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第十一章
美しく完璧な執事は、溺愛する恋人をデートに誘う
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「え?」
陽太は差し出された箱に目を丸くした。
「早く着替えろ」
智樹はいつもの燕尾服姿ではなく、ダークグレーのスーツに身を包んでいる。黒のインバネスコート(丈が長く、ケープがついたコート)を羽織った姿は、まるで異国の探偵のようだった。何がなんだかわからず箱を開けると、そこには焦げ茶色の着物と白い襟巻きが入っていた。
「俺の?」
「他に誰がいる?」
質問を質問で返されて、陽太は目を白黒させた。
「私とデートしないか?」
その言葉に、陽太はしばらく時が止まったような気がした。
「智樹に、デートに誘われました…」
智樹から贈られた着物は、陽太から見ても高級と分かる逸品だった。白い襟巻きも、肌触りからしておそらく絹。着替えを済ませた陽太は、聡真の部屋の前に座り込んでいた。
「デートって、恋人同士がするものなんですよね?」
以前に涼雅から聞いたことがある。恋人になりたい人や、恋人同士が互いの気持ちを深めるためにするものだと。
「ど、どうしたらいいんでしょう」
デートがどんなものかわからない陽太としては、不安で仕方ないのだ。と、便箋がスッと差し出される。
『そんなに緊張することはないよ。智樹に任せておきなさい。大体、お前達は恋人同士だろう?何をそんなに緊張することがあるんだい?さぁ、そろそろ行きなさい。智樹が待ってる』
陽太の戸惑いがよほど面白いのか、クスクスと笑い声まで聞こえてくる。陽太は恥ずかしさに頬を染めながら、智樹が待つ玄関へと急いだ。
外に出ると、冬の冷たい空気が頬を撫でる。既に智樹は馬車の横に立っていて、陽太が来るのを待っていた。
「さぁ」
馬車に乗ろうとしたら、智樹がスッと手を差し出す。いつもそうしているのだが、いつもと違う服装といつもと違うシチュエーションが陽太を緊張させた。
「あ、ありがとう」
本当なら車を使った方が早いのだろう。が、陽太は車があまり得意ではない。そのため、移動はほぼほぼ馬車なのだ。馬の足音を聴きながら、2人は窓の外に視線を向けた。
おしゃれをした男女が、照れ笑いを浮かべながら寄り添い歩いている。人目も憚らず抱擁している者もいた。
「…俺達があんなことしたら、きっと変に思われるよね」
陽太がポツリと呟く。男女だったなら、手を繋いで歩いても、抱き合っても誰も気にしないだろう。智樹と手を繋いで歩きたいなんて、陽太にとっては贅沢すぎる願いだった。
「停めてくれ」
智樹が馬車から降りると、周囲にいた女性達の視線が一斉に集まった。亜麻色のやや長めの前髪をかきあげ、長身でスレンダーな体型で颯爽と降り立った智樹は、まるでおとぎ話に出てくる王子様のようだった。
「掴まれ」
当たり前のように手を差しのべられ、陽太は慌てて首を左右に振った。
「い、いいよっ。一人で…」
こんな目立つ状況で目立つことはしたくない。というのが陽太の本音だ。が、いつもと違い距離を置こうとする陽太に智樹が僅かだが不機嫌になる。
「遠慮はするな」
やや強引に腕を掴まれて、陽太は智樹にエスコートされるように馬車を降りた。女性達の疑問に満ちた眼差しを直視できず、陽太は下を向いたまま智樹の後に続いた。
「ここでお茶をしよう」
智樹が案内してくれたのは、小さいがコジャレたカフェだった。智樹がウェイターになにやら囁くと、一番奥の席へと案内してくれた。
