2 / 83
1 恋人同士の熱いキス
しおりを挟む
彼がこの世界に帰ってきてくれた!私と一緒に。
こんなに嬉しかったことは今までにない。私達はいつものようにサンセット通りを歩いて自宅に帰った。ジェーンがあの世界でも付けっぱなしだったウォッフォンでドアの鍵を解除した。
リビングに戻ってくると、ジェーンがソファに過去世界から持ってきたものがたくさん詰まったバッグを置いた。あの世界、とても幻想的で、綺麗だった。実際にこの目で見られたのは、またと無い素晴らしい経験だった。
そんなことを考えながら私は、荷物を整理しているジェーンをソファのところに残して、洗面所へと向かった。
実は灯の雪原で濡れてしまった南国仕様の通気性抜群のブーツがまだ乾いていなくて、先に足をタオルで拭きたかったのだ。それに匂いだって、気になるし……。
あの世界で、彼は私に交際を申し出てくれた。今となっては私はジェーンと恋人になってしまっている。そのことが嬉しくもあり、恥ずかしくもある。だってジェーンは……もう私の、か、彼氏なのだ!
しかも人生初の恋人。
「ああああぁぁぁ……!」
濡れたブーツをお風呂場の床に置いて、一人悶えた。今日から恋人関係が始まる、しかもあのジェーンと。
ワクワクしているのか、興奮しているのか、私の身体の中が熱い。ソワソワして、その場でバタバタと足踏みしてしまった。
と、取り敢えず、やることをやらなくては!そう思って、洗面所の床に座り、靴下を脱いで、シンクの下の引き出しからタオルを取り出して足を拭いていると、洗面所のドアが勢いよく開いた。
振り返るとジェーンだった。間髪入れずに彼が私のそばにしゃがみ、私の肩を掴んでキスをしてきた。
「んんん!?」
「……んっ、キルディア、どうして私をリビングに置いて、ここにいますか?」
「ブーツが濡れてたからだよ……足を拭きたかった。」
「そうですか……。」
彼がまた私にキスをくれた。ちゅ、ちゅ、と卑猥な音が、白くて狭い部屋に響いている。そんなセクシーな状況に慣れていない私は、少し吹き出してしまった。するとジェーンがキスをするのをやめて、少し私を睨んだ。
「ごめんジェーン、変じゃ無いんだけど、ちょっとまだ慣れてなくて……、すぐに足を拭くからソファで待っていてよ。」
「足なら、私が拭いて差し上げます。そうでしたね、灯の雪原に来た時に濡れてしまったのですね、私が早く気づいていれば良かったのですが。」
「いいのいいの、自分で拭くから向こうで待ってて。」
しかしジェーンは私のそばに座ったまま、じっとこちらを見ている。ここで待つということなのだろうか?私は気になりつつもジェーンに背を向けて、タオルで足を拭いた。
すると背後から抱きしめられた。私のうなじに彼の唇の感触が当たって、くすぐったくて彼を振り払うように悶えていると、ジェーンが私の動きを押さえようと肩を掴んできた。
「ちょっと!まだ、待ってってば!」
「……嫌です。実を申さずとも理解して頂けていると推測しますが、私はずっとこの瞬間を待っておりました。もう私に忍耐力は残っておりません。故に、ここで行います。」
「え!?何を!?え!」
驚いた私は足を拭くのをやめて、振り返り、ジェーンのことを見た。すると何故かジェーンは両手で私の頭を掴み、私を前へと向けさせた。
そして彼は私の前へと移動してきた。またもや私の肩を掴むと、私のことを床に押し倒した。
って……本当にここでするの!?何を!?
