おばあちゃんなんて大嫌い

散乱坊

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おばあちゃんは可哀想

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毎年冬休みには鹿児島迄、車で24時間かけて帰省する。
後部座席の足元に毛布を詰めて快適空間を作りまったり寝て過ごす。
帰省する度に雪だらけ。

おばあちゃんが暖かいハンテンを用意して待っててくれる。
難点はトイレが離れのぼっとんでとても怖い。
お風呂も外の五右衛門で、道から丸見えで恥ずかしい。
夏であれば青大将が天井から落ちて来る。それだけは勘弁。

そこにはおじいちゃん、おばあちゃん、自衛隊を辞めて農業を継いだおじさんが三人で住んでいる。
各地に散らばっている親戚が集まってお正月はとても賑やか。
父は8人兄弟の5番目。兄姉には頭が上がらない。

親戚の団らんに飽きて別室で冬休みの宿題をしているとそこに住んいるおじさんが部屋に入ってきた。
「宿題か?」
「うん」
「大変じゃねぇ。四年生にもなると難しいんじゃろうねぇ」
「うん」
と言いながら隣に座り頭を撫でてきた。
なんだか気持ち悪い。
「宿題やってるから・・・」
頭を左右に振ってその手を払った。
するとおじさんの手が腰にまわり抱きしめられた。
は?!怖い!
あまりの怖さに声が出ない。
「可愛いのぉ、お前は本当に可愛いのぉ」
腰から腹に手が移動する。
服をめくられ口が胸を吸っている。
この時点で体は強張り抵抗する力も無い。
お母さん助けて・・・
誰も気付かない。
何度も胸を吸われ揉まれ口も吸われ出した。
それと同時に足に手がかかる。
するすると股を弄られる。
おじさんの息が荒い。
硬直した私を確認し自らの下半身をむき出しにした。
「大丈夫じゃ怖くないよ気持ちいいから」
おじさんの下半身が私の股に入ってくる。
痛い!
カタッ
その時障子が鳴った。
そこにはおばあちゃんがいた。
「あっ・・・」
やっと出た声におばあちゃんが助けてくれると安心したのも束の間。障子はソッと閉められた。
おじさんは夢中で気付かない。
絶望した。
「はぁはぁはぁはぁ」
おじさんの息だけが部屋に響く。
痛い!痛い!痛い!
「気持ちいいじゃろ?気持ちいいじゃろ?」
生暖かいモノが私の中で感じる。
おじさんの下半身が私から抜け出した。
「口も気持ち良くしてあげようか」
と言っておじさんの下半身が口に思い切り入ってきた。
「うぐっ、おえっ」
「いいのぉもっと入れてあげようなぁ」
ぐぽっぐぽっ
何度も何度も私の口でおじさんの下半身が揺さぶる。 
もう何もわからない。
どぴゅっ!
青臭いものが口いっぱいになった。
うげっごほっ!
「もう一度こっちな」
股に再度おじさんの下半身が入った。
抱き上げられおじさんに抱えられ私は上下に揺すられた。
口の中、胸、尻をまさぐられると同時に股にもおじさんの硬く熱いモノがぐちゅぐちゅ動いているのがわかる。
途中から痛みが快感に変わっていく。
「おじさん・・・おじさん・・・」
声がかすかに出せた。
助けてを呼ぶだけの気力は無かった。
「ええ子じゃねぇ、ええ子じゃねぇ、もっと気持ち良くなろうなぁ」
激しくおじさんの股間が私に打ち付けられる。
もっともっともっともっとと快感を求めはじめていた。
だらしなくヨダレを垂らしながら。

私が次に意識を取り戻したのは病院のベッドの中だった。
母が泣いている。
父が泣いている。
おばあちゃんがすまなさそうにうなだれいる。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
母が言う。
「すまんかった、すまんかったなぁ・・・」
とおばあちゃんが言う。

おばあちゃんの言葉は薄っぺらく聞こえる。
見捨てたのに?何で?

もういいや・・・。
私にはもう嫌悪も憎悪も残っていない。
からっぽだ。
人を諦めた。

あれ以来おじさんとは会っていない。
数年後、東北の海岸でおじさんが裸で歩いているのを保護されたと聞いた。
あぁ、おじさんは心の病だったのか。
だからおばあちゃんも見てみぬ振りをしたのか。

おじさんにではなく、おばあちゃんへの哀れみが生まれた。
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