「好きな物を頼みなさい」
と言われ、陽太はナポリタンとプリンを注文した。智樹はハムサンドとミルクティー。2人は初めて恋人らしい時間を過ごした。
(な、なんか恥ずかしい)
いつも食事を摂る時には、横に並んで食べている。こうして向かい合って食べるなんて、初めてなのだ。
「どうした?口に合わなかったか?」
「そ、そんなことないよ。美味しい」
甘めの味付けのナポリタンも、やや硬めのプリンもとても美味しかった。でも…。
「智樹が作ってくれるナポリタンの方が美味しい」
智樹はいつも陽太が好きなマッシュルームを多めに入れてくれるのだ。さりげなく苦手なピーマンは少なくして…。
「そうか」
嬉しそうに微笑んだ智樹が、胸元のハンカチを取り出して陽太の口許についたケチャップを拭う。2人は他愛ないひとときを十分に満喫した。
「映画?本当?」
喫茶店を出た後、映画館へ向かうと聞いて陽太が瞳を輝かせる。実は映画を観るのが昔からの憧れだったのだ。
「うちは田舎だったから映画館なんてなかったし、あっても多分行けなかったから…」
陽太の実家は貧しくはなかったが、決して裕福とも言えなかった。映画を観たいなんてワガママは、言えなかった。西洋の駅をイメージして造られたという映画館は、休日ということもありかなりの人でごった返していた。チケット売場はかなりの列だ。智樹は柱時計の前で待つようにと言って、一人でチケット売場に向かう。
「ポップコーンも頼めば良かった」
映画といえばポップコーンだと、涼雅が自慢げに言っていたことを思い出す。もっとも、陽太はポップコーンがどんなものなのか食べたことはないのだが…。
「…いろんな人がいるんだな」
楽しげに語らい合うカップルや、微笑み合う老夫婦。落ち着きがない子供を怒る母親。妹を泣き止まそうとあやす幼い兄…。
(みんな、どうしているだろう)
不意に懐かしい光景が蘇る。
食卓を家族で囲んだ楽しい日々。
泥だらけになりながら、父親の仕事を手伝った。
疲れたと言う妹をおぶって歩いたあぜ道。
何気ない日々が、今はただただ懐かしかった。
(もう、戻れない…)
陽太の胸に寂しさが込み上げた時、不意に人影が見えた。
「お帰り。智…」
顔を上げた陽太は、笑顔のまま硬直した。そこには、恰幅のいい中年男がニヤニヤしながら立っていたのだ。一瞬にしてある人物の姿が蘇る。
(黒川…芳太郎…)
大金をはたいて陽太を買った男を思い出し、陽太は身体を震わせた。
「どうかしたかな?お嬢さん」
中年男は後ずさる陽太に、ニヤリとした笑みを浮かべた。
「いや、失礼。お坊ちゃんの間違いだったな」
ねっとりとした視線が身体にまとわりつく。着物の上から裸体を想像されているようで、ゾワゾワと悪寒が走る。
「どうした?そんなに震えて」
男がわざとらしく哀れみに満ちた表情を浮かべる。だが、その瞳の奥には明らかな欲望が見え隠れしていた。逃げようとする陽太の手首を強引に掴む。恐怖から陽太は声さえ出せなかった。が、男の手はすぐに陽太から離れた。
「いたたたたた…っ、なんだ貴様は…っ」
いつの間に戻ってきたのか、智樹が男の右手を捻り上げている。
「私の連れに何か?」
「この…っ」
男は振り向くと、その小さな瞳を大きく見開いた。
「離れろ」
この時。陽太からは智樹の表情はよく見えなかった。が、男は青ざめてアタフタと逃げていく様にホッとした。
「大丈夫だったか?すまない。お前を一人にして…」
腕の中に倒れ込んでくる陽太を抱き締めて、智樹が辛そうに眉を寄せる。陽太は慌てて体勢を直すと、ニッコリ笑顔を見せた。
「大丈夫。智樹が来てくれたから」
