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第二章
第三十二話「双剣」
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「朔様ぁーーーー!!!!」
刃が抜かれ、朔が膝から崩れ落ち、そのまま床に倒れる。
早く近くに行きたいという衝動が結月の痛む身体を押し進めた。
足がもつれる。
息が止まる。
瞳孔が開いた結月の目はより多く、より早く情報を収集しようと躍起になる。
結月が朔のもとにたどり着く一歩手前で結月は脳の処理が追いつき、状況を正しく理解した。
「刃が……ない……」
朔を貫いたであろう刃がどこにも見当たらなかった。
結月は目を右へ左へ瞬時に動かす。
神経を研ぎ澄ませ、双剣を強く握りしめる。
「息の根を止め損ねたか」
”それ”は突如として気配を発した。
居場所の定まらないゆらっとした等身。
藤色に光る眼の奥には鋭さが宿り、獲物を見るように眺めていた。
「──っ!」
結月は双剣を自らの前で交差させるように構える。
「あの瞬間にわずかに加護の結界を張るとは……しかし、しばらく衝撃で目が覚めぬであろうな」
『生きている』
”それ”の言葉から朔の状態を読み取り、自らは目の前にいる異質な何かに神経を集中させる。
「あの双子には期待していなかったが、やはり無理だったな」
舌なめずりをすると、”それ”は消えた──
瞬間、結月が気づいたときには自らの眼前に”それ”の振るう刃があった。
「──っ!」
結月は瞬時に双剣で打ち払うと、その勢いのまま一回転し、相手の足を払いに行く。
しかし、すでにその場に足はなく結月は背後を取られた。
痛む肋骨を無視し、手を大きく後ろに振り込む。
相手の刃と結月の刃が合わさり、攻防が止まる。
お互いに飛び退くと、再度接近し刃を交わす。
「お主が双剣の結月だろう」
「だったら何」
「お前を殺しにき……」
結月は言葉を聞き終えることなく刃の力を強め、相手の態勢を崩す。
わずかに離れた隙に結月は双剣にイグの力を込め、変化させる。
刀身は三日月のように湾曲し、千草(ちぐさ)色に輝きを放っていた。
「まさに『イグの行使者』の証……」
”それ”は結月を『イグの行使者』と再認識する。
結月はこの瞬間に相手の武器が同じ双剣であることに気づいた。
しかし、今の結月にとっては相手の武器がなんであろうと興味がなかった。
「一条家の当主……まだ目が覚めぬな……魂を取り損ねはしたがやはり傷をつけただけはある」
「──っ!」
結月の唇からは真紅の雫がつたり、その雫は床を汚した。
「このまま目がさめ……」
”それ”が言葉を紡ぐ間もなく結月は双剣で相手を吹き飛ばしていた。
一瞬瞼を閉じ、再び長いまつ毛とともに起き上がった瞼。
姿を現した結月の瞳は藍色に輝いていた──
刃が抜かれ、朔が膝から崩れ落ち、そのまま床に倒れる。
早く近くに行きたいという衝動が結月の痛む身体を押し進めた。
足がもつれる。
息が止まる。
瞳孔が開いた結月の目はより多く、より早く情報を収集しようと躍起になる。
結月が朔のもとにたどり着く一歩手前で結月は脳の処理が追いつき、状況を正しく理解した。
「刃が……ない……」
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結月は目を右へ左へ瞬時に動かす。
神経を研ぎ澄ませ、双剣を強く握りしめる。
「息の根を止め損ねたか」
”それ”は突如として気配を発した。
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「──っ!」
結月は双剣を自らの前で交差させるように構える。
「あの瞬間にわずかに加護の結界を張るとは……しかし、しばらく衝撃で目が覚めぬであろうな」
『生きている』
”それ”の言葉から朔の状態を読み取り、自らは目の前にいる異質な何かに神経を集中させる。
「あの双子には期待していなかったが、やはり無理だったな」
舌なめずりをすると、”それ”は消えた──
瞬間、結月が気づいたときには自らの眼前に”それ”の振るう刃があった。
「──っ!」
結月は瞬時に双剣で打ち払うと、その勢いのまま一回転し、相手の足を払いに行く。
しかし、すでにその場に足はなく結月は背後を取られた。
痛む肋骨を無視し、手を大きく後ろに振り込む。
相手の刃と結月の刃が合わさり、攻防が止まる。
お互いに飛び退くと、再度接近し刃を交わす。
「お主が双剣の結月だろう」
「だったら何」
「お前を殺しにき……」
結月は言葉を聞き終えることなく刃の力を強め、相手の態勢を崩す。
わずかに離れた隙に結月は双剣にイグの力を込め、変化させる。
刀身は三日月のように湾曲し、千草(ちぐさ)色に輝きを放っていた。
「まさに『イグの行使者』の証……」
”それ”は結月を『イグの行使者』と再認識する。
結月はこの瞬間に相手の武器が同じ双剣であることに気づいた。
しかし、今の結月にとっては相手の武器がなんであろうと興味がなかった。
「一条家の当主……まだ目が覚めぬな……魂を取り損ねはしたがやはり傷をつけただけはある」
「──っ!」
結月の唇からは真紅の雫がつたり、その雫は床を汚した。
「このまま目がさめ……」
”それ”が言葉を紡ぐ間もなく結月は双剣で相手を吹き飛ばしていた。
一瞬瞼を閉じ、再び長いまつ毛とともに起き上がった瞼。
姿を現した結月の瞳は藍色に輝いていた──
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