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第2話 小犬は伝説の魔物フェンリルでした
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「ふぁ~あ」
布団から起き上がって目覚まし時計を確認する。
「あれ。はっや」
時間は朝の九時。
いつもの貴重な日曜は、鳴り響く目覚ましを何度も止めながら昼間に起きるっていうのに、今日は不思議と早く目が覚めた。
そして、ふと隣で眠る昨日まで居なかったものに目を向けた。
モフモフな小犬、フクマロだ。
「すー、すー……」
「ふふっ」
口をぽかーんと空けて眠るフクマロ。
その姿に思わず笑みがこぼれてしまう。
今日はフクマロの為に予定があるんだ。
だから早く目覚めたんだと思う。
フクマロの為にならなんでもしてあげたい。
生きる活力を失っていた俺は、やる気に満ち満ちていた。
「よし、起きろフクマロ! 朝ご飯作るぞ!」
「クゥン……。ワフッ!」
「ははっ。いい子だ」
俺の掛け声でフクマロはすぐに目覚める。
そうして、予定に合わせて身支度をした。
★
ピンポーン。
「ういーっす」
約束していた時間ぴったりに鳴ったチャイムに返事をして、扉を開ける。
こいつも、相変わらず時間管理が完璧だな。
「おっす」
入って来たのは俺の友達の『えりと』。
本名は『高歴えりと』だ。
今日の予定というのは、えりとを家に呼んでいたこと。
「悪いなえりと。急に呼んで」
「大丈夫だ。お前から連絡くるなんて珍しくてよ。物珍しさに来ちまった」
「ありがとな」
久しぶりながらの簡単な挨拶を交わして、居間に招く。
すると、早速フクマロが目に付いたらしいえりとが口を開いた。
「へえ。こいつが例の」
「ワフ?」
来客にフクマロも興味を示す。
舌を出しながら、ちょっと間抜けな顔で首を傾げた。
「そうなんだよ。何の魔物か分かるか?」
「……さあ。ここまでまんまの犬は初めてだな。ま、ちょっと待ってろって」
えりとはそう言うと、持ってきていたリュックをガサゴソと漁る。
俺が今日、えりとを家に呼んだ理由は一つ。
えりとにフクマロを見て欲しかったからだ。
えりとの本職はエンジニア。
それも、今では必需品となっている『魔物図鑑』を作る会社に勤めるエンジニアという、エリート中のエリートだ。
こいつと腐れ縁的な友達を続けていられるのは、本当に運が良いと思う。
ちなみに、魔物図鑑をくれたのもえりとだ。
俺はそんなえりとに、フクマロについて見てもらいたかった。
なぜなら、フクマロの正体が分からないから。
昨日、俺は魔物図鑑を使ってフクマロを観察した。
その時、フクマロが魔物であることは確認できたのだけど、データが『???』となっていたのだ。
後から調べると、この原因はフクマロが未知の魔物か、俺の魔物図鑑が古いか、どっちからしい。
だから今日はえりとを呼び、最新式の研究施設に使われるような魔物図鑑を持ってきてもらった。
「それが例の研究施設用か?」
「そうだ、かっけーだろ。俺も開発に関わったんだぜ?」
「まじかよ。やっぱすげえなお前」
「おいおい、素直に褒められたら照れるじゃねえか」
少し照れ臭いような会話をしながらも、えりとは準備を進めていく。
「じゃあ見るぜ」
「おう。頼む」
えりとは三脚カメラのように組み立てられた魔物図鑑のレンズから、フクマロを覗き見た。
「……!」
「どうだ?」
「……ちょっと待て。嘘だろ」
「?」
こいつがこんなに取り乱すのも珍しいな。
えりとは「信じられない」という顔で繰り返し図鑑を確認している。
やがて、えりとがこっちを見た。
「これ、まじ?」
「何がだ?」
だけど、どうやらえりとの様子がおかしい。
一体どんなデータが出たっていうのか。
「本物なのか……?」
「おいおい、そうもったいぶるなって。フクマロはこんなに可愛いんだぞ? そんなすごい魔物のわけが──」
「フェンリル」
「へ?」
俺の言葉を遮るように一言、えりとが呟いた。
「フェンリルだって言ったんだよ」
「へえ、フェンリルかあ。なるほど~……って、はああっ!? あのフェンリル!? ええっ!?」
「落ち着けやすひろ。今の瞬間に二回驚いてるぞ」
「これが落ち着いていられるか!」
「えぇ……」
なんだこいつ、みたいな顔をされたが関係ない。
俺は今、絶賛大仰天中なのだ。
フェンリル。
俺がたまに読むライトノベルの知識だと、ファンタジー系の作品によく出てくる大きなオオカミのような種族。
白くてモフモフな毛を持っていて、よく幻獣だとか神獣だとか言われている、気高く凛々しいイメージの神聖な生物だ。
「フクマロ……お前、フェンリルなのか?」