陽太の笑顔に智樹も安堵した様子で、座席へと向かった。遅くなったせいもあり一番後ろだったが、陽太は全体が見渡せるからいいと笑った。
映画は、以前から陽太が見たがっていた冒険活劇だった。考古学を学んでいる青年が、多くの謎を解き明かしながらやがて歴史の真実に気付く…というごくごくありふれた内容だったのだが…。
«あ…、待って…、もう少しこのままで…»
«君の愛らしい唇は、僕だけのものさ»
中盤。主人公とその恋人のかなり大胆なシーンがあり、陽太はパンフレットで顔を隠していた。智樹がクックッと笑う。
「そんなに恥ずかしいか?」
「そ、そりゃあ…」
他人のキスシーンなど見たことがない陽太は、真っ赤になって俯いた。智樹がその小さく愛らしい唇を指でなぞる。
「毎日しているじゃないか」
「それは…っ」
反論しようとした唇を、智樹が黙って塞ぐ。音を立てないように、恋人達はちょっとしたスリリングを楽しんだ。
「そろそろ、帰ろうか」
映画を見終わった後、智樹が懐中時計を見るとそう告げた。そろそろ日が暮れる時間だ。馬車で帰るには、明るいうちがいい。
「もう少し、いろいろ見たかったな」
陽太が頬を少し膨らませる。だが、聡真のことも気がかりだった。涼雅が留守番をしていてくれるが、やはり心配だった。馬車がゆっくりと走り出す。が、来た時とは道が違った。
「智樹。ここは…?」
不安になって窓の外を見た陽太は、思わず感嘆の声を上げた。左右には銀杏の樹がズラッと並び、金色の葉を雪のように降らせている。
「気に入ったか?」
はしゃぐ陽太の姿に智樹が目を細める。
「うんっ。とってもっ」
まるで絵本の中のような風景を走りながら、智樹と陽太は何度となく唇を重ねた。
その夜。
陽太は街で見聞きした風景や出来事を聡真に興奮気味に話し、聡真の笑みを誘った。もっと甘い余韻に浸りたかった智樹としては、溜め息を吐くしかなかったが…。
陽太は差し出された箱に目を丸くした。
「早く着替えろ」
智樹はいつもの燕尾服姿ではなく、ダークグレーのスーツに身を包んでいる。黒のインバネスコート(丈が長く、ケープがついたコート)を羽織った姿は、まるで異国の探偵のようだった。何がなんだかわからず箱を開けると、そこには焦げ茶色の着物と白い襟巻きが入っていた。
「俺の?」
「他に誰がいる?」
質問を質問で返されて、陽太は目を白黒させた。
「私とデートしないか?」
その言葉に、陽太はしばらく時が止まったような気がした。
「智樹に、デートに誘われました…」
智樹から贈られた着物は、陽太から見ても高級と分かる逸品だった。白い襟巻きも、肌触りからしておそらく絹。着替えを済ませた陽太は、聡真の部屋の前に座り込んでいた。
「デートって、恋人同士がするものなんですよね?」
以前に涼雅から聞いたことがある。恋人になりたい人や、恋人同士が互いの気持ちを深めるためにするものだと。
「ど、どうしたらいいんでしょう」
デートがどんなものかわからない陽太としては、不安で仕方ないのだ。と、便箋がスッと差し出される。
『そんなに緊張することはないよ。智樹に任せておきなさい。大体、お前達は恋人同士だろう?何をそんなに緊張することがあるんだい?さぁ、そろそろ行きなさい。智樹が待ってる』
陽太の戸惑いがよほど面白いのか、クスクスと笑い声まで聞こえてくる。陽太は恥ずかしさに頬を染めながら、智樹が待つ玄関へと急いだ。
外に出ると、冬の冷たい空気が頬を撫でる。既に智樹は馬車の横に立っていて、陽太が来るのを待っていた。
「さぁ」
馬車に乗ろうとしたら、智樹がスッと手を差し出す。いつもそうしているのだが、いつもと違う服装といつもと違うシチュエーションが陽太を緊張させた。
