秘めやかな恋を王子達は甘く抱き締める

すいかちゃん

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孤独な令息は、仮面の王子に番として愛される

南西に位置するフェヴリエ国。気温も穏やかで資源も豊富のため、周辺の国々からも頼りにされることが多かった。国の周囲は有能な騎士達で守られ、この100年もの間、他国からの侵入を許したことがない。首都を中心に大小様々な村が形成されていて、それぞれ王族の者が統治することが決まっている。
第二王子であるランディーナが二十歳を迎える年。国王は西側にある村を祝いとして贈った。それに伴い、同性の伴侶『番選び』が開催されることが正式に発表された。国中の18歳以上の男性はこの話に歓喜した。ランディーナの城は華美ではなかったが、オフホワイトを基調とした上品な造りとなっている。大広間には大勢の男達がごった返していた。
「父様。なんでこいつもいるの?」
「愛人の子供のくせに、生意気なんだよっ」
兄達の冷たい眼差しを全身に浴び、アーティーは所在なげに俯いた。幼い頃からこうした視線には慣れているが、平気なわけではない。正直に言えばこの場から逃げ出したいと、アーテイーは唇を噛み締めた。
「やめないか。招待状にはアーティーの名もあったんだ。仕方ないだろう」
父親が慌てて宥めるが、兄達の不満はおさまらなかった。
「でもまぁ、オレらの引き立て役にはなるな」
「言えてる。こいつがいれば、ボク達の美しさが際立つよね」
全身をスパンコールの衣装で揃えた兄達は、勝ち誇ったように高笑いをした。自分達が周囲から浮いているという自覚は、どうやら彼らにはないらしい。
フェブリエ国には、不思議な風習がある。それは、異性との婚姻は第一王子しか許されないということだ。現在は平和で穏やかなフェブリエ国だが、かつては王位継承権を争い内戦が続いていた。兄弟姉妹が王位を争い、対立し続けたのだ。当時の国王はこの事を憂い、王位継承権は第一王子のみという決まりを作ったのだ。第二王子以降は、同性の『番』を選ぶことになる。番は平民から選ばれ、その一族は永遠に王族として扱われるとのことだ。
「しっかし、すごい人だな」
「そりゃあそうだろ。王子と寝るだけで一族が繁栄するんだぜ。ボク達もライバルだからな」
「お前なんかに負けねーよ」
兄達の醜い争いに、周囲の人々が苦笑を漏らす。そして、アーティーに対しては真逆の視線が送られた。
「なぁ。あの少年、随分美しいな」
「ああ。もしかして彼が…」
美しいアーティーに、誰もが溜め息をついた。
だが、アーティー自身はそもそも番に興味はない。彼が城に来たのは、ある人物を探すためなのだ。
(騎士様。どこにいるのですか?)
城内には数十人の騎士が護衛として立っている。だが、アーティーが探す人物はいなかった。アーティーは親指にはめている指輪に唇を寄せるとそっと息を吹き掛けた。愛する男に届くように…。
「ランディーナ様が到着なされた」
ファンファーレが鳴り響き、広場の入り口からランディーナが姿を見せる。パールホワイトのケープを頭から被り、顔には金のハーフマスク(目元まで)をつけている。唯一見える鼻や口元は凛々しくて、毅然とした印象を周囲に与えた。ランディーナが集まった少年達を順番に見ていく。そして、アーティーの方を見るとその動きを止めた。
(え?)
アーティーは驚愕のあまり、思わず固まってしまった。遠かったし、ランディーナの瞳はマスクでわからない。なのに、目が合った気がするのだ。
「なぁ、ランディーナ様がオレを見たっ」
「何言ってるのさっ!ボクだよ」
キャッキャッとはしゃぐ兄達に構わず、アーティーはそっと踵を返した。そんなことはあり得ない。あり得ないが、万が一…。アーティーは急いで城を出ることにした。ランディーナの番になるわけにはいかないのだ。
「あ…っ」
人混みを掻き分けて出口へと向かうアーティーの前で、純白のマントがゆっくりと翻る。いつの間にかランディーナがいて、アーティーの前で片膝をついていたのだ。
「どこへ行く?我が番よ」
ランディーナの唇の端が、ニッと不適な笑みを浮かべた。あまりにも意外な光景に周囲が騒然とするなか、ランディーナの手がアーティーの手首を掴む。
「寝所に連れていく」
「かしこまりました」
「あのっ。ランディーナ様…っ。私は、あの…っ」
ランディーナがアーティーを城の奥へと連れていこうとする。アーティーが逆らおうとしても、その力は強くてびくともしない。アーティーは青ざめた表情で、ただ言いなりになるしかなかった。
(騎士様。どうして…?)