「な、何をするの!?ジェーン!」
ジェーンは私の上に覆いかぶさり、私の耳にキスをしながら囁いた。
「何って、とても熱くて、恋人らしいことですよ。我々は恋人ですからね、何でもありです。」
「最初から何でもありではないと思うんだけど……。でも、あの動画みたいなことをするの?いつぞや見た、あの如何わしい動画みたいなこと。」
「ええ。今日がその初めての記念日となりますね、ふふ。」
ふふ、じゃ無いよ。こっちはいいって言ってないのに。しかもこんな場所で、こんな……まだシャワーだって浴びてないのに。
しかし彼は本当にここでするつもりらしく、私の首筋に何度もキスをしながら、片手で彼のベストのボタンを取り始めた。
その仕草はやばい。一気に顔が熱くなった。ほ、本当にするんだ。ついに、この時が来てしまったんだ。床の感触が硬いけど、でもこれはこれで興奮する……!
つい気になって、彼のお尻に手を置いてみた。そう言えば、これを撫でるのは初めてだった。いつだったか触って実験するって言ってたけど、別のゴタゴタで流れてしまったから……。
左手で鷲掴みするように彼のお尻を触ると、彼のキスが止まった。しかも謎に柔らかかった。男の人のお尻も柔らかいんだ。もっと好奇心が生まれた私は更に少し揉んでみた。するとジェーンが笑いを漏らした。
「ふふっ……結構、積極的ですね。」
「そ、そうかな。うん、気になったから。」
別にここは触られても、平気なのかな?ちょっとつまらない気もしてきた。
ならばと思い、私は優しく撫でることにした。彼のスラックスの素材がお尻の感触と合わさって、とても気持ちいい。それと撫でるようにしてから、ジェーンが腰を揺らすようになった。
「ど、どうしたの?ジェーン。」
彼が首から離れて私を見つめた。とても潤んだ瞳だったので私は絶句した。
「……キルディア、あまり撫でないで頂きたい。」
「どうして?」
「堪らなくなる。おかしくなりそうです。どうも思考が働かなくて、感覚に支配されています。あなたの力は決して激しいものではなく繊細で優しいものですが、どういう訳か、あなたの指先がとても強い刺激を私に与えています。特に、腰の奥の方に響くような……。」
ピンポーン
……
……
ピンポーン
私はジェーンを押して体を起こしてから、言った。
「二回も鳴らしてきた。出た方がいい。」
するとジェーンが頬が赤いまま眉を顰めた。
「おばか。この状態でどうして中断出来ますか!もっと私のお尻を触ってください。その先にある世界を確かめたくは無いのですか?今ならそれが実行出来る。あなたはあの激戦を、私のシースルーの先を見たいからと生き延びたのでしょう?もう我々の間には、一欠片の小石だって存在していないのですから!」
「わ、分かったよ、落ち着いて……!出ないよ、出ない。そうだよね、せっかくジェーンとこうして紆余曲折を乗り越えてさ……!」
「そうですとも、そうです。あなたは実に明瞭で正しい回答をしましたことを私が保証いたします。さあ今度は私があなたのお尻を触りますから。」
向かい合って座ったまま、宣言通りにジェーンが私のお尻を触っている。何だか、変な感じだ。
「なんか……カーゴパンツ越しだけど、ジェーンの手が熱く感じる。」
「あなたの全ての言葉が、たまりません。」
「え、そうなの?ああ……。」
とその時、ジェーンが私のお尻をギュッと強めに掴んだ。私は無意識に、「うあっ」と上擦った声を出してしまった。
ジェーンが目を丸くして私を見たと同時に、私のウォッフォンからサンプル二番の電子音が鳴った。
それは彼女からの着信を知らせるものだった。残念なことに玄関の前にいるのは、ソーライ研究所総務部のあの人みたいだ。私は苦笑いしながら、そのことをジェーンに伝えた。
「玄関にいるのはリンに違いない。一応電話には出てみるよ。その間はお願いだから何もしないでね?」
「はあ……仕方ありませんね。全く。」
ジェーンはため息を何度も放ちつつ、片膝を立ててシンクに寄り掛かった。私は正座で座り直してから彼女の着信に出た。
『もしもし!夜分遅くにごめんね!家にはもう帰ってるよね?でも中々出ないってことはもしかしてジェーンとふふっ……ウケるんですけど!』
「酷いよリン。確かに知っている顔同士がいちゃついているのを想像するのは耐えられない所業だけどさ……クラースさんとケイト先生とか。」
