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地獄巡り御一行様
4P
しおりを挟む「恋敵のマクベスがいなくなった途端にお前をそばに置こうなど。卑怯だとは思わないか、ナツメ?」
「卑怯というか、ただのヘタレでしょ。卑怯なことは今まで散々してきたじゃない。実はネチネチ裏で手回しして、陰湿なのが晴明様でしょ」
「……酷い言われようだ。だが、そういう……つんでれ、というのか?攻撃的なところもまた愛らしいな」
「ふ、不意打ち!って、晴明様はあたしのことが本当に好きなの?恋愛として?」
「さっきからそうだと言っているだろう。マクベスに言われ過ぎて鈍くなったか?そうか。ならばお前が本当に愛している者が誰なのか、誰に1番愛されているのかその心と体にきっちり教え込まなければならんな。離れていた時間分、いやそれ以上に、じっくり、と……」
呆れて溜め息を吐いた晴明様。黒い笑みを浮かべてあたしの腰を抱いて、でも優しく慈しむような表情に変わった。
もう片方の手があたしの顎を持ち少しだけ上に向けさせる。そしてゆっくり顔を近づけ、あたしは目を閉じた。
終幕
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