助けてくれると言っていたのに。愛していると、2度と離さないと誓ってくれたのに…。アーティーは懸命に指輪に唇を当て息を吹き掛けた。愛する男に会いたくて…。背後で鉄の扉がカシャンと閉まり、アーティーは絶望感に震えながら立ち尽くした。
「な、なぁ。あれ、アーティーだよな?」
「なんでアイツが…」
ランディーナと去っていったアーティーの姿を見て、兄達は互いに顔を見合わせた。

3ヶ月前。
アーティーは真夜中だというのに、母親から森へ行くように命じられた。
「茨イチゴが食べたくなった。早く摘んできなさい」
「…はい。お母様」
母親といっても、彼女はアーティーの生母ではない。父親がメイドに生ませた子供だった。メイドと同じへーゼルナッツカラーの髪と瞳が、より母親の怒りを買っているらしい。幼い頃から使用人同然の扱いをされながら生きてきたアーティーにとって、家とは孤独な場所でしかなかった。背後で聞こえる両親と兄達の楽しそうな笑い声を聞きながら、アーティーは薄暗い森へと小走りに向かった。
「早く見つけなきゃ」
手元のランプだけを頼りに森へ入ったアーティーは、目的のイチゴを探し回った。5月。茨イチゴが残っている可能性は極めて低い。だが、微かに白い茨が見えたような気がした。
「あった…っ」
白い茨に守られるように生っている赤い果実。アーティーは慎重に腕を伸ばしてイチゴを取ろうとした。小さなトゲが、容赦なくアーティーの指を痛め先へ進ませてくれない。いつもだったら革の手袋を持っているのだが、今日は忘れてしまった。柔らかな甲に赤い筋が幾重にも走る。
「…持って帰らなければ」
それでも奥へ手を伸ばそうとした時。
「やめておけ」
誰かがアーティーの腕を掴んだ。振り向くと、いつの間にか精悍な顔つきをした青年が立っていた。透明感があるアッシュブラックの長髪を後ろで束ね、全身を銀の甲冑で覆っている。その出で立ちから察するに、青年は王室の騎士のようだった。
「き、騎士様?なぜこんなところに?」
通常、騎士は王族と城の警備を仕事にしている。アーティーが住むような田舎の村では、騎士を見かけた事さえない。
「それはこっちの台詞だ。夜中に何をしている?」
「あ、あのっ。茨イチゴを…」
怪しい者ではないと説明するために、アーティーは自ら名前や住んでいる場所を教えた。騎士は疑わしそうにジロジロとアーティーを見たものの、特に何も言わなかった。
「茨イチゴを取るときには、こうやってするんだ」
騎士は小さなナイフを取り出すと、茨の棘を先に切った。そして、数個の茨イチゴをアーティーの手の平に乗せてくれる。
「あ、ありがとうございます」
顔を上げたアーティーは、あまりにも騎士が近くにいて、その聡明な瞳に思わず息を呑んだ。
(なんて、綺麗な瞳)
思えば、家族や使用人と話したのは初めてのことだった。
「早く帰れ。夜は危ない」
ぶっきらぼうな口調だったが、騎士の声はどこか優しさを秘めていた。もっと話してみたい。アーティーは本能的にそう感じた。
「あ、あのっ。明日もここにいらっしゃいますか?」
気がつけば、アーティーは騎士を引き留めていた。騎士は振り向くと、少し迷ってから頷いた。アーティーの瞳がパアッと輝く。
「明日、お礼にイチゴパイを焼いてきます」
それが、アーティーと騎士の始まりだった。毎日、同じ時間に森で会いほんの少しの会話を楽しんだ。騎士との会話は何もかも新鮮で面白かった。ある日、騎士が本をくれた。だが、アーティーは受け取れなかった。
「私は文字が読めません。教わってないのです」
「良家の子息なのにか?」
