惰眠童子と呼ばれた鬼

那月

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偶然は必然

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 まるで窓の中を覗いて何かを探しているようだ。モヤは上から半分だけ窓に垂れ、けれどすぐに姿が薄くなって消えてしまった。


 結局、特に何もなかったがまだ気は抜けない。疲れる上に授業に集中できないだろうと和比呂には目を元に戻すよう指示し、俺は学校や周辺を監視することにした。


 どうやら今は数学の授業中らしい。難しそうな数式の呟きが聞こえた。授業中によく呪を飛ばせたなと声をかけると「窓際の席だ。一瞬なら、あぁこれの解は3だな」と返ってきた。


 式神と本体の意識が完全に繋がっている証拠だな。もうじき授業が終わる、休み時間になればまともに会話できるだろう。


 ということで、10分でも眠ろうと俺は目を閉じた。熟睡はしないさ。ただの鉄の柵に座っているだけだからな。


 とは意気込んだものの、俺は惰眠童子だ。いつでもどこでも何年でも眠る。睡眠時間はコントロールできない。つまり、目を覚ますと和比呂の声がとんでもなく怒っていた。


「永眠させてやろうか……ったく。呼んでも蹴っても叩いても突っついても起きねぇなんてな。2回目だぞ?」


 俺の膝の上で服を咥えた鷲が飛び立ち、俺の頭をコツンッと小突いてから隣に降り立った。聞けばもう昼休みが終わりかけているんだとか。


「すまん、安倍に呼ばれた時の話をするのだったな。俺は歴代のどの安倍にも会ったことがないが、息災だったか?」


「まぁな。呼ばれたのは俺だけだった。安倍様は日課の星詠みで、俺の近くに何かただならぬ影があるとおっしゃられた」


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