能ある鬼は角を隠す

那月

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見られているということ

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「「琴音に怪我させったって、マジかぁクッソ異端児がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」


 鬼だ。いや元から鬼か、般若がいる。2人。いや違う、3人だ!


 敦彦の左右の腕を持ち上げたのは、完全にブチ切れている双子。雅美右京と左京。琴音の、兄。お察しの通り、琴音を溺愛しすぎている。


 偶然、ではないな。きっと双子は、山を越えていても愛する妹の叫び声が聞こえた。苦痛を感じて、飛んできた。


 般若になっているのはもう1人。3人の母親である華南もまた、双子に負けず劣らずの娘溺愛しすぎ母。


 敦彦は悟った。あ、命が細かなチリと化するなと。琴音のわずかな怪我で鬼から般若に転じてしまった3人だ。もうすぐ嫁入りをするというのにこれじゃあ旦那の死は誓い。


 琴音は嫁入り寸前。敦彦が訪れ、琴音が勤務する小さな店の店主の男鬼と恋に落ちたのだ。


 琴音の恋人となった男鬼が挨拶に雅美の家に来た時、肉体的にも精神的にも瀕死の重傷を負ったのは言うまでもない。もちろん、般若3人の仕業だ。


「ひ、ひぃぃぃ。どどどど、どうか命だけは……」


「「あぁぁ?安心しな、心臓だけははずしてハチの巣にしてやっからなぁ!まぁ、回復したらまたハチの巣にするけどなぁ、覚悟しとけっ!!」」


「…………ふぅ。20発ブン殴っても気が済まないところだけど、大事な話があるの。あなた達は向こうに行ってなさい。2人とも、琴音の怪我の処置をするのが先でしょお?」


 あ、般若の1人が普通の鬼に戻った。無理矢理怒りを沈めたようだが、大きく息を吐いて敦彦の……首を鷲づかみ!?


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