騎士の言葉に、アーティーは自分の生い立ちをかい摘まんで話した。愛人の子供のため、家族としては扱われていないこと。勉強をすることも、友を作ることも許されていないこと…。周囲から令息などと言われることもあるが、実際は使用人も同然なのだ。
騎士は、次の日から文字を教えてくれるようになった。アーティーは17歳にして初めて自分の名前を書いたのだ。
次第に2人は親しくなり、気がつけば古い友人のように感じるようになっていた。ただ、騎士は名前を教えるのをひどく嫌がった。そのため、アーティーも深くは詮索していない。おそらく事情があるのだろう。
「そういえば、来月には番選びが始まるな」
「そうですね。どんな人が選ばれるのでしょう?」
番選び。王位継承権を持たない王子が、同性の伴侶を選ぶ儀式だ。細かい条件がないため、参加する人数はかなりのものだ。
「アーティーも参加するのだろう?選ばれれば、何不自由ない暮らしが待っている」
「僕なんか、選ばれるわけないです」
袖を肘まで捲り上げ、アーティーが寂しそうに微笑む。透き通るように白い肌だが、決して美しいとは言えなかった。
「こんなアカギレだらけの肌、王子様にお見せできません。髪の手入れもほとんどしていないし、学もありません」
村の若者達は、こぞって容姿磨きをしている。アーティーの兄達は、専属の美容師までつけているぐらいだ。
「ま。番なんかには選ばれない方がいい」
騎士は樹の幹に寄りかかると、星空を見上げた。
「番なんて、簡単に言えば王子の夜の相手だろ?そんなくだらないこと、お前はしなくていい」
「夜の相手だなんて…。そんな風に言わないでください」
アーティーの語尾が珍しく強くなった。
「番は、王子様の心身を支える大切な存在です。道具のような言い方、しないでください」
本音を言えば、アーティーだって番に選ばれたい。だが、それは贅沢三昧をするためではない。番になれば、この孤独から解放されると思ったからだ。誰かのために生きられるなんて、アーティーにとっては羨ましい限りだった。
「…きっと、王子様だって孤独を感じてると思うんです」
噂によると、王子は生まれてからずっと城内から出ることはないと言う。大勢の人に慕われていても、きっと孤独に違いない。
「もし、私が心の支えになれるなら…」
アーティーの言葉は、最後まで言えなかった。騎士の腕に引き寄せられ、唇を塞がれていたからだ。あまりの驚きにアーティーが固まっていると…。
「俺は、お前が欲しい。今すぐに」
『欲しい』という意味を、アーティーは漠然と理解した。つまり、アーティーを必要としてくれているのだ。心の中を喜びが満たしていく。騎士は手袋を外すと、アーティーのふっくらした頬を撫でた。
「お前も同じ気持ちなら、目を閉じてくれ」
迷う必要などアーティーにはなかった。目を閉じれば、再び唇が重なる。今度は深く、激しく…。
「ここがフカフカのベッドなら良かったのにな」
唇を離し、騎士がいたずらっ子のような笑みを浮かべる。黙っていると冷たく感じるのに、笑うと子供みたいだとアーティーは思った。不思議と触れられる度に安心感を感じる。
「ここじゃ、お前を傷つけてしまいそうだからな」
「?」
意味がわからず首を傾げるアーティーに、騎士は美しい指輪をくれた。乳白色でありながら、月に翳せば螺鈿のような輝きを放つ。よく見ると、小さな穴がいくつか開いていた。
「これは?」
「俺の家に伝わる特別な指輪だ。クリスタルコーラルで出来た一品ものだ。これは、2つで1つとなっている」
騎士が自身の手を見せる。薬指に同じ指輪が嵌められていた。騎士が唇を近づけて静かに息を吹くと、アーティーの指に風を感じる。驚くアーティーに、騎士が声を立てて笑う。
「え?どういう…」
「不思議だろ?これがお前の場所を教えてくれる」
騎士が片膝をつき、アーティーの手の甲に口づける。
「愛している。番選びの日には、城でこの指輪を吹け。どこにいても、必ず駆けつけるから。お前を助けてやる」
「…はい」
「その時は、2度と離さないからな」
誓いのように唇が合わせられた。
アーティーにとって、騎士が同性か異性かなど関係がなかった。ずっと一緒に居たいと願った人に望まれた。その事実は、アーティーを何よりも幸福にさせた。この逞しい腕の中にいれば、ずっと…。

「う…っ、う…っ」
純白の天蓋に囲まれた寝台で、アーティーはずっと泣き続けていた。これから何が起きるのかは、アーティーにだってわかっている。番としての最初の儀式。それは、王子と奥深くで交わること。王子の精液を注がれ、初めて番として認められるのだ。
「騎士様…っ、なぜ…」
やはり王子を裏切るのが怖かったのだろうか。それとも、そもそも最初から来る気はなかったのだろうか。
アーティーが泣きながら指輪を吹くと…。
「そんなに吹くな。指がくすぐったくて仕方ない」
「!」
ぶっきらぼうだが優しい、あの大好きな声が聞こえてきた。アーティーは満面の笑みを浮かべると、天蓋を掻き分けて走り出た。が…。
「ラ、ランディーナ様っ?」
そこに居たのはランディーナだった。青ざめるアーティーに、ランディーナが声を上げて笑う。
「まだわからないのか?」
ランディーナがマントとマスクを外す。艶やかな黒髪がバッと広がり、優しいブラウンの瞳がアーティーを見つめた。
「騎士さ…ま…?」
ランディーナは、戸惑うアーティーの頬を両手で包み深く口づけた。
「俺だけのものになってくれるな?」
異論など、アーティーにあるはずがなかった。
「では、俺と契りの儀式を…」
ランディーナが、アーティーを優しく寝台へと押し倒す。

「ふ…ぁ…っ」
重なった唇の隙間から漏れる甘い声に、ランディーナは満足そうに瞳を細めた。シルクで造られた天蓋の中、ランディーナとアーティーは一糸纏わぬ姿で身体を重ねていた。ランディーナはアーティーの甘い舌を味わいながら、そっと滑らかな肌に指を滑らせる。想像以上に柔らかく、そして美しかった。
「ん…っ」
性的は触れあいに慣れていないアーティーは、ランディーナの指が触れる度にビクビクと反応する。が、まだその中心は形を変えてはいない。
(ここは慎重にいかないとな…)
怖がらせてしまえば、おそらく信頼は得られない。ランディーナが欲しいのは、一時の快楽ではないのだ。
(やっと手に入れた)
ずっとアーティーが欲しかった。できたら、番として…。
(番か…)
ランディーナ自身、この番という制度には正直不満だった。なぜ異性を伴侶にしてはいけないのか納得できなかったからだ。男と愛し合うなど、ランディーナには想像さえできなかった。ためしに街の男娼を抱いてみたが、ランディーナ自身反応することはなかった。
小さな村を与えられたものの、退屈な日々に飽き飽きしていた。そこで、騎士の格好で密かに城を抜け出したのだ。誰もいない森を馬でひたすら走るのは、なんともいえない解放感をランディーナに与えてくれた。そこで、茨イチゴをとろうとしているアーティーを見かけた。
(妖精かと思った)
ヘーゼルナッツのような淡いクリーム色の髪に、大きく溢れそうな瞳。もしその背中に羽が生えていても不思議ではなかった。だが、すぐにアーティーが人間の少年だとわかった。なぜなら、その白く美しい手はアカギレだらけだったから。
「この行為は好きか?」
上体を起こしランディーナが問えば、アーティーがコクコクと頷く。ボ~ッとした様子から、おそらくこちらの言葉は理解していないだろう。ランディーナは顔をずらし、ゆっくりと小さな突起を口に含む。舌でコロコロ転がせば、突起は弾力を増してきた。
