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第5話
しおりを挟むあれから3ヶ月、まっしーは必死に勉強をがんばった。俺も1月には推薦で合格がきまったとはいえまっしーに付き合い、まっしーの家で毎日日付が変わるまで一緒に勉強した。
甲斐あって、受験の結果で高得点かつ希望者だけ進める特進クラスへ進めることが決まり、両親もすごく喜んでいた。
合格発表の日まっしーの受験番号が載ってるを見た時は2人で飛び上り抱き合って喜んだ。
俺は人生で1番泣きじゃくり、まっしーに慰めてもらうというまっしーの喜びを横取りするくそっぷりを発揮し自己嫌悪に陥った。
毎日お邪魔してた分、まっしーのお母さんからもすごく感謝してもらって、食事に一緒に行かないかと誘われたが、お断りさせていただいた。
そういう喜びは気を使わない家族で分け合うもの、友達と分け合うもの、先生と分け合うもの。
混じり気のないハッキリした祝い方が俺は好きだったからだ。
卒業式の日、まっしーの後ろに並んでその背中を見上げて式の間ずっとたくさんのありがとうを伝え続けた。
(まっしーおめでとう。憧れの君のそばで君の手助けになれて、君に素敵な最良の結果がもたらされて、俺の方がたくさん幸せな思い出をもらったよ。ありがとう。君のおかげで俺の中学生生活は人生で1番最高の思い出に多分なったよ。)
ごめん、父さん母さん。2人よりまっしーに感謝してる息子をお許しください。
ありがとうさよなら、歌の歌詞ひとつひとつが全部まっしーとの思い出と強く結びついて、俯いて喉を震わせることしか出来なかった。
「まっしーありがとうおおおお!ほんとに今までありがとおおおお!!」
ぐちゃぐちゃに泣きながらまっしーに抱きつく。
後ろで同様に泣きながらまっしーを見送る舎弟達に申し訳ないと思いながら、ごめん今日でまっしーから卒業するから許してくれと心の中で謝る。
「別に高校に上がるだけで、ンな泣くことねぇだろ?」
まっしーは心底理解できないという顔でしがみつく俺の頭をなでてくれる。
「多少学校が遠くなるだけで、今までと変わンねェよ。」
ニヤリと笑ってくれるまっしーに
「うん、うん」と頷きながら思うのだ。
(ごめん。まっしーの『友達』でい続けるのはもう限界なんだ)
「しょーがね、これやるよ」
「あ、コレ…ボタン」
まっしーの制服は一つももうボタンが残っていない状況なのだが、第二ボタンだけは卒業式が始まった時には既になかったので、俺はヤキモチと嫉妬でジクジクとした胸の痛みを覚えていた。
「これって…あ…まっしーありがとう!!?」
「まあ、コレからもよろしくっつーゴニョゴニョ…」
「え、まっしー何?」
「うるせェ!」
「い、痛いよまっしー!」
久しぶりに受けたまっしーのヘッドロックは苦しくて涙がずっと止まらないほど痛かった
俺の憧れから始まった初恋はこうして幕を閉じた。
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