「ワフッ!」
尋ねると元気な返事をされる。
なんか会話が成立してるけど、やっぱりフクマロは理解しているのかな。
とにもかくにも、俺はえりとに疑問をぶつける。
「じゃあ俺の魔物図鑑でデータが『???』だったのは」
「ああ、おそらくこのクラスの魔物は載っていないんだろうな」
「なるほど……」
じゃあ傷の治りが早かったり、時々賢いと感じたのも、フクマロがすごい魔物だったからなのか。
「データも確認するか?」
「あ、うん」
えりとにフクマロのデータを見せてもらう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フェンリル
希少度:EX(規格外)
戦闘力:EX(規格外)
最難関ダンジョンの最下層で数件のみ確認されている魔物であり、生態は不明。
最大の武器である「速さ」を生かし、魔物すら気づかぬ間に首を狩り取る魔物の頂上たる種族。
またその強さに反して、白色のモフモフな毛並みは人々を癒す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「これは……」
「ワフ?」
「えりとが驚くのも分かるわ」
データとフクマロ、何度も視線を往復してしまう。
さっきのえりとの行動とまるで一緒だな。
「てか、いくつか良いか?」
「なんでも答えてやるぞ」
まずはその希少度。
これは“どれだけ珍しい魔物か”を示す指標だ。
ランクは順にE~A、その上にSがあったはず。
なのにおかしい。
「EXってなんだよ」
「隣に書いてあるだろ。規格外、つまり伝説のポケ……こほん、伝説の魔物だ」
「なるほど」
えりとの危うい発言で逆に分かりやすかった。
「データが少なすぎるんだ。どおりで、スマホ型の簡易魔物図鑑では出ないはずだ」
「そういうことか」
「ああ。EXは基本一般向けの図鑑には出ない。とは言え、俺も目にするのは初めてだけどな」
EXが一般向け図鑑に出ない理由は、情報が未確定だから、秘匿したい情報だからなど、様々あるらしい。
えりとが補足してくれた。
戦闘力については、文字通り「強さ」だろう。
それもEXとは……フクマロすげえ。
「じゃあガチなんだな」
「……ああ。信じ難い事実だが、この魔物図鑑は信用していい」
フェンリル。
この小さくて可愛いフクマロがフェンリル……。
「クゥン?」
そうして、俺がぼーっとフクマロを見ていると、何かを考え込んでいたえりとが口を開く。
「やすひろ。お前も配信者にならないか?」
布団から起き上がって目覚まし時計を確認する。
「あれ。はっや」
時間は朝の九時。
いつもの貴重な日曜は、鳴り響く目覚ましを何度も止めながら昼間に起きるっていうのに、今日は不思議と早く目が覚めた。
そして、ふと隣で眠る昨日まで居なかったものに目を向けた。
モフモフな小犬、フクマロだ。
「すー、すー……」
「ふふっ」
口をぽかーんと空けて眠るフクマロ。
その姿に思わず笑みがこぼれてしまう。
今日はフクマロの為に予定があるんだ。
だから早く目覚めたんだと思う。
フクマロの為にならなんでもしてあげたい。
生きる活力を失っていた俺は、やる気に満ち満ちていた。
「よし、起きろフクマロ! 朝ご飯作るぞ!」
「クゥン……。ワフッ!」
「ははっ。いい子だ」
俺の掛け声でフクマロはすぐに目覚める。
そうして、予定に合わせて身支度をした。
★
ピンポーン。
「ういーっす」
約束していた時間ぴったりに鳴ったチャイムに返事をして、扉を開ける。
こいつも、相変わらず時間管理が完璧だな。
「おっす」
入って来たのは俺の友達の『えりと』。
本名は『高歴えりと』だ。
今日の予定というのは、えりとを家に呼んでいたこと。
「悪いなえりと。急に呼んで」
「大丈夫だ。お前から連絡くるなんて珍しくてよ。物珍しさに来ちまった」
「ありがとな」
久しぶりながらの簡単な挨拶を交わして、居間に招く。
すると、早速フクマロが目に付いたらしいえりとが口を開いた。
「へえ。こいつが例の」
「ワフ?」
来客にフクマロも興味を示す。
舌を出しながら、ちょっと間抜けな顔で首を傾げた。
「そうなんだよ。何の魔物か分かるか?」
「……さあ。ここまでまんまの犬は初めてだな。ま、ちょっと待ってろって」
えりとはそう言うと、持ってきていたリュックをガサゴソと漁る。
俺が今日、えりとを家に呼んだ理由は一つ。
えりとにフクマロを見て欲しかったからだ。
えりとの本職はエンジニア。
それも、今では必需品となっている『魔物図鑑』を作る会社に勤めるエンジニアという、エリート中のエリートだ。
こいつと腐れ縁的な友達を続けていられるのは、本当に運が良いと思う。
