324 / 574
40日間
40日間 2
しおりを挟む
「サズァン様どういう事ですか!?」
ムツヤは胸をドキドキさせながらサズァンに尋ねる。
「ムツヤ、こんな形の壺を持ってるでしょう?」
そう言ってサズァンが手に持った壺にムツヤは心当たりがあった。
「はい、確か1個しか無かったような……」
「これはね、災厄の壺って言って、種族の一部、髪の毛や体毛でも良いわ。とにかく一部だけでいいの、それを入れて発動させると……」
全員がサズァンの次の言葉を待つ。
「その種族を殺す毒を撒き散らし続けるのよ。世界中に行き渡るまで」
「そんな……」
ムツヤは愕然とした。モモも同じ様に衝撃を受けていた。
「災厄の壺はおとぎ話とか、都市伝説とか、そういった類の物だと思っていましたが……」
「残念ながら実在するわ、そして使い方もキエーウは解読してしまったみたい」
「サズァン様、災厄の壺を止める方法を教えて下さいませんか?」
ルーが聞くと暗い顔をしたままサズァンは答える。
「方法は簡単なの、物理的に壺を叩き壊してしまえばいいわ」
「簡単つっても、場所はキエーウがワラワラと集まってるわけだろ?」
「えぇ……」
サズァンは、いつもの掴みどころのない感じが消え、本当にただ困っている1人の女性といった感じだ。
「ごめんなさい、あなた達に任せるしか無いの。私が出来るのはここまで。魔力も、もう切れてしまうわ」
「サズァン様、俺が絶対に災厄の壺を壊してみせます!!!」
ムツヤが言うとサズァンは優しく微笑んで「よろしくね」とだけ言って消えていった。
エルフの村へ戻ると、各地から押し寄せた治安維持部隊が待っていた。
50名にもなるその数はキエーウの支部に残る隊員を拘束し、捜査するには充分な数だろう。
「私からうまい事言っておく、お前たちはリースを頼む」
アシノはそう言い残して治安維持部隊の隊長の元へと向かった。残されたムツヤ達はリースの眠る馬車を引いてどうしたものかと考えていた。
「あ、あの、勇者様達ですよね?」
声を掛けてきたのはエルフの宿屋の娘『カノイ』だ。
とりあえず、モモは事情を説明することにした。
「カノイ、だったな。急な話で申し訳ないのだが、私達の仲間が…… 命を落とした」
それを聞いてカノイは思わず両手を口に手を当て「何てこと……」と言う。
「遺体の損傷も激しく、出身地もわからないんだ。出来たらこの村の墓地に埋葬してほしいのだが」
「お仲間ですのに、ご出身地を…… 存じ上げないのですか?」
カノイが不思議そうに聞くとモモは余計なことを言ったと思ってしまった。やり取りを聞いていたルーも何か言おうとしたが、モモの方が先だった。
「すまない、全て正直に話そう」
「それでしたら村長も一緒のほうが良いと思います。皆様にお礼が言いたいとも言っていたので」
「わかった、行こう」
カノイに案内され皆は村長の元へやってきた。
「勇者様方、この度は私達の愚行をお許し下さった上に村をお救い下さり、まこと、なんと感謝をすればいいものやら」
人間の見た目で言えば白髪の初老といった感じの村長がムツヤ達を出迎える。
「頭を上げて下さい村長様、私はルーと申します。勇者アシノは治安維持部隊と話をしています」
ルーが丁寧に挨拶をするとモモに目配せをした。後は自分の言葉で伝えようと心に決めた。
ムツヤは胸をドキドキさせながらサズァンに尋ねる。
「ムツヤ、こんな形の壺を持ってるでしょう?」
そう言ってサズァンが手に持った壺にムツヤは心当たりがあった。
「はい、確か1個しか無かったような……」
「これはね、災厄の壺って言って、種族の一部、髪の毛や体毛でも良いわ。とにかく一部だけでいいの、それを入れて発動させると……」
全員がサズァンの次の言葉を待つ。
「その種族を殺す毒を撒き散らし続けるのよ。世界中に行き渡るまで」
「そんな……」
ムツヤは愕然とした。モモも同じ様に衝撃を受けていた。
「災厄の壺はおとぎ話とか、都市伝説とか、そういった類の物だと思っていましたが……」
「残念ながら実在するわ、そして使い方もキエーウは解読してしまったみたい」
「サズァン様、災厄の壺を止める方法を教えて下さいませんか?」
ルーが聞くと暗い顔をしたままサズァンは答える。
「方法は簡単なの、物理的に壺を叩き壊してしまえばいいわ」
「簡単つっても、場所はキエーウがワラワラと集まってるわけだろ?」
「えぇ……」
サズァンは、いつもの掴みどころのない感じが消え、本当にただ困っている1人の女性といった感じだ。
「ごめんなさい、あなた達に任せるしか無いの。私が出来るのはここまで。魔力も、もう切れてしまうわ」
「サズァン様、俺が絶対に災厄の壺を壊してみせます!!!」
ムツヤが言うとサズァンは優しく微笑んで「よろしくね」とだけ言って消えていった。
エルフの村へ戻ると、各地から押し寄せた治安維持部隊が待っていた。
50名にもなるその数はキエーウの支部に残る隊員を拘束し、捜査するには充分な数だろう。
「私からうまい事言っておく、お前たちはリースを頼む」
アシノはそう言い残して治安維持部隊の隊長の元へと向かった。残されたムツヤ達はリースの眠る馬車を引いてどうしたものかと考えていた。
「あ、あの、勇者様達ですよね?」
声を掛けてきたのはエルフの宿屋の娘『カノイ』だ。
とりあえず、モモは事情を説明することにした。
「カノイ、だったな。急な話で申し訳ないのだが、私達の仲間が…… 命を落とした」
それを聞いてカノイは思わず両手を口に手を当て「何てこと……」と言う。
「遺体の損傷も激しく、出身地もわからないんだ。出来たらこの村の墓地に埋葬してほしいのだが」
「お仲間ですのに、ご出身地を…… 存じ上げないのですか?」
カノイが不思議そうに聞くとモモは余計なことを言ったと思ってしまった。やり取りを聞いていたルーも何か言おうとしたが、モモの方が先だった。
「すまない、全て正直に話そう」
「それでしたら村長も一緒のほうが良いと思います。皆様にお礼が言いたいとも言っていたので」
「わかった、行こう」
カノイに案内され皆は村長の元へやってきた。
「勇者様方、この度は私達の愚行をお許し下さった上に村をお救い下さり、まこと、なんと感謝をすればいいものやら」
人間の見た目で言えば白髪の初老といった感じの村長がムツヤ達を出迎える。
「頭を上げて下さい村長様、私はルーと申します。勇者アシノは治安維持部隊と話をしています」
ルーが丁寧に挨拶をするとモモに目配せをした。後は自分の言葉で伝えようと心に決めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる 「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?
あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】
世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。
「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。
・神話級ドラゴン
⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺)
・深淵の邪神
⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決)
・次元の裂け目
⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い)
「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」
本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……?
「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー!
【免責事項】
この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
※こちらの作品は、カクヨムと小説家になろうでも公開しています。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる