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第二章
第二十六話「琥珀」
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結月はすぐに朔のもとを訪れていた。
壇上にいる朔が話し始める。
「男の声が頭の中で響いて、話しかけられた、と」
朔が結月に問う。
結月は真剣な顔でうなずいた。その首には先ほどついた瘴気の跡がまだついている。
瘴気は結月の鎖骨当たりまで侵食していた。
「こい」
朔が結月に対して声をかける。
「はい」
結月は朔のいる壇上にあがり、近づく。
すると、朔は目の前で人差し指と中指を立てて、軽く詠唱した。
瞬間、結月の首にあった瘴気がはがれた。
禍々しく手のひらほどの大きさになり、丸くなった瘴気が浮遊している。
「琥珀」
すると、結月の後ろから突然ふわっと風が吹き、気づいたときには”それ”が目の前にいた。
「うわっ!」
思わず、結月は後ずさった。
人間よりもはるかに大きい獣の姿がそこにはあった。
ただ、結月は不思議と恐怖を感じなかった。
よく見ると、白いふさふさとした毛におおわれ、狼のような顔。目が金色に輝いて美しい。
「琥珀、浄化しろ」
朔が命令すると白い巨大な狼のような獣は、先ほど結月から離れた瘴気を大きな口で食べた。
何事もなかったかのように琥珀と呼ばれたその獣は、朔の横に伏せて目を閉じた。
結月は圧倒され何も言えずに佇んでいた。
ふと自分の首が軽くなったのを感じ触ってみると、瘴気で爛(ただ)れた肌も治っていた。
「安心しろ。お前の瘴気は浄化した。瘴気でお前の身体が蝕まれることもない」
(やっぱり、すごい人なんだ…)
「お前を襲ったやつは朱羅の可能性がある」
「──っ!」
「朱羅はもともとは幻を操る妖魔だ。瘴気を自分の幻にまとわせ、お前のもとへ向かわせたのだろう」
朱羅が自分を見つけ、会いに来た。
罠は成功している。これで本体の居場所が分かれば、倒せるかもしれない。
その瞬間、朔と結月はほぼ同時に戦闘態勢になった。
と、同時に琥珀も鼻筋にしわをよせ外に向かって唸っていた。
全員感じたものは同じで、東のほうからとてつもなく強い妖気を感じていた。
「なに……あれ……」
窓の外をのぞくと東の森が跡形もなく消滅していた──
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「こい」
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よく見ると、白いふさふさとした毛におおわれ、狼のような顔。目が金色に輝いて美しい。
「琥珀、浄化しろ」
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「安心しろ。お前の瘴気は浄化した。瘴気でお前の身体が蝕まれることもない」
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その瞬間、朔と結月はほぼ同時に戦闘態勢になった。
と、同時に琥珀も鼻筋にしわをよせ外に向かって唸っていた。
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