに切れていて。残念なことに、ティンさんは斜めにならず、しかも時々つながってて。


「料理するけど、上手じゃないから……っ!ごめんなさい」


 って、顔から湯気が出てた。いいじゃない、可愛いわよ。そういうの、旦那様の前でやったらいいわ。まだいないけど。


 ティンさんってお堅いイメージがあるんだけど、好きな人っていないのかしら?好きなタイプは?なんて考えながら、残りも仕上げて。


 もちろん、洗い物と片付けまで皆でやって。そりゃあもう冷蔵庫が暗くなるくらいギッシリ詰まったわよ。


「あ、終わったー?チョコチョッコとおっ茶っちゃー、持ってきたけど。いる人っていないよね?」


 そういえばユエさんってどこに行っちゃったんだろう?そう思った矢先だったわ。おぼんを持ったユエさんがひょっこり顔を出して、そう言うと引き返そうとしたの。


 慌てて「いるっ!」って、ティンさんが。その必死な声にユエさんが「ニヒヒヒ」と意地悪く笑いながら戻ってきて、皆で休憩。


 まだ子供のラファルガ君じゃなくてティンさんが大きな声を上げるって珍しくて。イメージなかったけど、実は甘いもの好きなのね。


 イジワルしてもちゃんと人数分のお茶、持ってきてくれてる。しかも大粒のチョコまで。


 お皿の上に乗った5粒のチョコ、それぞれつまんでいたら「ロシアンチョコ。1つ大当たりがあるるるる」って。待って、何が入ってるの!?もう取っちゃったし!


 皆、同じ気持ちね。目が合ったわ。…………よし。ここは、覚悟を決めて同時にいきましょ。うなずき合って、パクッ!


 ちょっと大きいけど一口で、口の中で噛んだら中からドロッと何かが出てきた。お、大当たりだったらどうしよ!?


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