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第二章
第十七話「妖魔退治」
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「さあ、それでは、妖魔退治に出かけましょう!」
凛はにっこりと聞こえそうな爽やかな笑顔を見せて、言った。
「え……私何も妖魔退治の仕方教わってませんが……」
「行けばなんとかなります」
微笑みながら、凛はそう発言した。
──────────────────────────────
西の森──
結月、凛、実桜の3人は明かりもない、真っ暗な森の中を峠に向かって進んでいた。
「ここです」
凛はある祠がある場所で立ち止まった。
「この祠には結界が張ってありましたが、昨日何かにより壊された。十中八九妖魔の仕業でしょう」
「……気配は感じませんが……」
実桜はまわりに鋭く気をはってみるが、何も感じない。
その時、結月は足に違和感を感じた。
「──っ! 結月さんっ!」
気づいたときにはもう遅かった。結月は木の根にからめとられ、宙高く放り投げられていた。
死ぬ。そう思った結月を何かが支えた。
「大丈夫ですか?」
凛が地面にたたきつけられる寸前に抱き留め、そのままそっと結月の足をおろした。
「ありがとうございます……」
「こちらこそ、申し訳ございません。実桜も私も油断しました」
木の根はまがまがしさを放ち、鋭く槍のように襲ってくる。
「凛さん! 実桜さん! 妖魔退治ってどうしたら…」
結月は何もできない状態に生命の危機を感じた。
その時、何か結月の奥で鼓動のようにドクンと脈打った。
結月に向かって木の根が向かってくる。
凛と実桜はイグの力を強め、一気に放出した。
だが、その攻撃は木の根を貫くことはなく、跡形もなく消え去った空を切るだけだった。
「結月…さん?」
結月が双剣で木の根を切り裂いていた。それも破片や一部のみだけではなく、木の根の妖魔の心臓部分を確実に貫いていた。
(やはり、結月さん……。そうだったのですね……。あなたはすでに【妖魔退治】ができるようになっていた。いや、できるように『されていた』)
続けざまに妖魔が襲ってくる。二体や三体ではない。
実桜は結月の身を守るために再びイグの力を強めた。
しかし、凛は動かない。
「凛さんっ! このままでは結月様が……」
「実桜……結月さんに私たちの手助けは必要ありません」
「──っ?!」
結月は生き生きと戦場を駆ける。先ほどまでとは打って変わって閃光のような速さで敵に向かっていく。
「これならいけるっ!」
(その双剣に刻まれた刻印はまさしく涼森家の家紋。結月さんの父君と母君は何も教えなかったわけではない。『イグの行使者』の一族のうち、涼森家に伝わる神器【天牙の双剣】をあなたに託すことで力を継承した)
すると目の前にいた餓鬼ほどの小さな妖魔が、まわりの倒れた妖魔を吸収し、膨れ上がる。
次第に見上げるほどまで巨大化した妖魔は、醜い姿で結月に向かって襲い掛かる。
「オマエナドヒトノミダアーーー!!」
一瞬だった。
結月の斬撃で目の前にいた醜い姿をした妖魔が灰になって消えてゆく。
実桜も凛も何が起こったか見えなかった。
「ナ……ナニガ……オコ…………」
妖魔は言い終わる前に跡形もなく消え去った。
結月は自分が自分でない感覚に襲われ、冷めやらぬ興奮で立ち尽くした。
「はあ……はあ……」
実桜も凛もしばらく、結月の気配の鋭さに圧倒され、声をかけることができなかった──
凛はにっこりと聞こえそうな爽やかな笑顔を見せて、言った。
「え……私何も妖魔退治の仕方教わってませんが……」
「行けばなんとかなります」
微笑みながら、凛はそう発言した。
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西の森──
結月、凛、実桜の3人は明かりもない、真っ暗な森の中を峠に向かって進んでいた。
「ここです」
凛はある祠がある場所で立ち止まった。
「この祠には結界が張ってありましたが、昨日何かにより壊された。十中八九妖魔の仕業でしょう」
「……気配は感じませんが……」
実桜はまわりに鋭く気をはってみるが、何も感じない。
その時、結月は足に違和感を感じた。
「──っ! 結月さんっ!」
気づいたときにはもう遅かった。結月は木の根にからめとられ、宙高く放り投げられていた。
死ぬ。そう思った結月を何かが支えた。
「大丈夫ですか?」
凛が地面にたたきつけられる寸前に抱き留め、そのままそっと結月の足をおろした。
「ありがとうございます……」
「こちらこそ、申し訳ございません。実桜も私も油断しました」
木の根はまがまがしさを放ち、鋭く槍のように襲ってくる。
「凛さん! 実桜さん! 妖魔退治ってどうしたら…」
結月は何もできない状態に生命の危機を感じた。
その時、何か結月の奥で鼓動のようにドクンと脈打った。
結月に向かって木の根が向かってくる。
凛と実桜はイグの力を強め、一気に放出した。
だが、その攻撃は木の根を貫くことはなく、跡形もなく消え去った空を切るだけだった。
「結月…さん?」
結月が双剣で木の根を切り裂いていた。それも破片や一部のみだけではなく、木の根の妖魔の心臓部分を確実に貫いていた。
(やはり、結月さん……。そうだったのですね……。あなたはすでに【妖魔退治】ができるようになっていた。いや、できるように『されていた』)
続けざまに妖魔が襲ってくる。二体や三体ではない。
実桜は結月の身を守るために再びイグの力を強めた。
しかし、凛は動かない。
「凛さんっ! このままでは結月様が……」
「実桜……結月さんに私たちの手助けは必要ありません」
「──っ?!」
結月は生き生きと戦場を駆ける。先ほどまでとは打って変わって閃光のような速さで敵に向かっていく。
「これならいけるっ!」
(その双剣に刻まれた刻印はまさしく涼森家の家紋。結月さんの父君と母君は何も教えなかったわけではない。『イグの行使者』の一族のうち、涼森家に伝わる神器【天牙の双剣】をあなたに託すことで力を継承した)
すると目の前にいた餓鬼ほどの小さな妖魔が、まわりの倒れた妖魔を吸収し、膨れ上がる。
次第に見上げるほどまで巨大化した妖魔は、醜い姿で結月に向かって襲い掛かる。
「オマエナドヒトノミダアーーー!!」
一瞬だった。
結月の斬撃で目の前にいた醜い姿をした妖魔が灰になって消えてゆく。
実桜も凛も何が起こったか見えなかった。
「ナ……ナニガ……オコ…………」
妖魔は言い終わる前に跡形もなく消え去った。
結月は自分が自分でない感覚に襲われ、冷めやらぬ興奮で立ち尽くした。
「はあ……はあ……」
実桜も凛もしばらく、結月の気配の鋭さに圧倒され、声をかけることができなかった──
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