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復活
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しおりを挟むあたしとマクベス、それからティンさんは生きているわ。怪我をすることなく地面に降り立ち、そのまま本部のアキラさんの所へ連れて行かれた。
風を起こしあたし達を絶体絶命のピンチから救ってくれたのは、腹部を深く刺されて死にかけていたはずのお兄ちゃん。
全てをハトを通じて見ていたユエさんから電話で実況されていたらしく、目を覚ましたお兄ちゃんが血相を変えてじいじの治療を振りきって駆け付けてくれたんだとか。
得意な風の魔法を全力で活用して、つむじ風と化して文字通り飛んできた。永遠の鬼追いの死に関わるから?それとも仲間のため?もしかして、妹のため?
格好いいこと、たまにはできるんじゃない。見直しちゃった。まぁ、直後にまた倒れちゃったけど。らしくないけど、それくらい必死だったんでしょ。
「――あぁ、続けてくれ。無理をし過ぎて壊れるなよ。おい?あー、もう切ったか。はぁ。どうやらビルからの追っ手はないらしい」
「油断はできないよ。相手はあの酒吞童子と茨木童子。それから、2人を陰で操っている黒いキツネ面の男は正体不明だからな」
「酒呑童子の子供だとか言っていた小童子もいるわよ。あれ、本当に彼の子供なら人間とのハーフでも強敵になるわ」
「……鬼は、母親の腹を内から破って生まれてくるのか?」
「そんなわけないでしょ。あの子が特別なだけよ。鬼は酒吞童子のように人間が変異して成る者、夫婦の間から人間と同じように産まれる者、それから地水火風によって自然に発生する者に分けられるの」
「小型、中型の鬼は大抵自然から発生する。穢れの溜まりから生まれるらしいけど、俺達が見つけ次第浄化、消滅しているからこれでもだいぶ数は減ってきたな」
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