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勇者とは
逮捕だー! ルサーク!
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マルクエンとラミッタは魔人と偽物勇者、そしておまけに一人の冒険者を連れて、待機させておいた馬車へと向かう。
「それじゃ、ちゃちゃっと用意しちゃおうかしら」
ラミッタはスープを作り始め、マルクエンは肉を焼いていた。
「あ、あの、俺達も何かしますか?」
手持ち無沙汰で気まずい中、ルサークは勇者たちに声を掛けてみる。
それに対し、鍋から視線を外さずに、ラミッタは答えた。
「あなた、まだ立場が分かっていない様ね? あなた達は罪人よ? おとなしくしていなさい」
ぐっと言葉に詰まるルサーク。マルクエンはラミッタの対応とは対照的に笑顔を向けて言う。
「まぁまぁ、皆さんは座って待っていて下さい」
辺りに良い匂いが立ち込め、ラミッタは立ち上がった。
「よし、完成! 食器は自分達のを使いなさい!」
スパチーは美味しそうな料理を目の前にして喜ぶ。
「やったー! ルサーク! デルタ! 飯だぞ!!!」
正直、食欲どころじゃないルサークは、そんな様子を見て呆れていた。
「お前なぁ……」
まさか、自分達が勇者の手料理を食べる日が来るとは夢にも思っていなかったルサークとデルタ。
それぞれ適当な場所に座ると、マルクエンが言う。
「それじゃ、イタダキマス! 皆さんもどうぞ」
遠慮しがちにレモーヌはスープに口を付ける。
「あ、美味しいです……」
ルサークとデルタも静かに食事を始めた。
昼食を終えて、レモーヌは勇者たちにおずおずと質問する。
「あ、あの、ごちそうさまでした。それで、私はどうなるんでしょうか……」
マルクエンは苦笑いしながらその質問に答えた。
「レモーヌさんには、この件が終わるまでの間、しばらく同行して頂きます」
不安そうにするレモーヌに、ラミッタが補足で話してやる。
「とりあえず、近くの冒険者ギルドから王都に連絡。そして指示を仰ぐわ」
「あっ、それだったら私、ちょうどその街を拠点にしているんで……」
「それじゃ、案内を頼もうかしら」
「は、はい!」
馬車は全員が乗るには窮屈なので、運転するマルクエン以外は全員で歩くことにしたが、少しするとスパチーがぐずり始めた。
「ルサーク!! 何か体が動かないぞ……」
はぁはぁと苦しそうにするスパチーを見てルサークは心配する。
「大丈夫か、スパチー」
ラミッタはそんな様子を見て片目を閉じる。
「能力の一部を封印しているから、その弊害ね。仕方ないから馬車に乗せてあげるわ」
馬車に乗ったスパチーは上機嫌だった。
「おぉ!! 楽しいぞ!!」
その能天気さが羨ましいと思うルサークとデルタ。
しばらく歩くと、ルサークが急にぽつりと言葉をこぼした。
「レモーヌ。こんな事に巻き込んですまなかった」
「あっ、いえ、まぁビックリしたっすけど、勇者様と一緒に居るなんて、なかなかできない体験なので……」
「それじゃ、ちゃちゃっと用意しちゃおうかしら」
ラミッタはスープを作り始め、マルクエンは肉を焼いていた。
「あ、あの、俺達も何かしますか?」
手持ち無沙汰で気まずい中、ルサークは勇者たちに声を掛けてみる。
それに対し、鍋から視線を外さずに、ラミッタは答えた。
「あなた、まだ立場が分かっていない様ね? あなた達は罪人よ? おとなしくしていなさい」
ぐっと言葉に詰まるルサーク。マルクエンはラミッタの対応とは対照的に笑顔を向けて言う。
「まぁまぁ、皆さんは座って待っていて下さい」
辺りに良い匂いが立ち込め、ラミッタは立ち上がった。
「よし、完成! 食器は自分達のを使いなさい!」
スパチーは美味しそうな料理を目の前にして喜ぶ。
「やったー! ルサーク! デルタ! 飯だぞ!!!」
正直、食欲どころじゃないルサークは、そんな様子を見て呆れていた。
「お前なぁ……」
まさか、自分達が勇者の手料理を食べる日が来るとは夢にも思っていなかったルサークとデルタ。
それぞれ適当な場所に座ると、マルクエンが言う。
「それじゃ、イタダキマス! 皆さんもどうぞ」
遠慮しがちにレモーヌはスープに口を付ける。
「あ、美味しいです……」
ルサークとデルタも静かに食事を始めた。
昼食を終えて、レモーヌは勇者たちにおずおずと質問する。
「あ、あの、ごちそうさまでした。それで、私はどうなるんでしょうか……」
マルクエンは苦笑いしながらその質問に答えた。
「レモーヌさんには、この件が終わるまでの間、しばらく同行して頂きます」
不安そうにするレモーヌに、ラミッタが補足で話してやる。
「とりあえず、近くの冒険者ギルドから王都に連絡。そして指示を仰ぐわ」
「あっ、それだったら私、ちょうどその街を拠点にしているんで……」
「それじゃ、案内を頼もうかしら」
「は、はい!」
馬車は全員が乗るには窮屈なので、運転するマルクエン以外は全員で歩くことにしたが、少しするとスパチーがぐずり始めた。
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「大丈夫か、スパチー」
ラミッタはそんな様子を見て片目を閉じる。
「能力の一部を封印しているから、その弊害ね。仕方ないから馬車に乗せてあげるわ」
馬車に乗ったスパチーは上機嫌だった。
「おぉ!! 楽しいぞ!!」
その能天気さが羨ましいと思うルサークとデルタ。
しばらく歩くと、ルサークが急にぽつりと言葉をこぼした。
「レモーヌ。こんな事に巻き込んですまなかった」
「あっ、いえ、まぁビックリしたっすけど、勇者様と一緒に居るなんて、なかなかできない体験なので……」
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