裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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修行生活

修行生活 1

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 エルフの村へしばらく滞在させてもらうことを村長と宿屋の主に報告すると、快く受け入れてくれた。

 早速アシノとルーの指導の元で特訓が始まる。

「まずは自分自身が強くなることが第一だ。その後に仲間同士での連携を取る練習をする」

「はい!」

「基礎体力づくりと言ったら相場は決まっている」

 皆は動きやすい格好に着替えて村外れに集合していた。

「走るぞ!」

「ちょ、ちょーっと待ったアシノ! なんで私まで走るの!?」

 ルーはここまで着いてきて待ったをかける。

「ルー、お前も研究だーって言って運動不足だろう?」

「いや、確かにそうかもしれないけど!」

「研究はギルスに任せておけ、苦楽は共にしよう。私達、仲間だろう?」

 アシノが笑顔で言うとルーはガタガタと震えていた。

 走り込みをすると、案の定最初に音を上げたのはルーだ。

「もうらめぇ…… 死んじゃう……」

「お前なぁ……、最近まで寝たきりだったユモトでさえまだ頑張ってるんだぞ!」

 ユモトも苦しかったがハァハァ言いながら走っている。ルーは逃げ出した。

「ずびまぜんでじだ!!」

 泣きながらルーはアシノに謝っていた。その間も皆は走り続ける。

 ムツヤは汗の1つも流さずに先頭を走り、次にヨーリィも表情1つ変えずに走っていた。

 この2人は走り込みをする意味があるのかと疑問に思うモモとユモトだったが、それぞれ精一杯ムツヤに着いて行く。

 モモは体力があるので余裕があったが、ユモトは遅れ気味だった。その後を涙と鼻水を垂らしながらルーが走っている。

「よーし、走り込みはここまで」

 そろそろ良いだろうという頃合いでアシノが号令をかける。

 助かったーとルーは倒れ込んでハァハァ言っていた。

「次は武器の素振りだ」

 それを聞いてまた絶望した表情になるルー。プルプル震える足で逃げようとするがアシノに襟首を掴まれてしまう。

「私は召喚術師だから!! 素振りとか無いから!!」

「敵が接近してきたとっさの時に必要だろう? 師匠から習わなかったのか?」

 アシノの笑顔にひいぃと悲鳴を上げる。

 魔術師や召喚術師は敵に接近された場合、杖か短剣を取り出して、牽制をし距離を取るのが相場だ。

 それぞれ剣や短剣、杖を持って素振りをする。ムツヤはニッコニコの笑顔でルーは死にそうな顔で。

「なーんでムツヤっちそんな楽しそうなのよー」

 息を上げながらルーはムツヤに尋ねてみる。

「何か仲間と一緒に修行って嬉しくて!」

「えぇー……」

 モモは真剣に素振りをしていた。もっと強くならねばとブンブン剣を振っている。

「モモ、一生懸命なのは良いが、型がズレている。まずは型通りに出来るようになることを目標にするんだ」

「申し訳ないアシノ殿」

 本来ならば杖の格闘をルーがユモトに教えるべきなのだろうが、肝心のルーはひぃひぃ言っている。
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