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VSラメル
VSラメル 2
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ムツヤ達は馬車を全速力で走らせて逃げた。ムツヤが探知魔法を使っているが、追手の気配は無い。
「追って……、来ないな……」
アシノが呟くと全員ふぅっと一息ついた。
「逃げ切ったって事ですか?」
ユモトが質問するとアシノは首を横に振る。
「いや、少しでも追ってこられた方がまだマシだったかもな。追わないって事はヤツにも何か作があるんだろう」
「そうよねー」
アシノとルーの会話を聞いてユモトは不安になった。
「その、これからどうするんですか?」
「カバンが開くまで逃げ続ける。おそらく邪神サズァンは、カバンの奪還にもっと時間がかかる物だと思って鍵とやらを掛けたんだろうが、裏目に出たな」
「サズァン様……」
ムツヤが小さく言葉を口にした。まだ日は高く、辺りは明るいのに暗い気分が皆を支配する。
城が遠く、小さく見える程の距離まで来ると、一行は馬車を止めて馬を休ませた。
「アシノさん、追手は大丈夫なんですか?」
アシノ達と別の馬車に乗っていたイタヤが尋ねる。
「えぇ、今のところは」
「そうか……」
イタヤは遠くの城を眺める。あそこに魔人が居るというのに、もどかしい気持ちだ。
「私達は、カバンが開くまで、どう戦うか考えねばなりません」
「それに、3日あれば……、勇者サツキ達に応援を要請できるかもしれません」
「なるほど! サツキさん達か!」
サツキはアシノに対する思いが強いが、れっきとした魔人を倒したことのある勇者だ。
「では早速」
超遠距離用の裏の道具である連絡石を叩いてアシノはサツキに連絡を送った。
すると、秒で返事が返ってきた。どうやら赤い玉を使って会話が可能らしい。
近くの木に赤い玉を叩きつけると、そこには勇者サツキが見えた。
「アシノ先輩!! 連絡は毎晩って言ったじゃないですか!!」
「するわけねぇだろ!! そんな事より魔人と戦いになった」
「ルマで魔人と戦闘になった事は聞いています。ですがそれは勝利で終わったのでは? ……もしかして、ルマの戦いで現れた空を飛びさった何者かですか?」
「そうだ」
サツキもどうやら青い鎧の冒険者が連れ去られた事は聞いていたらしい。
「それで、アシノ先輩は無事だったのですか?」
「なんとか、今のところはな」
アシノはかいつまんでサツキに今の状況を説明した。
「なるほど……。それ程までに強い魔人ですか……」
「ムツヤのカバンが開くまで、私達は逃げ続ける」
「承知しました。私も王に魔人を負う許可を貰ってきます!」
サツキが胸を張って言うが、アシノは浮かない顔をしていた。
「そこだよ、魔人のことを知ったのは私の能力ってことにすれば良いが、あの王がこの状況で王都から勇者を派遣させるかね」
「何としても説得してみます!!」
「そうか、頼んだぞ」
そう言ってアシノは赤い玉の破片を外して話を終える。
「後はサツキに任せて、私達は待機だ」
勇者サツキパーティは王の間に居た。
「して、サツキよ。報告とは何だ?」
サツキは片膝を付いて、頭を下げたまま言う。
「はっ、勇者アシノの能力で私の元へ情報が届きました。先程、魔人と戦いになったと」
「ルマで現れたという空を飛ぶ者か?」
「はっ、そのようでございます」
王はサツキを見据えて言う。
「詳しく話せ」
貴族の城が占領され、魔人が居ること。アシノづてに聞いた事を、裏の道具に関わること以外、サツキは全て話した。
「アシノとイタヤが苦戦するとはな。勇者として情けない」
ふんっと王が言って、サツキはイラついたが、態度には出さない。
「そなたは魔人を倒した実績がある。だが……」
王は渋い顔をして言った。
「そなたは王都を守れ」
「しかし、王!! ここで攻め込んで魔人を倒さねば王都も危険に晒されます」
