裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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「サズァン様どういう事ですか!?」

 ムツヤは胸をドキドキさせながらサズァンに尋ねる。

「ムツヤ、こんな形の壺を持ってるでしょう?」

 そう言ってサズァンが手に持った壺にムツヤは心当たりがあった。

「はい、確か1個しか無かったような……」

「これはね、災厄の壺って言って、種族の一部、髪の毛や体毛でも良いわ。とにかく一部だけでいいの、それを入れて発動させると……」

 全員がサズァンの次の言葉を待つ。

「その種族を殺す毒を撒き散らし続けるのよ。世界中に行き渡るまで」

「そんな……」

 ムツヤは愕然とした。モモも同じ様に衝撃を受けていた。

「災厄の壺はおとぎ話とか、都市伝説とか、そういった類の物だと思っていましたが……」

「残念ながら実在するわ、そして使い方もキエーウは解読してしまったみたい」

「サズァン様、災厄の壺を止める方法を教えて下さいませんか?」

 ルーが聞くと暗い顔をしたままサズァンは答える。

「方法は簡単なの、物理的に壺を叩き壊してしまえばいいわ」

「簡単つっても、場所はキエーウがワラワラと集まってるわけだろ?」

「えぇ……」

 サズァンは、いつもの掴みどころのない感じが消え、本当にただ困っている1人の女性といった感じだ。

「ごめんなさい、あなた達に任せるしか無いの。私が出来るのはここまで。魔力も、もう切れてしまうわ」

「サズァン様、俺が絶対に災厄の壺を壊してみせます!!!」

 ムツヤが言うとサズァンは優しく微笑んで「よろしくね」とだけ言って消えていった。

 エルフの村へ戻ると、各地から押し寄せた治安維持部隊が待っていた。

 50名にもなるその数はキエーウの支部に残る隊員を拘束し、捜査するには充分な数だろう。

「私からうまい事言っておく、お前たちはリースを頼む」

 アシノはそう言い残して治安維持部隊の隊長の元へと向かった。残されたムツヤ達はリースの眠る馬車を引いてどうしたものかと考えていた。

「あ、あの、勇者様達ですよね?」

 声を掛けてきたのはエルフの宿屋の娘『カノイ』だ。

 とりあえず、モモは事情を説明することにした。

「カノイ、だったな。急な話で申し訳ないのだが、私達の仲間が…… 命を落とした」

 それを聞いてカノイは思わず両手を口に手を当て「何てこと……」と言う。

「遺体の損傷も激しく、出身地もわからないんだ。出来たらこの村の墓地に埋葬してほしいのだが」

「お仲間ですのに、ご出身地を…… 存じ上げないのですか?」

 カノイが不思議そうに聞くとモモは余計なことを言ったと思ってしまった。やり取りを聞いていたルーも何か言おうとしたが、モモの方が先だった。

「すまない、全て正直に話そう」

「それでしたら村長も一緒のほうが良いと思います。皆様にお礼が言いたいとも言っていたので」

「わかった、行こう」

 カノイに案内され皆は村長の元へやってきた。

「勇者様方、この度は私達の愚行をお許し下さった上に村をお救い下さり、まこと、なんと感謝をすればいいものやら」

 人間の見た目で言えば白髪の初老といった感じの村長がムツヤ達を出迎える。

「頭を上げて下さい村長様、私はルーと申します。勇者アシノは治安維持部隊と話をしています」

 ルーが丁寧に挨拶をするとモモに目配せをした。後は自分の言葉で伝えようと心に決めた。
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