【本編完結】自由気ままな伯爵令嬢は、腹黒王子にやたらと攻められています

橋本彩里(Ayari)

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不調と新たな問題

新事実②

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「そんな可愛いことを言うと、もう一度襲うぞ」
「もう気力、体力ともに保たないので本当に今日は勘弁してください」
「ふぅーん。まあ、今日のところは可愛い姿を見れたし終わっておくが、もっと慣れていってもらわないと」

 本気で懇願すると、引いてはくれるが先が不安だ。
 徐々に慣らされている感に、身体の疲れとともにふぅっと呆れた息が漏れた。

「最近、堂々としすぎでは?」
「いいだろう? ティアにだけだし恋人なのだから隠さなくても」
「それにしても、ここ最近毎回ですし減らしてくださっても……」

 別に触れ合いが嫌なわけではない。求められることは嬉しいし、エッチな行為でアンドリューが満たされたり何かしらの発散に繋がるのならいいと思うくらい心を許している。
 ただ、最後までしてはいないが、いつもでろっでろのあまあまで体力と精神力を試されている気がするのだ。

 そう告げると、アンドリューは不思議そうな顔をしながら私をじっくりと見つめたあと、ああ、と何か思い至ったのかふーんと楽しげな声を上げた。

「それは無理だな」
「なぜですか?」
「もしかして知らないのか?」
「知らないとは?」

 ふっと笑う姿が意味深すぎて、何か見落としている情報があるのではと不安になって問い返すと、指の背でするりと頬を撫でられ最後に睫毛をはじかれた。

「魔力が高いと性欲が強いことと、相性がいいと求める度合いが高まることを」
「魔力の相性というのは聞いたことはありますが、求めることに魔力も関係しているのですか?」
「あくまで相乗だと研究結果が出ているな。俺たちは相性がいいし、どちらも魔力量は多い。そんな二人が思い合って触れ合っていたらそのような気持ちが増えることはあれど減ることはない」

 やめて。減ることないって断言したよ。
 あっ、だからさっき面白そうに笑ったのか。

「世の中の魔力の高い恋人はそういう傾向にあると?」
「あくまで研究の結果だがな。本人が持っている感情に対して相乗効果があるというだけだ。好意に友愛だってあるし、その相手にそんな欲はわかない。情欲を含む好きが互いに絡むと、とても気持ちが良いから余計に離れられないということらしいな」
「……なんですか、それ」

 すっごい都合がいいというか、恋愛ゲームみたいな設定にびっくりなんですが。
 もともと乙女ゲームの世界であったのだけど、そんな設定知らない。私は初めて知った情報にあれこれ試行が飛んでいく。

 だから、あのゲームはやたらとエチエチシーン多くて、両思いになったらあっちやこっちでラブラブしてたと? 年齢的にも魔力的にも抑えがきかなかったという設定ってこと?
 オズワルドの絶倫と姉への溺愛度に重さが増していっているのは、それが要因であると? 好きが止まらないって?
 なんて、ラブ設定。

「広い世界で出会える確率も低いし身分だってある。もしそういった相手と出会い一緒になれたら、離れることは考えられず心身ともに求めるのは相手だけになる。父と母もそうだな」
「お二人の仲の良さは有名ですから」

 二人の出会いは物語で描かれるほど、仲睦まじい。

「ああ。俺もそんな二人を見ているから、そういった相手に出会えることがどれだけ素晴らしく貴重かはわかっている。受け入れられることが許されたら、そういった欲は当然相手に向かうし、我慢する必要がなければ盛んになるのは仕方がないだろう」
「少し疑問なのですが、魔力の相性を重視したら性格とか関係ないことになるのでしょうか?」

 魔力なんてなかった日本人の感覚的に、魔力に惹かれたとかはやはりぴんとこない。
 魔力の相性がいいから大事だと思うのは、なんとなく寂しいなと思ってしまう。

「それはない。魔力は年齢を重ねるとともにその者の性質が出てくるから、魔力に惹かれることは性格を好ましいと思うこととそう外れないだろう。それに惹かれる魔力に出会っても必ずしも相入れるわけでもないから、魔力も好意を寄せるひとつの要素というだけだ。容姿の一部のようなものと思えばいい。誰しも好みの容姿などはあるだろう?」
「そうですが」

 異性を意識する上での魔力は容姿の一部のようなものか。
 なんとなく言いたいことはわかるのだけれど、やはり不思議な感じだ。

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