「それは魔人が王都に攻め込んできた時に戦えばよかろう。王都は魔人の驚異と裏切り者のトチノハの件もある。王都を出ることは認めぬ。下がれサツキ」
サツキは更に反論をしたかったが、横に居たクサギに目で制されて、王の間を後にした。
城の一室でサツキは悔しそうに机を叩いた。
「クソッ!! あの王めっ!! 王都さえ良ければ、自分さえ助かれば他の街はどうでも良いのか!?」
「サツキ……」
クサギは心配そうにサツキを見つめた。カミクガも珍しく笑っていない。
そんなサツキの前に窓が開いたかのように景色が映し出された。
あの例の赤い玉を使った時の現象だ。アシノ先輩になんて言おうかと考えていたが。
「こんにちは、勇者サツキ」
そこに映し出されたのは、元勇者のトチノハだった。
「なっ、勇者トチノハ!?」
「元、だけどね」
「何故あなたがその赤い玉を持っているのですか!?」
「まぁ、ちょっとね」
「使うタイミングも良すぎるし、城のどこかに内通者でもいるって感じ? ストーカーとかヘンタイじゃん」
クサギは軽口を言っていたが、目は笑っていなかった。
「そんなところだね。ところで勇者サツキ、僕と取り引きをしないか?」
「どういう事ですか?」
サツキは一応話を聞いてみることにした。何かトチノハの情報を引き出せるかもしれない。
「我々の狙いは愚かなる王の首だ。首がなければ、勝手に魔人を倒しに出た勇者サツキを咎める言葉も話せないだろ?」
「大体わかりました。私達は魔人と戦い、その間にアナタは王の暗殺をすると」
「ご明察。お互いにメリットがあるだろう?」
にっこりと微笑むトチノハにサツキは言葉を投げつける。
「断ります。バカバカしい」
「どうしてだ? あの王の愚かさ、身勝手さは分かっているだろう?」
「アナタがしようとしている事は、魔人のそれと変わりません」
そう言われてトチノハは笑う。
「確かに、だが俺はこの国を変えるためだったら魔人にでも何でもなってやるよ」
「話にならない」
「これ以上は無駄かな、まぁ、いずれ分かるさ」
トチノハの顔が薄く消えていく。クソッとまたテーブルを叩くサツキをクサギとカミクガの2人は見つめる事しか出来なかった。
「追って……、来ないな……」
アシノが呟くと全員ふぅっと一息ついた。
「逃げ切ったって事ですか?」
ユモトが質問するとアシノは首を横に振る。
「いや、少しでも追ってこられた方がまだマシだったかもな。追わないって事はヤツにも何か作があるんだろう」
「そうよねー」
アシノとルーの会話を聞いてユモトは不安になった。
「その、これからどうするんですか?」
「カバンが開くまで逃げ続ける。おそらく邪神サズァンは、カバンの奪還にもっと時間がかかる物だと思って鍵とやらを掛けたんだろうが、裏目に出たな」
「サズァン様……」
ムツヤが小さく言葉を口にした。まだ日は高く、辺りは明るいのに暗い気分が皆を支配する。
城が遠く、小さく見える程の距離まで来ると、一行は馬車を止めて馬を休ませた。
「アシノさん、追手は大丈夫なんですか?」
アシノ達と別の馬車に乗っていたイタヤが尋ねる。
「えぇ、今のところは」
「そうか……」
イタヤは遠くの城を眺める。あそこに魔人が居るというのに、もどかしい気持ちだ。
「私達は、カバンが開くまで、どう戦うか考えねばなりません」
「それに、3日あれば……、勇者サツキ達に応援を要請できるかもしれません」
「なるほど! サツキさん達か!」
サツキはアシノに対する思いが強いが、れっきとした魔人を倒したことのある勇者だ。
「では早速」
超遠距離用の裏の道具である連絡石を叩いてアシノはサツキに連絡を送った。
すると、秒で返事が返ってきた。どうやら赤い玉を使って会話が可能らしい。
近くの木に赤い玉を叩きつけると、そこには勇者サツキが見えた。
「アシノ先輩!! 連絡は毎晩って言ったじゃないですか!!」
「するわけねぇだろ!! そんな事より魔人と戦いになった」
