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復活
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しおりを挟む未だかつてその力を習得した者はいない。過去、現在、未来を全て知る能力、それが文字通り“全知”よ。
ユエさんがハトを使って“現在”のほぼ全てを知る力を持ってる最有力候補だったんだけど。残りの“過去”と“未来”には興味ないからってそこでストップ。
神様の力なのよ、一言で言うと。習得方法もわからない力をどうやって習得したのかしら?教えてくれないでしょうね。
あたし達が知りたがっていることを1つだけ、教えてくれる。慎重に選ばなきゃ。
「アホ弟子が。この世に“全知”なんぞ存在するわけがないじゃろ。わしはただ、事実を知っているだけじゃ。さぁ、何を聞きたいのじゃ?」
違うのかい!もういいわ。とにかく質問を決めなきゃ。3人で何を聞くか話し合っていると「早くせんと帰るぞー」って声が聞こえたわ。勘弁してよもう。
「1つか、なかなか厳しいな」
「俺にいい考えがある。任せてくれないか?」
よし、妙に自信満々なマクベスに任せたわ。どんな作戦があるのか知らないけど、自ら師匠の前に進み出たんだからしっかり聞き出しなさいよ?
迎え撃つミケさんは「フフン」と、なんだか楽しそうにマクベスが何を言うのか待っている。
あたしとアキラさんは固唾を飲んで待っている。まっすぐ真剣なまなざしをミケさんに向ける彼の背中を誇らしく思うわ。
そうして静かな時間が流れてようやく開いた彼の口から発せられた言葉が、これよ。
「師匠様しか知らない、師匠様が教えたい特別な情報を、俺達に恵んでください」
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