『分かる!二人は相性がいいとは言いつつもさ、二人とも職場の人間だからねー、なんていうかなんだろうね!もう家族みたいだもんね!想像したく無いって感じだよねー!』
「まあそう言ったら、あんたとラブ博士もだけどね。」
『ええ!?何言ってんの!?我々は美男美女カップルなんだから、それはもう想像するのだって逆に目の保養的な癒しを与えるに違いないのに!』
するとジェーンがいきなり私のウォッフォンをべしんと叩いて通話を消してしまった。その顔はかなりムッとしている。
「……話が長いです。相手の時間を無意味に奪うことこそ、この世の一番の罪です。大体、リンの目的は何でしょうか?私とキルディアがそういうことをしているのが耐えられないとでも、わざわざ言いに訪れたのでしょうか?そうならば何とくだらない人生でしょう。」
私はジェーンの隣に移動して、彼の太ももを宥めるように撫でた。
「落ち着いてよジェーン。時間ならいくらでもある。きっとリンはさ、我々がこの世界に帰ってきたから安心したんだけど、でも港は人でいっぱいだったから、遠慮して我々にあまり話しかけられなくて、でもやっぱり話し足りなくて、ここまで来ちゃったんじゃないかな。もう今夜はジェーンの為に時間使うから、ね?」
「そうでしょうか?彼女は港で騒がしく絡んできたではありませんか……しかし、あなたの仰ることも分かりました。彼女はそれでも話し足りなかったのでしょうね。では先程の続きを、今度はベッドで行いましょう。」
分かりましたって言って置きながらリンのことを流してて私は苦笑いした。
しかしまあ別に来週にだって研究所で会えるのだし、リンには悪いけど、折角この世界を選んでくれた恋人との時間をゆっくり過ごしたい。テレパシーでリンに謝ることにした。
私はゴクリと喉を鳴らしてから立ち上がった。ジェーンが私の手を引いて洗面所を出て行き、寝室へと入った。
そこにあるのはいつもと変わらない黒いベッドだが、今は何だか……こう言ってはなんだが、セクシャルな雰囲気だった。
私は隣に立っているジェーンに聞いた。
「で、やり方は知ってるの?」
ジェーンは真顔で答えた。
「基本的には存じ上げております。それ以上のことは二人で模索していくのがいいかと結論付けましたが……動画のように激しいものが好みですか?」
「いや、いやいや!」私は首をブンブン振った。「じっくりゆっくりと二人で模索していこう。それがいい、ね。それがいいよ!」
「ふふ、では寝そべってください。」
「え?」
「視覚から攻めます。」
お言葉に甘えて私はベッドに仰向けに寝た。すると妖美な微笑みをしたジェーンが私の太腿に跨ってきた。
ドキドキして眩暈がした。彼のベストはもうボタンが全部開いている。そんな状態は見たことない。
そして跨ったまま、彼は既に前が開いていたベストの奥にある、白いシャツのボタンをゆっくりと自分で取り始めた。私は体が熱くなった。
徐々に見えていく彼の肌……。私が瞬きを忘れているとジェーンが笑った。
「ふふ、キルディア。ボタンが全て取れてしまいました。ここからは、あなたが私を脱がせてください。」
「は、はい……!」
心臓がバクバク煩い。私は上半身を起こして、震える手先をどうにか誤魔化しながら、ジェーンのベストをゆっくり取ってあげた。
また目眩がした。興奮しすぎてクラクラするなんて、ドラマの世界だけの現象だと思っていた。
彼の光沢感のある白いシャツに触れると温かかった。私はそれを掴んだ。
こんなに嬉しかったことは今までにない。私達はいつものようにサンセット通りを歩いて自宅に帰った。ジェーンがあの世界でも付けっぱなしだったウォッフォンでドアの鍵を解除した。
リビングに戻ってくると、ジェーンがソファに過去世界から持ってきたものがたくさん詰まったバッグを置いた。あの世界、とても幻想的で、綺麗だった。実際にこの目で見られたのは、またと無い素晴らしい経験だった。
そんなことを考えながら私は、荷物を整理しているジェーンをソファのところに残して、洗面所へと向かった。
実は灯の雪原で濡れてしまった南国仕様の通気性抜群のブーツがまだ乾いていなくて、先に足をタオルで拭きたかったのだ。それに匂いだって、気になるし……。
あの世界で、彼は私に交際を申し出てくれた。今となっては私はジェーンと恋人になってしまっている。そのことが嬉しくもあり、恥ずかしくもある。だってジェーンは……もう私の、か、彼氏なのだ!
