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潜入は慎重に
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しおりを挟む「…………おいら、そんな大変な戦いに参加できないんですね」
ボソッと聞こえたラファルガ君の呟きに全員が振り向いた。そうね。悔しいでしょうけど、ハッキリ言ってラファルガ君は戦力外よ。
でも彼はもう覚悟している。しっかり前を見つめている。というか、睨み付けている?
呟きは無意識だったみたいね。あたし達の視線に気づいた彼は可愛らしく苦笑したのち「おいらはおいらにできることを精一杯やります」って、ニッて笑ったわ。
「ラファルガが抜けるのは痛いが。これからはいつものようにただ出現した鬼を討つだけではだめだな」
「酒呑童子は自力で復活したわけじゃないはずだ。さらに後ろにいる黒幕の正体と目的を探らなければ、倒してもすぐにまた復活されるかもしれないしね」
「人間の女をとっ捕まえてマクベスに搾り取ってもらえば何かわかるかも」
「ちょっ、搾り取るって、人をジューサーみたいに言わないでくれるかな?」
酒呑童子と茨木童子は外に出ていて今はいない。ということは、あのビルの中には人間の女と小童子だけ。ラファルガ君の情報が正しければだけど。
行くなら今しかないわ。ただ、外に酒呑童子と茨木童子がいる以上、アキラさんはもしもの時のために本部で待機。
ビルにはあたしとマクベスと、戦力強化のためにティンさんの3人で行くことになった。
本当はあと1人くらいほしかったけど、鬼死団員は街を巡回しに行ってるからそこから借りるわけにもいかないわね。
巡回に参加してないであろう、不真面目な鬼死団なら1人いるんだけど。呼んでも絶対に来ないからあてになんかしないわ。
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