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兄妹
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しおりを挟む「この鍋はシメまで美味い。料理の腕がプロ並みの者、普通の者、苦手な者、未経験の者。何人もの手が加わっても、こうして最後まで美味しく楽しめた。まるで人生、というより、この世界そのもののようだと俺は思う」
「アッキーがそんなことを言うなんてねぇ。人生、世界かぁ……」
「考え方は人それぞれだ。無理に理解しようとはしなくてもいい。お前が鍋パーティーに参加しなかったのは本当に残念だったが、これはこれでよかったと思っている。セイはいつも、俺の裏、影にいるな」
「僕が影?そりゃあ、大きな隊の長を務めて信頼もあって力もある強きをくじき弱きを助けるヒーローそのものなアッキーと、遊び惚けて職務怠慢な僕を比べたらそうなるよ」
「影が日の光を浴びてはいけないという決まりはない」
「や、それは無理でしょ。影は常に光の反対側にできるんだしさぁ。日の光なんて浴びたらそれはもう影じゃないでしょ」
「そうだ。影でなくなればいい。なんなら俺がセイの影になってもいい」
「……無理じゃない?」
「むぅ」
「否定しないし。完全なヒーロー、陽キャラのアッキーに影なんて無理無理。ま、アッキーのその思いは嬉しいから。そうだな……ヒーローを陰で支える強いイケメンキャラ、くらいでいさせてよ」
「ふっ。それ、自分で言うんだな。だが、それでこそセイだ。セイだからこそ、俺の背中を預けられる」
「てか、今更だけどさ、こんな大事な時に僕なんかにかまってていいの?最近鬼達が活発だし作戦会議とかさ、色々大事なことがあるんじゃないの?」
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