しかも人生初の恋人。
「ああああぁぁぁ……!」
濡れたブーツをお風呂場の床に置いて、一人悶えた。今日から恋人関係が始まる、しかもあのジェーンと。
ワクワクしているのか、興奮しているのか、私の身体の中が熱い。ソワソワして、その場でバタバタと足踏みしてしまった。
と、取り敢えず、やることをやらなくては!そう思って、洗面所の床に座り、靴下を脱いで、シンクの下の引き出しからタオルを取り出して足を拭いていると、洗面所のドアが勢いよく開いた。
振り返るとジェーンだった。間髪入れずに彼が私のそばにしゃがみ、私の肩を掴んでキスをしてきた。
「んんん!?」
「……んっ、キルディア、どうして私をリビングに置いて、ここにいますか?」
「ブーツが濡れてたからだよ……足を拭きたかった。」
「そうですか……。」
彼がまた私にキスをくれた。ちゅ、ちゅ、と卑猥な音が、白くて狭い部屋に響いている。そんなセクシーな状況に慣れていない私は、少し吹き出してしまった。するとジェーンがキスをするのをやめて、少し私を睨んだ。
「ごめんジェーン、変じゃ無いんだけど、ちょっとまだ慣れてなくて……、すぐに足を拭くからソファで待っていてよ。」
「足なら、私が拭いて差し上げます。そうでしたね、灯の雪原に来た時に濡れてしまったのですね、私が早く気づいていれば良かったのですが。」
「いいのいいの、自分で拭くから向こうで待ってて。」
しかしジェーンは私のそばに座ったまま、じっとこちらを見ている。ここで待つということなのだろうか?私は気になりつつもジェーンに背を向けて、タオルで足を拭いた。
すると背後から抱きしめられた。私のうなじに彼の唇の感触が当たって、くすぐったくて彼を振り払うように悶えていると、ジェーンが私の動きを押さえようと肩を掴んできた。
「ちょっと!まだ、待ってってば!」
「……嫌です。実を申さずとも理解して頂けていると推測しますが、私はずっとこの瞬間を待っておりました。もう私に忍耐力は残っておりません。故に、ここで行います。」
「え!?何を!?え!」
驚いた私は足を拭くのをやめて、振り返り、ジェーンのことを見た。すると何故かジェーンは両手で私の頭を掴み、私を前へと向けさせた。
そして彼は私の前へと移動してきた。またもや私の肩を掴むと、私のことを床に押し倒した。
って……本当にここでするの!?何を!?
