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第49話 素直じゃない
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(な、なぜ……、鍋焼きうどん……なんだ?)
美栞と約束の日、僕たちは鍋焼きうどんを食べていた。
夏真っ盛り、エアコンで部屋を冷やしているとはいえ、汗が滝のように流れる。
「どうですか? 森岡。 ワタシの手料理も捨てたものじゃないでしょう」
「は、はい、とても美味しいです」
「良かったです。 初めて料理を作りましたが、喜んでくれて嬉しいです」
「ミカン先輩って、やっぱり、うどんが好きなんですね」
「別に好きなわけではありません。ワタシが作れそうだから、うどんにしただけです」
なぜか美栞は自分がうどん好きだという事を否定する。
(素直じゃないな……)
「さて、夜も更けてきたことだし、そろそろ、ワタシの覚悟を受け取ってください」
やはり、本気で美栞は僕との関係を進めるみたいだ。
(どうしよう?)
美栞は平気なのだろうか? 彼女が僕の事を好きだとは思えないし、僕も、彼女のことは好きではあるが、恋してはいない。
男だから、ヤレと言われればできるし、陽菜みたいに子供じゃないから、何ら障害はないだろう。
でも……、
「あ、あの、ミカン先輩、本当に良いのですか? 僕が初めての相手で」
「森岡は、嫌なのですか? ワタシのオッパイを触りたいのでしょ?」
「そ……、それは、まあ……、そうですけど」
美栞の爆乳は、男なら放っておけないくらい、魅力的だ。しかし、綾乃との事を思い出すと、女性にとって処女喪失はかなりショッキングな出来事なはずだ。
「あの……、ミカン先輩は、僕との関係を『実験』だと言いました」
「はい、そうです。 森岡はモルモットです」
「でも、この先は、その……、するという事は、実験と呼ぶには、取り返しがつかない、というか」
僕は、何を言っているのだろう?
「要するに、森岡は、ワタシのことが『好きじゃない』と言いたいのですか?」
美栞は、僕の心を見透かしているようだった。僕の躊躇いの本質まで分かっているかのように。
「いえ、好きですけど、その、言いにくいのですが、恋してないというか……」
「じゃあ、お相子です。 ワタシも森岡に恋してません」
僕が何か言おうとするのを遮り、美栞は続ける。
「ワタシが経験したいから、ではダメですか?」
僕ももう、覚悟を決める。
「先ずは、『キス』というのを、してください」
美栞は『キスしてほしい』と言ったのだが、目を開けたまま、じっと僕を見つめている。
「ミカン先輩、では、いきますよ。目を閉じてください」
「目を閉じると、どうやっているのか見えません」
(う!? たしかに、キスをするとき、目を閉じなければいけないという決まりはない)
僕は仕方なく、そのまま美栞の顎に手を添えると、唇を近づけていく。美栞が微かに震えているのを感じる。
唇が触れると、美栞は「ぅんっ」と小さく吐息を漏らした。チラリと様子を伺うと、目を閉じている。
僕はそのまま、舌を差し込み、チロチロと彼女の舌に絡めてみた。
すると、美栞は僕にしがみついてきて、身体をジタバタと動かし始めた。
「ミカン先輩、大丈夫ですか?」
美栞は、肩で息をしている。明らかに動揺してる様子が伺えた。
「大丈夫じゃありません。 これが普通なのですか?」
「な、なにか変でしたか?」
「いえ、刺激が強すぎて……、心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてます」
そう言うと、美栞は僕の手を取り、自分の大きな胸にあてた。温かい感触が手のひらに伝わり、僕はもう抑えが利かなくなる。
自分でも異常に興奮しているのが分かる。僕はやはりオッパイ星人なのだろうか?
「ミカン先輩、このまま始めます。痛かったりしたら、言ってください」
「わかりました。始めてください……」
美栞と約束の日、僕たちは鍋焼きうどんを食べていた。
夏真っ盛り、エアコンで部屋を冷やしているとはいえ、汗が滝のように流れる。
「どうですか? 森岡。 ワタシの手料理も捨てたものじゃないでしょう」
「は、はい、とても美味しいです」
「良かったです。 初めて料理を作りましたが、喜んでくれて嬉しいです」
「ミカン先輩って、やっぱり、うどんが好きなんですね」
「別に好きなわけではありません。ワタシが作れそうだから、うどんにしただけです」
なぜか美栞は自分がうどん好きだという事を否定する。
(素直じゃないな……)
「さて、夜も更けてきたことだし、そろそろ、ワタシの覚悟を受け取ってください」
やはり、本気で美栞は僕との関係を進めるみたいだ。
(どうしよう?)
美栞は平気なのだろうか? 彼女が僕の事を好きだとは思えないし、僕も、彼女のことは好きではあるが、恋してはいない。
男だから、ヤレと言われればできるし、陽菜みたいに子供じゃないから、何ら障害はないだろう。
でも……、
「あ、あの、ミカン先輩、本当に良いのですか? 僕が初めての相手で」
「森岡は、嫌なのですか? ワタシのオッパイを触りたいのでしょ?」
「そ……、それは、まあ……、そうですけど」
美栞の爆乳は、男なら放っておけないくらい、魅力的だ。しかし、綾乃との事を思い出すと、女性にとって処女喪失はかなりショッキングな出来事なはずだ。
「あの……、ミカン先輩は、僕との関係を『実験』だと言いました」
「はい、そうです。 森岡はモルモットです」
「でも、この先は、その……、するという事は、実験と呼ぶには、取り返しがつかない、というか」
僕は、何を言っているのだろう?
「要するに、森岡は、ワタシのことが『好きじゃない』と言いたいのですか?」
美栞は、僕の心を見透かしているようだった。僕の躊躇いの本質まで分かっているかのように。
「いえ、好きですけど、その、言いにくいのですが、恋してないというか……」
「じゃあ、お相子です。 ワタシも森岡に恋してません」
僕が何か言おうとするのを遮り、美栞は続ける。
「ワタシが経験したいから、ではダメですか?」
僕ももう、覚悟を決める。
「先ずは、『キス』というのを、してください」
美栞は『キスしてほしい』と言ったのだが、目を開けたまま、じっと僕を見つめている。
「ミカン先輩、では、いきますよ。目を閉じてください」
「目を閉じると、どうやっているのか見えません」
(う!? たしかに、キスをするとき、目を閉じなければいけないという決まりはない)
僕は仕方なく、そのまま美栞の顎に手を添えると、唇を近づけていく。美栞が微かに震えているのを感じる。
唇が触れると、美栞は「ぅんっ」と小さく吐息を漏らした。チラリと様子を伺うと、目を閉じている。
僕はそのまま、舌を差し込み、チロチロと彼女の舌に絡めてみた。
すると、美栞は僕にしがみついてきて、身体をジタバタと動かし始めた。
「ミカン先輩、大丈夫ですか?」
美栞は、肩で息をしている。明らかに動揺してる様子が伺えた。
「大丈夫じゃありません。 これが普通なのですか?」
「な、なにか変でしたか?」
「いえ、刺激が強すぎて……、心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてます」
そう言うと、美栞は僕の手を取り、自分の大きな胸にあてた。温かい感触が手のひらに伝わり、僕はもう抑えが利かなくなる。
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