惰眠童子と呼ばれた鬼

那月

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親友

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 まったく、腹に何を飼っているのやら。手当てしている間、キツネの腹から「グゥギュルルルルルルー」と風邪を引いた獣の下手な唸り声のようなものが聞こえた。


 今度は腹が減った、か。手当てをしてすぐ、残っていた黒糖饅頭をキツネの口の中に3つ押し込んでやった。


「ん!ふぉえ、ふぁああもごごごご、ごほっごほっ……」


「食うかしゃべるかどちらかにしろ、汚い。吐くなよ」


 呆れながらデコピンを食らわす。やっぱりというか、食う方を選んだキツネ。あっという間に口の中の黒糖饅頭3つを食べ終え、用意してやった水を一気に飲み干した。


 年寄りもビックリの早すぎる朝飯だな、黒糖饅頭だけだが。こいつの場合、これから寝てしまうんだろうが。


「甘さ控えめで美味しかった。飲んだことないけど、渋い濃いお茶とかが合いそうな感じじゃ。どこで買てきたんじゃ?」


 これは、茶飲み喫茶和楽を紹介すれば必然的に歌磨呂のことを話さなければいけなくなるよな。面倒だ。さっさと食って寝てくればよかったものを。


 そう思いながらも俺の口は、気が付けば死神のレイルと戦った後に歌磨呂に出会ったところから話し始めていた。おしゃべりな口め。


 しかし思い返せば、小娘と出会っていなければ歌磨呂にも出会ってはいなかったのだろうな。でなければずっと、歌磨呂は何の手掛かりも見つけられぬまま酒呑童子をひたすらに待ち続けていたに違いない。


 これは、少しは小娘に感謝せねばならんな。よし、今度墓参りに行くときは何か持って行ってやろう。そう、茶飲み喫茶和楽の饅頭とかな。


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