「な、何をするの!?ジェーン!」
ジェーンは私の上に覆いかぶさり、私の耳にキスをしながら囁いた。
「何って、とても熱くて、恋人らしいことですよ。我々は恋人ですからね、何でもありです。」
「最初から何でもありではないと思うんだけど……。でも、あの動画みたいなことをするの?いつぞや見た、あの如何わしい動画みたいなこと。」
「ええ。今日がその初めての記念日となりますね、ふふ。」
ふふ、じゃ無いよ。こっちはいいって言ってないのに。しかもこんな場所で、こんな……まだシャワーだって浴びてないのに。
しかし彼は本当にここでするつもりらしく、私の首筋に何度もキスをしながら、片手で彼のベストのボタンを取り始めた。
その仕草はやばい。一気に顔が熱くなった。ほ、本当にするんだ。ついに、この時が来てしまったんだ。床の感触が硬いけど、でもこれはこれで興奮する……!
つい気になって、彼のお尻に手を置いてみた。そう言えば、これを撫でるのは初めてだった。いつだったか触って実験するって言ってたけど、別のゴタゴタで流れてしまったから……。
左手で鷲掴みするように彼のお尻を触ると、彼のキスが止まった。しかも謎に柔らかかった。男の人のお尻も柔らかいんだ。もっと好奇心が生まれた私は更に少し揉んでみた。するとジェーンが笑いを漏らした。
「ふふっ……結構、積極的ですね。」
「そ、そうかな。うん、気になったから。」
別にここは触られても、平気なのかな?ちょっとつまらない気もしてきた。
ならばと思い、私は優しく撫でることにした。彼のスラックスの素材がお尻の感触と合わさって、とても気持ちいい。それと撫でるようにしてから、ジェーンが腰を揺らすようになった。
「ど、どうしたの?ジェーン。」
彼が首から離れて私を見つめた。とても潤んだ瞳だったので私は絶句した。
「……キルディア、あまり撫でないで頂きたい。」
「どうして?」
「堪らなくなる。おかしくなりそうです。どうも思考が働かなくて、感覚に支配されています。あなたの力は決して激しいものではなく繊細で優しいものですが、どういう訳か、あなたの指先がとても強い刺激を私に与えています。特に、腰の奥の方に響くような……。」
ピンポーン
……
……
ピンポーン
私はジェーンを押して体を起こしてから、言った。
「二回も鳴らしてきた。出た方がいい。」
するとジェーンが頬が赤いまま眉を顰めた。
「おばか。この状態でどうして中断出来ますか!もっと私のお尻を触ってください。その先にある世界を確かめたくは無いのですか?今ならそれが実行出来る。あなたはあの激戦を、私のシースルーの先を見たいからと生き延びたのでしょう?もう我々の間には、一欠片の小石だって存在していないのですから!」
「わ、分かったよ、落ち着いて……!出ないよ、出ない。そうだよね、せっかくジェーンとこうして紆余曲折を乗り越えてさ……!」
「そうですとも、そうです。あなたは実に明瞭で正しい回答をしましたことを私が保証いたします。さあ今度は私があなたのお尻を触りますから。」
向かい合って座ったまま、宣言通りにジェーンが私のお尻を触っている。何だか、変な感じだ。
「なんか……カーゴパンツ越しだけど、ジェーンの手が熱く感じる。」
「あなたの全ての言葉が、たまりません。」
「え、そうなの?ああ……。」
とその時、ジェーンが私のお尻をギュッと強めに掴んだ。私は無意識に、「うあっ」と上擦った声を出してしまった。
ジェーンが目を丸くして私を見たと同時に、私のウォッフォンからサンプル二番の電子音が鳴った。
それは彼女からの着信を知らせるものだった。残念なことに玄関の前にいるのは、ソーライ研究所総務部のあの人みたいだ。私は苦笑いしながら、そのことをジェーンに伝えた。
「玄関にいるのはリンに違いない。一応電話には出てみるよ。その間はお願いだから何もしないでね?」
「はあ……仕方ありませんね。全く。」
ジェーンはため息を何度も放ちつつ、片膝を立ててシンクに寄り掛かった。私は正座で座り直してから彼女の着信に出た。
