裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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飲みに行こう(大人のお店)

飲みに行こう(大人のお店)2

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「え、俺ですか?」

「そう、お兄さん。ってもしかしてデート中?」

 隣のユモトを見て残念そうに客引きは言った。

「で、デートって!! 僕は男です!!」

「えぇっ!? 失礼しました!!」

 客引きはそう謝ると、笑顔を作って話を始める。

「ねぇ、お兄さんたち。女の子と飲めるお店どうですか?」

「女の子と飲める?」

 ムツヤが聞き返すと「そうです」と言ってごますりをした。すると、店から女が二人やって来る。

「お兄さん達飲んでってよー!!」

 そんな時に、見知らぬエルフの男がやって来てムツヤ達に声を掛けた。

「おー、お待たせ2人ともー。悪いね、この2人俺のツレでもう店決まってんだ、後で来るから」

 そして、ユモトの腕を引っ張って連れて行く。

「え、ちょっ!!」

「ちょ、ちょっと待って下さい!!」

 ムツヤは連れられていくユモトを追いかける。後ろでは女達が舌打ちしていた。

 先ほどの客引きと女達から見えない場所まで来てエルフの男はユモトの手を離した。

「いやー、危なかったねー」

 男はヘラヘラ笑いながらムツヤ達に言う。

「あ、あなたは何なんですか!? それに危なかったって……」

「君たち、こういう場所初めてだろ? あぁいう女が客引きしてたり、店から出てくる店は、ほぼ100%ボッタクリの店だと思って良い」

「そうなんでずか!?」

 ムツヤは驚いて言う。すると男はウンウンと頷いた。

「いや、酔っぱらいが連れられていくのならまだしも、君達みたいな若人が騙されるのは見てられなくてねー」

「そうなんですか、ありがとうございました」

 ユモトは頭を下げて礼を言った。

「もし良かったら。奢りはしないが、俺のオススメの店を紹介してあげようか? 可愛い子いっぱいいるよ!!」

「か、可愛い子ですか。僕そういうお店はちょっと……」

「まーまー、こうして出会ったのも何かの縁!! 社会勉強だと思って」

 こうして男に言われるがまま2人は付いて行ってしまった。その先にあったのは先ほどの店よりは少し落ち着いた感じのする店だ。

 こうして男に言われるがまま二人は付いて行ってしまった。その先にあったのは先ほどの店よりは少し落ち着いた感じのする店だ。

「いらっしゃいませ。どうぞこちらへ」

 ボーイが二人を見て頭を下げる。案内したエルフの男はいつの間にか居なくなっていた。

「あ、あの、やっぱり辞めましょうムツヤさん!!」

 小声でユモトは言うが、店に入ってしまったので、仕方なくボーイの後を付いていく。

「お客様ご案内でーす!!」

「いらっしゃいませー!!」

 ムツヤとユモトはキョロキョロ辺りを見回した。どの席でも男と美女が酒を飲んでいた。

「こちらのお席にどうぞ」

 心臓をどくどくとさせながら、座って待っていると、ボーイが美女を二人連れてきた。

「こんばんはー、サクラでーす」

「カオリでーす」

 挨拶をするなり美女二人はムツヤとユモトの隣に座る。

「あ、俺、わたじはムツヤ・バックカントリーです!!」

「え、あ、ユモト・サンドパイルです!!」

 顔を赤くしながらムツヤ達は自己紹介をする。

「ムツヤさんとユモトさんですねー、もしかしてこういうお店初めてですかー?」

「え、あ、はい!!」

 ユモトが返事をするとクスクスと美女たちは笑う。

「えー、かわいいー!!」

 そう言ってユモトの隣に座るサクラは距離を詰めた。ユモトは思わず顔が赤くなる。

「っていうかユモトさん? だよね、ほんと可愛い顔してるー!!」

「か、可愛くなんて…… ないです……」

「ムツヤさん筋肉すごーい、冒険者?」

 カオリという女性はムツヤの腕を触って言う。思わずムツヤも照れていた。

「え、えっと、冒険者でず!!」

「すごーい!! そうだ、お酒は何飲みます?」

「え、えーっと、甘いやつで」

「お酒は甘いのが好きなんですねー」

「は、はい」

 2人はガチガチに緊張していた。それを知ってか知らずかキャストの女性のボディタッチは多めだ。

「私達もお酒飲んでいいですかー?」

「え、あ、も、もちろんです!!」

「ありがとうございまーす。それじゃ乾杯ですね!」

 ムツヤとユモトは目の前に出されたピンク色の酒を手に持って掲げる。

「かんぱーい!」

「か、かんぱい!!」

 焦りをごまかすように酒を飲んだ、甘いフルーティな酒で、飲みやすかった。

「ムツヤさん強そー、いつか勇者になって世界を救っちゃったりしそう!!」

「そんな世界を救うなんてできないでずよ」

 冗談にムツヤは笑ってしまう。相手は会話のプロであり、緊張も少し溶けてきていた。
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