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迫りくる氷山
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しおりを挟む人間から転じたと言われている酒呑童子と茨木童子。酒呑童子は鬼の頂点に君臨していた男よ。知能は人間並み、戦闘はパワーがケタ違いで大変危険。
茨木童子は知能は人間以上だけれど、パワーは酒呑童子ほど脅威的ではなく戦闘はあまり得意ではない。
どちらも平安時代に滅殺の命令が下って討ち取られた。体は跡形もなく燃やされ、魂は晴明様が引き取り一緒に地獄に連れて行くことになってたわ。
死後のことはさすがにわからないから、死んだ晴明様が2人の魂を地獄に連れて行ったのかはわからないけれど。
でも、たしかに2人は今、生きている。なぜなの?
「やっぱり知ってました、かっかっかー……あぁ、厄介厄介。外に出たっきり戻っていないし、この街のどこかにいるかもです」
「ナツメさん、お2人がそこまで恐れるこの2体の名を、教えてくれますか?」
「酒呑童子と茨木童子よ。あたし達の時代に滅したはずなの。普段は人間と全く区別がつかないけど、鬼化すれば本性を表して本来の姿に戻る」
「知能が高く、色んな意味で大型鬼と比べ物にならない強敵だ。人間の姿でも、気がゆるんだり興奮したりすると鬼気が漏れ出ることがある」
「酒呑童子の鬼気にあてられた鬼は格段にパワーアップする、だったか?シャレにならんな」
酒呑童子と茨木童子の名前を出した瞬間、2人の顔が引きつったわ。ユエさんでさえ「なんてこと」って呟くくらい。
全く、倒せる気がしないんだけど。
倒したはずの鬼が復活していたり、知能が低いはずの鬼達の統率が取れていたり。人間が鬼の味方しちゃってたり。もう、わっけわかんないわよ!
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