『もしもし!夜分遅くにごめんね!家にはもう帰ってるよね?でも中々出ないってことはもしかしてジェーンとふふっ……ウケるんですけど!』
「酷いよリン。確かに知っている顔同士がいちゃついているのを想像するのは耐えられない所業だけどさ……クラースさんとケイト先生とか。」
『分かる!二人は相性がいいとは言いつつもさ、二人とも職場の人間だからねー、なんていうかなんだろうね!もう家族みたいだもんね!想像したく無いって感じだよねー!』
「まあそう言ったら、あんたとラブ博士もだけどね。」
『ええ!?何言ってんの!?我々は美男美女カップルなんだから、それはもう想像するのだって逆に目の保養的な癒しを与えるに違いないのに!』
するとジェーンがいきなり私のウォッフォンをべしんと叩いて通話を消してしまった。その顔はかなりムッとしている。
「……話が長いです。相手の時間を無意味に奪うことこそ、この世の一番の罪です。大体、リンの目的は何でしょうか?私とキルディアがそういうことをしているのが耐えられないとでも、わざわざ言いに訪れたのでしょうか?そうならば何とくだらない人生でしょう。」
私はジェーンの隣に移動して、彼の太ももを宥めるように撫でた。
「落ち着いてよジェーン。時間ならいくらでもある。きっとリンはさ、我々がこの世界に帰ってきたから安心したんだけど、でも港は人でいっぱいだったから、遠慮して我々にあまり話しかけられなくて、でもやっぱり話し足りなくて、ここまで来ちゃったんじゃないかな。もう今夜はジェーンの為に時間使うから、ね?」
「そうでしょうか?彼女は港で騒がしく絡んできたではありませんか……しかし、あなたの仰ることも分かりました。彼女はそれでも話し足りなかったのでしょうね。では先程の続きを、今度はベッドで行いましょう。」
分かりましたって言って置きながらリンのことを流してて私は苦笑いした。
しかしまあ別に来週にだって研究所で会えるのだし、リンには悪いけど、折角この世界を選んでくれた恋人との時間をゆっくり過ごしたい。テレパシーでリンに謝ることにした。
私はゴクリと喉を鳴らしてから立ち上がった。ジェーンが私の手を引いて洗面所を出て行き、寝室へと入った。
そこにあるのはいつもと変わらない黒いベッドだが、今は何だか……こう言ってはなんだが、セクシャルな雰囲気だった。
私は隣に立っているジェーンに聞いた。
「で、やり方は知ってるの?」
ジェーンは真顔で答えた。
「基本的には存じ上げております。それ以上のことは二人で模索していくのがいいかと結論付けましたが……動画のように激しいものが好みですか?」
「いや、いやいや!」私は首をブンブン振った。「じっくりゆっくりと二人で模索していこう。それがいい、ね。それがいいよ!」
「ふふ、では寝そべってください。」
「え?」
「視覚から攻めます。」
お言葉に甘えて私はベッドに仰向けに寝た。すると妖美な微笑みをしたジェーンが私の太腿に跨ってきた。
ドキドキして眩暈がした。彼のベストはもうボタンが全部開いている。そんな状態は見たことない。
そして跨ったまま、彼は既に前が開いていたベストの奥にある、白いシャツのボタンをゆっくりと自分で取り始めた。私は体が熱くなった。
徐々に見えていく彼の肌……。私が瞬きを忘れているとジェーンが笑った。
「ふふ、キルディア。ボタンが全て取れてしまいました。ここからは、あなたが私を脱がせてください。」
「は、はい……!」
心臓がバクバク煩い。私は上半身を起こして、震える手先をどうにか誤魔化しながら、ジェーンのベストをゆっくり取ってあげた。
また目眩がした。興奮しすぎてクラクラするなんて、ドラマの世界だけの現象だと思っていた。
彼の光沢感のある白いシャツに触れると温かかった。私はそれを掴んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる