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第18話
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私の声が出なくなってから半年ほどが経過しました。
あれから皆さんに支えられて生活ができ、そして読み書きやマナーの勉強をして少しずつ貴族令嬢としての勤めを果たせるようになってきました。
「数日後、フェーヴル伯爵家でお茶会が開かれる。ローゼマリーに招待状が来ているんだが、行ってくれるか?」
「(かしこまりました)」
私はドレスに特注でつけていただいたポケットから紙とペンを取り出すと、するすると文字を書きます。
そしてそれをお父さまに見せます。
「ああ、今回はご令嬢のみのお茶会らしくてね。クリスタも同行させるから一人で大丈夫そうか?」
「(はい。行ってまいります!)」
私はお父さまにお辞儀をすると、執務室をあとにしました。
お兄さまに教わった読み書きの成果もあって、大方の文字が書けるようになり、質問などがあるときはこうして文字に起こして書いて伝えます。
お父さまやお兄さま、クリスタさんは筆記がなくてもある程度意思疎通できるようになりましたが、初対面の方には筆記があると便利です。
お医者さまに定期的に診察していただくのですが、まだ声は出ないようです……。
「ローゼ」
その声に振り向くとそこにはお仕事を終えたであろうお兄さまがいらっしゃって、その手には何か包みのようなものを持っていらっしゃいます。
「今日は天気がいいから外で勉強しようか。クリスタにサンドウィッチを作ってもらったんだ」
「(サンドウィッチっ!! はいっ!)」
「たく、勉強がメインがサンドウィッチが楽しみなだけかわからないな」
「(どちらも楽しみですっ!)」
身振り手振りもつけながら会話をすると、外の大きな木のある庭に行きました。
いつもの庭園とは違い、ここは特にテーブルや椅子はないので木陰に座って木にもたれかかりながら腰かけます。
ドレスが汚れるなんて最初は迷っていたんですが、何度かするうちに慣れてしまって、クリスタさんにも「洗濯は私がしますからどうぞご遠慮なさらず!」と言われています。
少し気温も高くなってきていたので、木陰は涼しくて気持ちいいですね。
「今度お茶会に参加するんだって?」
「(はいっ!)」
そうでした。
お父さまから言い渡されていたお茶会の招待状を取り出してお兄さまに見せます。
しっかりヴィルフェルト家の名に恥じぬよう、お役に立たなければなりませんね。
「もうマナーも身についているし、ローゼなら安心だね」
そう言っていただけると、すごく嬉しいです。
余計に頑張らなければなりませんね!
そう紙にも書いてお兄さまに見せます。
「ふふ、張り切りすぎて転んだりしないようにね」
「(もうっ! そんなドジはいたしません!)」
私は少し怒るような表情を見せてお兄さまに見せると、お兄さまは大きな声で笑いました。
なんだか、前に比べたらよく笑うようになったな、なんて思います。
もしかして好きな人でもできたのでしょうか。
そう思うと胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚に陥ります。
「ローゼ、勉強でもはじめようか。これはね──」
お兄さまは私にいつものように本を見せながら言葉や意味を教えてくださいます。
そんな風にお兄さまの声を聞いていると今日は段々眠くなってきてしまって。
いけない、勉強をしないと、と思うのですが、眠気には抗えず、うとうとと段々瞼が重くなってしまいました。
「ローゼ?」
お兄さまがそんな風に呼んでいたような気がするのですが、私はもう夢の中に入ってしまいました──
ふと目が覚めると、私は何かにもたれかかっていました。
あれ? そういえば、勉強をしていて……それで……。
パッと横を見るとなんとお兄さまが顔がそこにあって、それで、それで、眠っていらっしゃって。
私は驚いて飛び退きそうになったのですが、お互いがもたれかかっていて支えているようで、このままではお兄さまを起こしてしまいます。
私は仕方なくそーっとそのままじっとしていたのですが、お兄さまの顔を思わず見てしまって。
黒髪に少し日が差し込んで、それで綺麗なお顔立ちですやすやと子供のように眠っておられます。
思わず見とれてしまうような綺麗さで、胸がドキドキとしてその鼓動で起こしちゃうのはないかと思うほどです。