「ルマで魔人と戦闘になった事は聞いています。ですがそれは勝利で終わったのでは? ……もしかして、ルマの戦いで現れた空を飛びさった何者かですか?」
「そうだ」
サツキもどうやら青い鎧の冒険者が連れ去られた事は聞いていたらしい。
「それで、アシノ先輩は無事だったのですか?」
「なんとか、今のところはな」
アシノはかいつまんでサツキに今の状況を説明した。
「なるほど……。それ程までに強い魔人ですか……」
「ムツヤのカバンが開くまで、私達は逃げ続ける」
「承知しました。私も王に魔人を負う許可を貰ってきます!」
サツキが胸を張って言うが、アシノは浮かない顔をしていた。
「そこだよ、魔人のことを知ったのは私の能力ってことにすれば良いが、あの王がこの状況で王都から勇者を派遣させるかね」
「何としても説得してみます!!」
「そうか、頼んだぞ」
そう言ってアシノは赤い玉の破片を外して話を終える。
「後はサツキに任せて、私達は待機だ」
勇者サツキパーティは王の間に居た。
「して、サツキよ。報告とは何だ?」
サツキは片膝を付いて、頭を下げたまま言う。
「はっ、勇者アシノの能力で私の元へ情報が届きました。先程、魔人と戦いになったと」
「ルマで現れたという空を飛ぶ者か?」
「はっ、そのようでございます」
王はサツキを見据えて言う。
「詳しく話せ」
貴族の城が占領され、魔人が居ること。アシノづてに聞いた事を、裏の道具に関わること以外、サツキは全て話した。
「アシノとイタヤが苦戦するとはな。勇者として情けない」
ふんっと王が言って、サツキはイラついたが、態度には出さない。
「そなたは魔人を倒した実績がある。だが……」
王は渋い顔をして言った。
「そなたは王都を守れ」
「しかし、王!! ここで攻め込んで魔人を倒さねば王都も危険に晒されます」
「それは魔人が王都に攻め込んできた時に戦えばよかろう。王都は魔人の驚異と裏切り者のトチノハの件もある。王都を出ることは認めぬ。下がれサツキ」
サツキは更に反論をしたかったが、横に居たクサギに目で制されて、王の間を後にした。
城の一室でサツキは悔しそうに机を叩いた。
「クソッ!! あの王めっ!! 王都さえ良ければ、自分さえ助かれば他の街はどうでも良いのか!?」
「サツキ……」
クサギは心配そうにサツキを見つめた。カミクガも珍しく笑っていない。
そんなサツキの前に窓が開いたかのように景色が映し出された。
あの例の赤い玉を使った時の現象だ。アシノ先輩になんて言おうかと考えていたが。
「こんにちは、勇者サツキ」
そこに映し出されたのは、元勇者のトチノハだった。
「なっ、勇者トチノハ!?」
「元、だけどね」
「何故あなたがその赤い玉を持っているのですか!?」
「まぁ、ちょっとね」
「使うタイミングも良すぎるし、城のどこかに内通者でもいるって感じ? ストーカーとかヘンタイじゃん」
クサギは軽口を言っていたが、目は笑っていなかった。
「そんなところだね。ところで勇者サツキ、僕と取り引きをしないか?」
「どういう事ですか?」
サツキは一応話を聞いてみることにした。何かトチノハの情報を引き出せるかもしれない。
「我々の狙いは愚かなる王の首だ。首がなければ、勝手に魔人を倒しに出た勇者サツキを咎める言葉も話せないだろ?」
「大体わかりました。私達は魔人と戦い、その間にアナタは王の暗殺をすると」
「ご明察。お互いにメリットがあるだろう?」
にっこりと微笑むトチノハにサツキは言葉を投げつける。
「断ります。バカバカしい」
「どうしてだ? あの王の愚かさ、身勝手さは分かっているだろう?」
「アナタがしようとしている事は、魔人のそれと変わりません」
そう言われてトチノハは笑う。
「確かに、だが俺はこの国を変えるためだったら魔人にでも何でもなってやるよ」
「話にならない」
「これ以上は無駄かな、まぁ、いずれ分かるさ」
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