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第二章
第三十六話「終局」
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「朔様っ! 結月さんっ!」
凛は宮廷の朔がいる部屋に向かうと、そこには壇上に倒れこんだ朔と結月の姿があった。
「──っ!」
「大丈夫だ」
凛の慌てた様子を見た朔が自分の無事を告げる。
「はあ……ご無事でなによりです」
そういうと朔と結月のもとに近づき、跪いた。
「この度は私の不手際で朔様と結月さんを危険にさらし、誠に申し訳ございません」
「構わん、問題ない」
凛は顔をあげると、朔は左手を床につけるように脱力していた。
左半身は朔の血で真紅に染まっている。
一方、結月はわずかに傷を負い、朔の腕の中で抱きかかえられるように気を失っていた。
「朔様、治療いたします」
「問題ない。それよりそっちの報告をしろ」
朔は自らの治癒の力で傷の悪化を防ぎつつ、凛の報告に耳を傾ける。
「かしこまりました。私たちが向かった時には斎と名乗る少年がいました。その少年の猛攻により、蓮人と瀬那が重傷。実桜も軽傷を負っております」
「三人で戻ってこられる状況なのか?」
「はい、瀬那は自力で、蓮人は実桜に支えられて帰還中になります」
朔は少しの間考えると、端的に宮廷で起こったことを話し始めた。
「こちらは皐月と名乗る少年が襲ってきた。もう一体敵がいたが消息や詳細は不明だ。こいつが全て対処した」
『こいつ』と言いながら結月を眺める。
「その結月さんの具合は……?」
「『イグの行使者』の力を発動させて暴走した。今は眠っているだけだ」
「そうでしたか……」
そっと胸をなでおろした凛は朔に指示を求める。
「朔様、処理のほうはいかがいたしましょうか」
「東の森は一時封鎖で民衆を近づけるな。処理は裏に指示。あと、お前は蓮人たちのもとへ戻れ」
「……かしこまりました」
凛は朔の意図を全て理解すると、すぐさまその場をあとにした。
(さて、ひとまずこいつを休ませるか)
朔は立ち上がると左半身の痛みを抑えながら、歩き始めた。
「永遠、美羽」
朔が呼ぶとすぐさま二人は現れる。
「──っ! 朔様……お手当を早く……」
「構わん。こいつを手当して部屋へ連れていけ」
「……かしこまりました。医師をお部屋に手配いたしますゆえ、ご無理をなさらぬようにお戻りくださいませ」
「ああ」
結月が永遠と美羽に抱きかかえられて部屋に戻るのを見届けると、朔はゆっくりと自室へ戻った──
──────────────────────────────
朔は自室で考えに耽っていた。
(力の暴走か……それほど強大な力なのか? 涼風の力は)
治療の施された自らの左手を眺める。
(自分でも勝手に身体が動いた……)
朔は結月が暴走し、刃を交えた瞬間の時を思い出す。
(守りたいと思った……この俺が)
朔は芽生えた感情に少しばかり取り乱していた──
凛は宮廷の朔がいる部屋に向かうと、そこには壇上に倒れこんだ朔と結月の姿があった。
「──っ!」
「大丈夫だ」
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「かしこまりました。私たちが向かった時には斎と名乗る少年がいました。その少年の猛攻により、蓮人と瀬那が重傷。実桜も軽傷を負っております」
「三人で戻ってこられる状況なのか?」
「はい、瀬那は自力で、蓮人は実桜に支えられて帰還中になります」
朔は少しの間考えると、端的に宮廷で起こったことを話し始めた。
「こちらは皐月と名乗る少年が襲ってきた。もう一体敵がいたが消息や詳細は不明だ。こいつが全て対処した」
『こいつ』と言いながら結月を眺める。
「その結月さんの具合は……?」
「『イグの行使者』の力を発動させて暴走した。今は眠っているだけだ」
「そうでしたか……」
そっと胸をなでおろした凛は朔に指示を求める。
「朔様、処理のほうはいかがいたしましょうか」
「東の森は一時封鎖で民衆を近づけるな。処理は裏に指示。あと、お前は蓮人たちのもとへ戻れ」
「……かしこまりました」
凛は朔の意図を全て理解すると、すぐさまその場をあとにした。
(さて、ひとまずこいつを休ませるか)
朔は立ち上がると左半身の痛みを抑えながら、歩き始めた。
「永遠、美羽」
朔が呼ぶとすぐさま二人は現れる。
「──っ! 朔様……お手当を早く……」
「構わん。こいつを手当して部屋へ連れていけ」
「……かしこまりました。医師をお部屋に手配いたしますゆえ、ご無理をなさらぬようにお戻りくださいませ」
「ああ」
結月が永遠と美羽に抱きかかえられて部屋に戻るのを見届けると、朔はゆっくりと自室へ戻った──
──────────────────────────────
朔は自室で考えに耽っていた。
(力の暴走か……それほど強大な力なのか? 涼風の力は)
治療の施された自らの左手を眺める。
(自分でも勝手に身体が動いた……)
朔は結月が暴走し、刃を交えた瞬間の時を思い出す。
(守りたいと思った……この俺が)
朔は芽生えた感情に少しばかり取り乱していた──
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