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潜入は慎重に
2P
しおりを挟む「よし、シュノーティンには連絡をつけたから玄関で合流だ。ラファルガ、俺は離れるが何かあれば今度こそすぐに知らせろ」
「はい、必ず。ナツメさんマクベスさん、どうかお気をつけて。ビルの中は幻術によって迷路みたいになってますから」
ねぇラファルガ君、それってもうちょっと早くに言ってくれない?とか思いながら、あたしとマクベスは病室を出て玄関に向かった。
先に玄関で待っていたティンさんはあれから古い文献をずっと調べていたみたい。わかったことをメモしていて、あたし達に教えてくれた。
知っていたことも知らなかったことも、間違って残されていた情報も色々ね。
ものすごくびっくりしたんだけど、玄関に着いた途端にあたしのケータイが鳴ったわ。発信相手を見てさらにびっくり。
解散してからカレスの所に行ったらしいユエさんからだったわ。一方的に「言い忘れ。ビルの近くで副団長を見かけた」って言ってブチッて切られちゃった。
あぁ、マジですか。ま、偶然でしょうね。
この際だから、見つけたら強制的にあたし達の補助になってもらうわ。ものすっごくゴネるでしょうけど、知らないわ。
鬼死団の団長はよく働く、仲間想いで働きすぎるくらいなのに。副団長ときたらほぼ毎日サボってるのよ。しかもナンパしまくって女遊び三昧。
あれでよく副団長が務まるものだわ。いや、務まってないのかも。確かな戦闘の才能と確かなコネで副団長の座についている、というかつかされたって聞いたし。
「ねぇねぇナツメ、彼に最近会ったのっていつ?」
「9日くらい前よ。若い女連れて楽しそーに歩いてるの見ただけだから、マトモに口をきいたのは……んー、2週間くらい前かしら」
「やっぱり。俺、1か月以上前だよ。最近は鬼死団本部にすら来てないみたいだし、これ以上酷くなるようなら除団も考えないと」
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