ちなみに、魔物図鑑をくれたのもえりとだ。
俺はそんなえりとに、フクマロについて見てもらいたかった。
なぜなら、フクマロの正体が分からないから。
昨日、俺は魔物図鑑を使ってフクマロを観察した。
その時、フクマロが魔物であることは確認できたのだけど、データが『???』となっていたのだ。
後から調べると、この原因はフクマロが未知の魔物か、俺の魔物図鑑が古いか、どっちからしい。
だから今日はえりとを呼び、最新式の研究施設に使われるような魔物図鑑を持ってきてもらった。
「それが例の研究施設用か?」
「そうだ、かっけーだろ。俺も開発に関わったんだぜ?」
「まじかよ。やっぱすげえなお前」
「おいおい、素直に褒められたら照れるじゃねえか」
少し照れ臭いような会話をしながらも、えりとは準備を進めていく。
「じゃあ見るぜ」
「おう。頼む」
えりとは三脚カメラのように組み立てられた魔物図鑑のレンズから、フクマロを覗き見た。
「……!」
「どうだ?」
「……ちょっと待て。嘘だろ」
「?」
こいつがこんなに取り乱すのも珍しいな。
えりとは「信じられない」という顔で繰り返し図鑑を確認している。
やがて、えりとがこっちを見た。
「これ、まじ?」
「何がだ?」
だけど、どうやらえりとの様子がおかしい。
一体どんなデータが出たっていうのか。
「本物なのか……?」
「おいおい、そうもったいぶるなって。フクマロはこんなに可愛いんだぞ? そんなすごい魔物のわけが──」
「フェンリル」
「へ?」
俺の言葉を遮るように一言、えりとが呟いた。
「フェンリルだって言ったんだよ」
「へえ、フェンリルかあ。なるほど~……って、はああっ!? あのフェンリル!? ええっ!?」
「落ち着けやすひろ。今の瞬間に二回驚いてるぞ」
「これが落ち着いていられるか!」
「えぇ……」
なんだこいつ、みたいな顔をされたが関係ない。
俺は今、絶賛大仰天中なのだ。
フェンリル。
俺がたまに読むライトノベルの知識だと、ファンタジー系の作品によく出てくる大きなオオカミのような種族。
白くてモフモフな毛を持っていて、よく幻獣だとか神獣だとか言われている、気高く凛々しいイメージの神聖な生物だ。
「フクマロ……お前、フェンリルなのか?」
「ワフッ!」
尋ねると元気な返事をされる。
なんか会話が成立してるけど、やっぱりフクマロは理解しているのかな。
とにもかくにも、俺はえりとに疑問をぶつける。
「じゃあ俺の魔物図鑑でデータが『???』だったのは」
「ああ、おそらくこのクラスの魔物は載っていないんだろうな」
「なるほど……」
じゃあ傷の治りが早かったり、時々賢いと感じたのも、フクマロがすごい魔物だったからなのか。
「データも確認するか?」
「あ、うん」
えりとにフクマロのデータを見せてもらう。
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フェンリル
希少度:EX(規格外)
戦闘力:EX(規格外)
最難関ダンジョンの最下層で数件のみ確認されている魔物であり、生態は不明。
最大の武器である「速さ」を生かし、魔物すら気づかぬ間に首を狩り取る魔物の頂上たる種族。
またその強さに反して、白色のモフモフな毛並みは人々を癒す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「これは……」
「ワフ?」
「えりとが驚くのも分かるわ」
データとフクマロ、何度も視線を往復してしまう。
さっきのえりとの行動とまるで一緒だな。
「てか、いくつか良いか?」
「なんでも答えてやるぞ」
まずはその希少度。
これは“どれだけ珍しい魔物か”を示す指標だ。
ランクは順にE~A、その上にSがあったはず。
なのにおかしい。
「EXってなんだよ」
「隣に書いてあるだろ。規格外、つまり伝説のポケ……こほん、伝説の魔物だ」
「なるほど」
えりとの危うい発言で逆に分かりやすかった。
「データが少なすぎるんだ。どおりで、スマホ型の簡易魔物図鑑では出ないはずだ」
「そういうことか」
「ああ。EXは基本一般向けの図鑑には出ない。とは言え、俺も目にするのは初めてだけどな」
EXが一般向け図鑑に出ない理由は、情報が未確定だから、秘匿したい情報だからなど、様々あるらしい。
えりとが補足してくれた。
戦闘力については、文字通り「強さ」だろう。
それもEXとは……フクマロすげえ。
「じゃあガチなんだな」
「……ああ。信じ難い事実だが、この魔物図鑑は信用していい」
フェンリル。
この小さくて可愛いフクマロがフェンリル……。
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