「あ…っ…ん。はぁ…っ」
アーティーの肌はとても敏感だった。先端に歯を立てただけで、ビクッと背中がのけぞる。次第に足の間も熱を帯びてきた。
(そろそろ、だな)
ランディーナはアーティーの分身を、右手でそっと包んだ。ハッとアーティーの瞳が見開かれる。
「何を…っ」
「落ち着け。乱暴にしたりない」
ユルユルと掌を動かせば、アーティーが泣きそうな顔を横に向ける。若く敏感な身体は、ランディーナが与える愛撫に素直な反応を見せた。赤くなった胸の果実は唾液で濡れ、ランディーナを誘惑する。
「声を聞かせてくれ。お前の美しい声を…」
ランディーナの指の動きが早まり、アーティーのそそり立った花芯が喜びに震えた。
「あっ、あっ、はあっ、や…っ、あぁっ、あ…んっ」
「そうだ。もっと聞かせてくれ」
ランディーナは再びアーティーの胸に顔を埋めると、左右交互にしゃぶった。
「本当は、もっと早くにこうして迎えたかった」
アーティーに会う度に、ランディーナは彼に惹かれた。話をすればもっと声が聞きたくなり、指に触れれば全身が欲しくなった。これが恋というものかと漠然と感じていた。理屈ではない。感覚がアーティーだと教えてくれたのだ。
「俺の番は、お前しか考えられなかった」
アーティーが孤独な境遇と知って、早く側に起きたかった。だが、番選びの前にアーティーを選べば、いらぬ憶測が出るだろう。だから、この日を待った。大勢の前で堂々とアーティーを選ぶために…。
「じっとしてろ」
細い両足を広げ、ランディーナはゆっくりと顔を下げた。アーティーの隠された蕾は、空気に触れてヒクヒクと震えている。そこに、ランディーナは躊躇いなく舌を差し入れた。
「あ…っ、そんな…っ」 
湿った感触に、アーティーは慌てて身体を起こした。ランディーナの舌に犯されているという事実に、アーティーは激しく動揺しているようだ。だが、ランディーナは止める気はなかった。アーティーを傷つけないために必要な行為だからだ。
「あ…んんっ、んっ」
抵抗しなくてはならないのに、アーティーの身体は刺激的な快楽に素直な反応を見せる。ランディーナの舌先が奥を突いた瞬間。アーティーの前は触れられずに達した。
「ここで、俺達は一つになる」
ランディーナの雄が、濡れた蕾へと深々と埋まっていく。あまりの圧迫感に、アーティーは全身を震わせのけぞった。だが、感じるのは果てしない快楽。
「綺麗だ」
アーティーが乱れる姿に、ランディーナは笑みを深めた。微かな抵抗を受けながら、ランディーナは包まれる喜びに熱を増した。
「うぁ…っ、あっ、そんなに…」
「我慢できそうにない」
ランディーナがグッと体重をかけた瞬間。アーティーの奥が締まった。
ランディーナの熱い精液が、アーティーの奥へと注がれる。蕾から溢れた精液が、アーティーの内股を伝った。
「これで、お前は永遠に俺のものだ」
ランディーナが嬉しそうに笑い、アーティーに口づける。

(夢、みたいだ)
激しく愛された翌朝。アーティーは、ランディーナの腕の中で目覚めた。思えば、明るい日差しの中で顔を見るのは初めてのことだった。そっと指を伸ばし、その頬に触れてみる。
「…くすぐったい」
いつの間に起きてたのか、ランディーナがクスッと笑う。
「も、申し訳…」
指を離そうとしたが、すぐにランディーナに掴まる。そのまま指を口に含まれた。
「あ、あの…」
「困ったな。お前があんまり可愛くて、抑えが効かない」
「え?あ、あの…、あ…っ」
のしかかってくるランディーナを、アーティーは戸惑いながら受け入れた。
朝食は、かなり先になりそうだ。

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