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戦友は一時休戦、家族団らん
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しおりを挟む皆、何となく乾杯をして笑い合ってからそれぞれ唐揚げや煮えているものを取り分ける。葉物野菜も2人が来た時に入れたから、ちょうどいい具合に煮えてるわね。
もしかしてヨダレ垂らしてるの?ユエさんに山盛りにしてもらった唐揚げの小皿を受け取って目を輝かせて、かなり大きいのに一口で食べちゃったアキラさん。
呆気に取られていると、クイックイッと服の袖が引っ張られた。はいはい、わかってるわよ。
「煮えてるの、全部。お椀の中、小さい鍋みたいにしてほしいな。あ、ナツメは何を切ったんだっけ?ナツメが切ったのがいいなぁ」
振り向けば自分のお椀を差し出してくるマクベス。「何がいいのよ?」と受け取って、菜箸をお鍋の中に突っ込めば「全部」って。なかなか難しいことを言ってくれるじゃない。やってあげるけど。
お鍋の中の配置のまんま、少しずつ取っていって最後におつゆを注ぐ。マクベスの細かい注文は無視よ。
大きくてフサフサの尻尾を振って待ってる。なんて幻が見えたわ。マクベスに山盛りのお椀を渡して、あたしも自分のお椀に適当に入れる。
まずはおつゆを少しすすって、自然とご飯を口に運んだ。すっごくご飯と合う。鍋つゆはユエさんに任せていたから何をどんな配合でお出汁を取ったのかわからないんだけど。
高級料亭で出てきてもおかしくない。あ、高級料亭なんて行ったことないんだけど。とにかく、美味しすぎる。
味が染み込みやすい白菜や大根、エノキを食べてもそれぞれの味をしっかり感じる。具材の良さを殺さない、むしろしっかり引き立てつつもお出汁の旨味があとからほんのり主張してくるような。
何が1番合うって、ご飯。シメに溶き卵でとじておじやにしたら最高なの、確定。
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