天国のような地獄のような、そんな状態で、私はどうしたらいいのかと戸惑いながらお兄さまが起きるまで一緒に寄り添っていました──
あれから皆さんに支えられて生活ができ、そして読み書きやマナーの勉強をして少しずつ貴族令嬢としての勤めを果たせるようになってきました。
「数日後、フェーヴル伯爵家でお茶会が開かれる。ローゼマリーに招待状が来ているんだが、行ってくれるか?」
「(かしこまりました)」
私はドレスに特注でつけていただいたポケットから紙とペンを取り出すと、するすると文字を書きます。
そしてそれをお父さまに見せます。
「ああ、今回はご令嬢のみのお茶会らしくてね。クリスタも同行させるから一人で大丈夫そうか?」
「(はい。行ってまいります!)」
私はお父さまにお辞儀をすると、執務室をあとにしました。
お兄さまに教わった読み書きの成果もあって、大方の文字が書けるようになり、質問などがあるときはこうして文字に起こして書いて伝えます。
お父さまやお兄さま、クリスタさんは筆記がなくてもある程度意思疎通できるようになりましたが、初対面の方には筆記があると便利です。
お医者さまに定期的に診察していただくのですが、まだ声は出ないようです……。
「ローゼ」
その声に振り向くとそこにはお仕事を終えたであろうお兄さまがいらっしゃって、その手には何か包みのようなものを持っていらっしゃいます。
「今日は天気がいいから外で勉強しようか。クリスタにサンドウィッチを作ってもらったんだ」
「(サンドウィッチっ!! はいっ!)」
「たく、勉強がメインがサンドウィッチが楽しみなだけかわからないな」
「(どちらも楽しみですっ!)」
身振り手振りもつけながら会話をすると、外の大きな木のある庭に行きました。
いつもの庭園とは違い、ここは特にテーブルや椅子はないので木陰に座って木にもたれかかりながら腰かけます。
ドレスが汚れるなんて最初は迷っていたんですが、何度かするうちに慣れてしまって、クリスタさんにも「洗濯は私がしますからどうぞご遠慮なさらず!」と言われています。
少し気温も高くなってきていたので、木陰は涼しくて気持ちいいですね。
「今度お茶会に参加するんだって?」
「(はいっ!)」
そうでした。
お父さまから言い渡されていたお茶会の招待状を取り出してお兄さまに見せます。
しっかりヴィルフェルト家の名に恥じぬよう、お役に立たなければなりませんね。
「もうマナーも身についているし、ローゼなら安心だね」
そう言っていただけると、すごく嬉しいです。
余計に頑張らなければなりませんね!
そう紙にも書いてお兄さまに見せます。
「ふふ、張り切りすぎて転んだりしないようにね」
「(もうっ! そんなドジはいたしません!)」
私は少し怒るような表情を見せてお兄さまに見せると、お兄さまは大きな声で笑いました。
なんだか、前に比べたらよく笑うようになったな、なんて思います。
もしかして好きな人でもできたのでしょうか。
そう思うと胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚に陥ります。
「ローゼ、勉強でもはじめようか。これはね──」
お兄さまは私にいつものように本を見せながら言葉や意味を教えてくださいます。
そんな風にお兄さまの声を聞いていると今日は段々眠くなってきてしまって。
いけない、勉強をしないと、と思うのですが、眠気には抗えず、うとうとと段々瞼が重くなってしまいました。
「ローゼ?」
お兄さまがそんな風に呼んでいたような気がするのですが、私はもう夢の中に入ってしまいました──
ふと目が覚めると、私は何かにもたれかかっていました。
あれ? そういえば、勉強をしていて……それで……。
パッと横を見るとなんとお兄さまが顔がそこにあって、それで、それで、眠っていらっしゃって。
私は驚いて飛び退きそうになったのですが、お互いがもたれかかっていて支えているようで、このままではお兄さまを起こしてしまいます。
私は仕方なくそーっとそのままじっとしていたのですが、お兄さまの顔を思わず見てしまって。
黒髪に少し日が差し込んで、それで綺麗なお顔立ちですやすやと子供のように眠っておられます。
思わず見とれてしまうような綺麗さで、胸がドキドキとしてその鼓動で起こしちゃうのはないかと思うほどです。
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