「あ、ありがとう」
本当なら車を使った方が早いのだろう。が、陽太は車があまり得意ではない。そのため、移動はほぼほぼ馬車なのだ。馬の足音を聴きながら、2人は窓の外に視線を向けた。
おしゃれをした男女が、照れ笑いを浮かべながら寄り添い歩いている。人目も憚らず抱擁している者もいた。
「…俺達があんなことしたら、きっと変に思われるよね」
陽太がポツリと呟く。男女だったなら、手を繋いで歩いても、抱き合っても誰も気にしないだろう。智樹と手を繋いで歩きたいなんて、陽太にとっては贅沢すぎる願いだった。
「停めてくれ」
智樹が馬車から降りると、周囲にいた女性達の視線が一斉に集まった。亜麻色のやや長めの前髪をかきあげ、長身でスレンダーな体型で颯爽と降り立った智樹は、まるでおとぎ話に出てくる王子様のようだった。
「掴まれ」
当たり前のように手を差しのべられ、陽太は慌てて首を左右に振った。
「い、いいよっ。一人で…」
こんな目立つ状況で目立つことはしたくない。というのが陽太の本音だ。が、いつもと違い距離を置こうとする陽太に智樹が僅かだが不機嫌になる。
「遠慮はするな」
やや強引に腕を掴まれて、陽太は智樹にエスコートされるように馬車を降りた。女性達の疑問に満ちた眼差しを直視できず、陽太は下を向いたまま智樹の後に続いた。
「ここでお茶をしよう」
智樹が案内してくれたのは、小さいがコジャレたカフェだった。智樹がウェイターになにやら囁くと、一番奥の席へと案内してくれた。
「好きな物を頼みなさい」
と言われ、陽太はナポリタンとプリンを注文した。智樹はハムサンドとミルクティー。2人は初めて恋人らしい時間を過ごした。
(な、なんか恥ずかしい)
いつも食事を摂る時には、横に並んで食べている。こうして向かい合って食べるなんて、初めてなのだ。
「どうした?口に合わなかったか?」
「そ、そんなことないよ。美味しい」
甘めの味付けのナポリタンも、やや硬めのプリンもとても美味しかった。でも…。
「智樹が作ってくれるナポリタンの方が美味しい」
智樹はいつも陽太が好きなマッシュルームを多めに入れてくれるのだ。さりげなく苦手なピーマンは少なくして…。
「そうか」
嬉しそうに微笑んだ智樹が、胸元のハンカチを取り出して陽太の口許についたケチャップを拭う。2人は他愛ないひとときを十分に満喫した。
「映画?本当?」
喫茶店を出た後、映画館へ向かうと聞いて陽太が瞳を輝かせる。実は映画を観るのが昔からの憧れだったのだ。
「うちは田舎だったから映画館なんてなかったし、あっても多分行けなかったから…」
陽太の実家は貧しくはなかったが、決して裕福とも言えなかった。映画を観たいなんてワガママは、言えなかった。西洋の駅をイメージして造られたという映画館は、休日ということもありかなりの人でごった返していた。チケット売場はかなりの列だ。智樹は柱時計の前で待つようにと言って、一人でチケット売場に向かう。
「ポップコーンも頼めば良かった」
映画といえばポップコーンだと、涼雅が自慢げに言っていたことを思い出す。もっとも、陽太はポップコーンがどんなものなのか食べたことはないのだが…。
「…いろんな人がいるんだな」
楽しげに語らい合うカップルや、微笑み合う老夫婦。落ち着きがない子供を怒る母親。妹を泣き止まそうとあやす幼い兄…。
(みんな、どうしているだろう)
不意に懐かしい光景が蘇る。
食卓を家族で囲んだ楽しい日々。
泥だらけになりながら、父親の仕事を手伝った。
疲れたと言う妹をおぶって歩いたあぜ道。
何気ない日々が、今はただただ懐かしかった。
(もう、戻れない…)
陽太の胸に寂しさが込み上げた時、不意に人影が見えた。
「お帰り。智…」
顔を上げた陽太は、笑顔のまま硬直した。そこには、恰幅のいい中年男がニヤニヤしながら立っていたのだ。一瞬にしてある人物の姿が蘇る。
(黒川…芳太郎…)
大金をはたいて陽太を買った男を思い出し、陽太は身体を震わせた。
「どうかしたかな?お嬢さん」
中年男は後ずさる陽太に、ニヤリとした笑みを浮かべた。
「いや、失礼。お坊ちゃんの間違いだったな」
ねっとりとした視線が身体にまとわりつく。着物の上から裸体を想像されているようで、ゾワゾワと悪寒が走る。
「どうした?そんなに震えて」
男がわざとらしく哀れみに満ちた表情を浮かべる。だが、その瞳の奥には明らかな欲望が見え隠れしていた。逃げようとする陽太の手首を強引に掴む。恐怖から陽太は声さえ出せなかった。が、男の手はすぐに陽太から離れた。
「いたたたたた…っ、なんだ貴様は…っ」
いつの間に戻ってきたのか、智樹が男の右手を捻り上げている。
「私の連れに何か?」
「この…っ」
男は振り向くと、その小さな瞳を大きく見開いた。
「離れろ」
この時。陽太からは智樹の表情はよく見えなかった。が、男は青ざめてアタフタと逃げていく様にホッとした。
「大丈夫だったか?すまない。お前を一人にして…」
腕の中に倒れ込んでくる陽太を抱き締めて、智樹が辛そうに眉を寄せる。陽太は慌てて体勢を直すと、ニッコリ笑顔を見せた。
「大丈夫。智樹が来てくれたから」
陽太の笑顔に智樹も安堵した様子で、座席へと向かった。遅くなったせいもあり一番後ろだったが、陽太は全体が見渡せるからいいと笑った。
映画は、以前から陽太が見たがっていた冒険活劇だった。考古学を学んでいる青年が、多くの謎を解き明かしながらやがて歴史の真実に気付く…というごくごくありふれた内容だったのだが…。
«あ…、待って…、もう少しこのままで…»
«君の愛らしい唇は、僕だけのものさ»
中盤。主人公とその恋人のかなり大胆なシーンがあり、陽太はパンフレットで顔を隠していた。智樹がクックッと笑う。
「そんなに恥ずかしいか?」
「そ、そりゃあ…」
他人のキスシーンなど見たことがない陽太は、真っ赤になって俯いた。智樹がその小さく愛らしい唇を指でなぞる。
「毎日しているじゃないか」
「それは…っ」
反論しようとした唇を、智樹が黙って塞ぐ。音を立てないように、恋人達はちょっとしたスリリングを楽しんだ。
「そろそろ、帰ろうか」
映画を見終わった後、智樹が懐中時計を見るとそう告げた。そろそろ日が暮れる時間だ。馬車で帰るには、明るいうちがいい。
「もう少し、いろいろ見たかったな」
陽太が頬を少し膨らませる。だが、聡真のことも気がかりだった。涼雅が留守番をしていてくれるが、やはり心配だった。馬車がゆっくりと走り出す。が、来た時とは道が違った。
「智樹。ここは…?」
不安になって窓の外を見た陽太は、思わず感嘆の声を上げた。左右には銀杏の樹がズラッと並び、金色の葉を雪のように降らせている。
「気に入ったか?」
はしゃぐ陽太の姿に智樹が目を細める。
「うんっ。とってもっ」
まるで絵本の中のような風景を走りながら、智樹と陽太は何度となく唇を重ねた。
その夜。
陽太は街で見聞きした風景や出来事を聡真に興奮気味に話し、聡真の笑みを誘った。もっと甘い余韻に浸りたかった智樹としては、溜め息を吐くしかなかったが…。
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