裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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修行生活

修行生活 2

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「よし、ひとまずここまでだ」

 ムツヤとヨーリィ以外は緊張の糸が切れたのか座り込んでしまう。

「はぁはぁ、腕が重いです」

「私もだ……」

 ユモトとモモは腕も手の皮にも痛みを感じ、自分の未熟さをひしひしと感じさせられた。

「もう限界、ムツヤっち、元気になる薬出して」

 カバンから怪しい薬を取り出すムツヤと受け取るルー、飲み干すと体の奥底から元気が溢れてくる。

「ルーちゃん華麗にふっかーつ!!!」

 それを見てアシノは名案を思いついた。

「なるほど、ムツヤの薬を使えば短期間で効率よく特訓が出来るな。ルーが飲んだ所大丈夫そうだし」

 言われて固まるルー、次の瞬間猛ダッシュをして逃走し、アシノに追いかけられていた。パァンパァンとワインコルクの弾ける音もする。

――

――――

――――――――

「逃げ出してずびばぜんでじだ!!」

「わかれば良いんだ」

 とっ捕まったルーはまた涙目になっていた。

 薬のおかげで疲労回復させたモモとユモトだったが、自分達もまた薬のせいで苦労するんだろうなと覚悟を決める。

「午前中はここまでだ、飯を食ったら午後の訓練に移る」

「チョット待って、午前中はって? 午後って? もう訓練したんだからいいでしょ? 言ってることわかんないから、ことばわかんない」

 現実から逃れようと幼児退行を初めていたルーをアシノは引っ張って宿屋へと戻った。

 宿屋の主人特製のエルフ料理を堪能し、少し休むと午後の訓練に入った。

「それじゃあ、モモは私とムツヤと、ユモトはルー、ヨーリィと組んで実技の特訓に入る」

「やっと教える側に立てたわ……」

 魂が抜けかけのルーが言う。

 まずはモモの特訓から見てみることにする。剣と盾を構えて刃の付いていない訓練用の剣を持つムツヤと対峙していた。

「本気でムツヤを殺すつもりでやってみろ、大丈夫だ、コイツは殺そうと思っても殺せる相手じゃない」

 真剣を持っていたが、確かにアシノ殿の言う通りだと、遠慮なくムツヤに斬りかかろうとする。

「行きますよ、ムツヤ殿!!」

 頭身を低くしてモモは走り、横薙ぎに剣を振る。ムツヤはそれを片手持ちの剣で楽々と防いでいた。

「連続して斬りかかれ!! 反撃のスキを与えるな!!」

 アシノに言われモモは縦に横に斜めに剣を振り続けるが、ムツヤは受け止め、躱し、飛び退いて、1撃も当たらない。

 そこにアシノのワインコルクが飛んできて顔にポコンと命中する。

「常に他の敵に、他の攻撃にも油断をするな!!」

「はい!!」

 数分しか経っていないのに息が上がってきた。戦いとはそれだけ体力を消耗する行為なのだ。

「いったん離れて休憩だ、その間、自分に足らないものをよく考えるんだ」

 モモの動きが鈍ってきたのを見てアシノは言った。短期間で強くなるためにはがむしゃらにやる事ではなく、ちゃんと考えて戦うことが大事なのだ。
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