111 / 253
ギルバート騎士団長を探せ編
111 ギルバートの本名?
しおりを挟む
「でもリンって、確かギルバート騎士団長が好きって言ってたよね。」
リンは両手を組んで、目をパチパチと輝かせながら答えた。
「ギル様は憧れなの!ああ、ギル様に会えるなら、その手を繋げるなら、私は何でもするわ!初めて会ったあの日、あの幻想的な空気を吸い込んだ私は、優しいため息しかつけなくなった。何度でも言うけれど、彼の為なら何でもする。考えていたらドキドキしてきた……!ギル様って何が好きなんだろう。ギル様って、なんて言う名字なんだろう。」
名字ねえ、私はPCを操作しながら答えた。
「うーん、確かカガリだったよね。」
「え?」
「ん?……え?」
リンが私のことをぽかんとした表情で見ていた。その瞳には先程のような輝きはない。
「キリー、何で知ってるの?」
私がギクッとしてしまった。この話題はすべきものでは無かった。確かに、ギルバート騎士団長は、名字を公開していないのだから。
「……え、いや。あの、士官学校でね、ちょっとお会いしたことがあるから。」
「士官学校で、ですか……ほお」ジェーンが腕を組んで、私を見下ろしている。「ギルバート騎士団長の名字をご存知でしたか?ならば彼のミドルネームは何でしょう?」
「それは知らない、本当に知らない。カガリも実は、別の人だったかも。ごめん。余計なこと言った。」
「余計なこと?それって誰にとって余計なの?ねえキリー、ねえキリー!」
リンが思いっきり私の首を絞めてきた。
「ぐっええ!」
「ちょっと待って、ねえ本当のこと言ってよ!本当のこと……ねえねえ!」
「お、落ち着い……グエエ」
「ねえ、もしかしてキリーって、ギルバート騎士団長のこと知ってるんじゃないの!?親しいんじゃないの!?今から嘘ついたら、ロビーの窓から崖下に落とすからね!この研究所は岸壁に作られてるんだ!そうしたらキリーなんかすぐに海の藻屑だよ!」
「待って……ぐるじい」
何故かジェーンが助けてくれない。仕方ないので、私はちょっと力を入れて、リンの手から逃げた。この話題、本当にしたくないのに。ところが、リンとジェーンは私を睨んで立っている。ジェーンは眼鏡を中指で上げて、私に質問した。
「どうやら、あなたがギルバート騎士団長をご存知であることは、事実のようですね。では何故黙っていたのでしょうか?ライネット博士を始めとし、我々全員が彼を探していたと言うのに。火山の時も、ヴィノクールの時も、彼に連絡すれば、事足りたと言うのに。」
「ごめん……。」私は頭を下げた。「彼の事を知っている。でも、彼が今どこに居るとか、そう言うのは知らないんだ。連絡しようが無い。もうだいぶ、会っていないから。」
「てか、頻繁に会ってたの?どれくらい親しいの?ちゃんと話してよ……!ギルバート騎士団長と、どこで出会ったの?」
どう説明すればいい?言いたいくないけど、話さないと、リン達は納得しないだろう。私は迷いながら答えた。
「……ギルドの本部が帝都にある。そこで会ったことがある。それと士官学校。それから……小さい頃通っていた剣術道場。」
「うおおおおおおお!」
リンが奇声をあげながら、私に向かって突進してきた。私は咄嗟に彼女の両肩を掴んで、食い止めた。何故タックルする……。
「そんなのほぼ幼馴染じゃねえか!何故黙ってたぁぁぁぁぁ!」
「ご、ごめんなさい!だって、あまり言わないでって言われたから……!本当にごめん!」
ジェーンのことをチラッと見ると、彼はドライアイスの煙が出そうな程に、冷え切った視線をこちらに向けていた。そうだよね、黙っていたから、怒るのは分かる……。
リンが急に落ち着いて、私に聞いた。
「え……?もしかしてさあ、キリー、ギルバート騎士団長と、恋愛関係に会ったりするの?彼のことが好きだから、私はずっと待ってる的な。だから合コンとかも行かないの?」
「そんなこと……!違うって、リン。」
ジェーンの表情が更に険しくなった。
「そ、そうなのですか?先程からの煮え切らない態度、確かにリンの言い分には、一理あるように見えますが。」
「ねえキリー、」リンが冷たい声で聞いた。「これだけ教えて。ギルバート騎士団長の出身ってどこなの?」
私は正直に答えた。
「インジアビス。」
「それは」ジェーンが反応した。「昔で言う、深淵の地という場所ですね。ここよりも更に地下に存在している、一年中、日の光の差さない暗い地域。そこに順応した人間は変異を起こし、魔族と呼ばれる生き物になった。その魔族が主に住んでいる地域ですか?」
私は答えた。
「そうだね。」
そしてリンがまた、私に聞いた。
「そっか、じゃあキリーって出身はどこなの?」
「……帝都。」
「あ!今嘘ついた!帝都出身なら、帝都のことを城下って言います~!本当はどこなの?」
「……インジアビス。」
「おや、そうでしたか。私には一人も友人が居ないと仰っておりましたが、蓋を開けてみれば、そこには幼馴染がいた。それは……私に嘘をついたということになりますが。」
だったら、ジェーンだって友達が居ないと言っておきながら、イオリさんが居たじゃないか。まあ彼は、ジェーンを利用したから良い人じゃないんだろうけれど。私がギルバート騎士団長のことを黙っていたのは、確かに嘘だった。つくべき嘘でも無い。だが、これ以上のことは今はどうしても言えない。
リンとジェーンが同時にため息をついて、目を合わせた。次に私を見たが、そのどちらも私のことを軽蔑するような目で見てきた。
「キリー、ギルバート騎士団長が大切な人だったのなら、合コンはまた今度でいいや。ってか、これからも別の人を誘うね。今までしつこくしてごめん。じゃあ、業務に戻りまーす……。」
リンが足早にオフィスから出て行ってしまった。静かになったオフィスで、ジェーンが口を開いた。
「そうでしたか……なるほど。大変申し訳ございませんが、グレン研究所から頂いた設計案を熟考したいので、今日は研究室で業務を行います。そうすれば、あなたのくだらない重ね重ねの虚言を聞かなくて済みます。」
「ジェーン!ごめんなさい!」
私は頭を下げた。彼は静かな声で言った。
「……正直、見損ないました。これ以上、偽りの無いことを願うばかりです。それでは。」
ジェーンはオフィスから出て行った。本当に彼らにも、皆にも申し訳ないことをした。今まで築いていた信頼の柱は、いとも簡単に粉々に崩れてしまった。私は涙を腕で拭いて、ソファで一人頭を抱えた。
リンは両手を組んで、目をパチパチと輝かせながら答えた。
「ギル様は憧れなの!ああ、ギル様に会えるなら、その手を繋げるなら、私は何でもするわ!初めて会ったあの日、あの幻想的な空気を吸い込んだ私は、優しいため息しかつけなくなった。何度でも言うけれど、彼の為なら何でもする。考えていたらドキドキしてきた……!ギル様って何が好きなんだろう。ギル様って、なんて言う名字なんだろう。」
名字ねえ、私はPCを操作しながら答えた。
「うーん、確かカガリだったよね。」
「え?」
「ん?……え?」
リンが私のことをぽかんとした表情で見ていた。その瞳には先程のような輝きはない。
「キリー、何で知ってるの?」
私がギクッとしてしまった。この話題はすべきものでは無かった。確かに、ギルバート騎士団長は、名字を公開していないのだから。
「……え、いや。あの、士官学校でね、ちょっとお会いしたことがあるから。」
「士官学校で、ですか……ほお」ジェーンが腕を組んで、私を見下ろしている。「ギルバート騎士団長の名字をご存知でしたか?ならば彼のミドルネームは何でしょう?」
「それは知らない、本当に知らない。カガリも実は、別の人だったかも。ごめん。余計なこと言った。」
「余計なこと?それって誰にとって余計なの?ねえキリー、ねえキリー!」
リンが思いっきり私の首を絞めてきた。
「ぐっええ!」
「ちょっと待って、ねえ本当のこと言ってよ!本当のこと……ねえねえ!」
「お、落ち着い……グエエ」
「ねえ、もしかしてキリーって、ギルバート騎士団長のこと知ってるんじゃないの!?親しいんじゃないの!?今から嘘ついたら、ロビーの窓から崖下に落とすからね!この研究所は岸壁に作られてるんだ!そうしたらキリーなんかすぐに海の藻屑だよ!」
「待って……ぐるじい」
何故かジェーンが助けてくれない。仕方ないので、私はちょっと力を入れて、リンの手から逃げた。この話題、本当にしたくないのに。ところが、リンとジェーンは私を睨んで立っている。ジェーンは眼鏡を中指で上げて、私に質問した。
「どうやら、あなたがギルバート騎士団長をご存知であることは、事実のようですね。では何故黙っていたのでしょうか?ライネット博士を始めとし、我々全員が彼を探していたと言うのに。火山の時も、ヴィノクールの時も、彼に連絡すれば、事足りたと言うのに。」
「ごめん……。」私は頭を下げた。「彼の事を知っている。でも、彼が今どこに居るとか、そう言うのは知らないんだ。連絡しようが無い。もうだいぶ、会っていないから。」
「てか、頻繁に会ってたの?どれくらい親しいの?ちゃんと話してよ……!ギルバート騎士団長と、どこで出会ったの?」
どう説明すればいい?言いたいくないけど、話さないと、リン達は納得しないだろう。私は迷いながら答えた。
「……ギルドの本部が帝都にある。そこで会ったことがある。それと士官学校。それから……小さい頃通っていた剣術道場。」
「うおおおおおおお!」
リンが奇声をあげながら、私に向かって突進してきた。私は咄嗟に彼女の両肩を掴んで、食い止めた。何故タックルする……。
「そんなのほぼ幼馴染じゃねえか!何故黙ってたぁぁぁぁぁ!」
「ご、ごめんなさい!だって、あまり言わないでって言われたから……!本当にごめん!」
ジェーンのことをチラッと見ると、彼はドライアイスの煙が出そうな程に、冷え切った視線をこちらに向けていた。そうだよね、黙っていたから、怒るのは分かる……。
リンが急に落ち着いて、私に聞いた。
「え……?もしかしてさあ、キリー、ギルバート騎士団長と、恋愛関係に会ったりするの?彼のことが好きだから、私はずっと待ってる的な。だから合コンとかも行かないの?」
「そんなこと……!違うって、リン。」
ジェーンの表情が更に険しくなった。
「そ、そうなのですか?先程からの煮え切らない態度、確かにリンの言い分には、一理あるように見えますが。」
「ねえキリー、」リンが冷たい声で聞いた。「これだけ教えて。ギルバート騎士団長の出身ってどこなの?」
私は正直に答えた。
「インジアビス。」
「それは」ジェーンが反応した。「昔で言う、深淵の地という場所ですね。ここよりも更に地下に存在している、一年中、日の光の差さない暗い地域。そこに順応した人間は変異を起こし、魔族と呼ばれる生き物になった。その魔族が主に住んでいる地域ですか?」
私は答えた。
「そうだね。」
そしてリンがまた、私に聞いた。
「そっか、じゃあキリーって出身はどこなの?」
「……帝都。」
「あ!今嘘ついた!帝都出身なら、帝都のことを城下って言います~!本当はどこなの?」
「……インジアビス。」
「おや、そうでしたか。私には一人も友人が居ないと仰っておりましたが、蓋を開けてみれば、そこには幼馴染がいた。それは……私に嘘をついたということになりますが。」
だったら、ジェーンだって友達が居ないと言っておきながら、イオリさんが居たじゃないか。まあ彼は、ジェーンを利用したから良い人じゃないんだろうけれど。私がギルバート騎士団長のことを黙っていたのは、確かに嘘だった。つくべき嘘でも無い。だが、これ以上のことは今はどうしても言えない。
リンとジェーンが同時にため息をついて、目を合わせた。次に私を見たが、そのどちらも私のことを軽蔑するような目で見てきた。
「キリー、ギルバート騎士団長が大切な人だったのなら、合コンはまた今度でいいや。ってか、これからも別の人を誘うね。今までしつこくしてごめん。じゃあ、業務に戻りまーす……。」
リンが足早にオフィスから出て行ってしまった。静かになったオフィスで、ジェーンが口を開いた。
「そうでしたか……なるほど。大変申し訳ございませんが、グレン研究所から頂いた設計案を熟考したいので、今日は研究室で業務を行います。そうすれば、あなたのくだらない重ね重ねの虚言を聞かなくて済みます。」
「ジェーン!ごめんなさい!」
私は頭を下げた。彼は静かな声で言った。
「……正直、見損ないました。これ以上、偽りの無いことを願うばかりです。それでは。」
ジェーンはオフィスから出て行った。本当に彼らにも、皆にも申し訳ないことをした。今まで築いていた信頼の柱は、いとも簡単に粉々に崩れてしまった。私は涙を腕で拭いて、ソファで一人頭を抱えた。
0
あなたにおすすめの小説
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
お嬢様と執事は、その箱に夢を見る。
雪桜
恋愛
✨ 第6回comicoお題チャレンジ『空』受賞作
阿須加家のお嬢様である結月は、親に虐げられていた。裕福でありながら自由はなく、まるで人形のように生きる日々…
だが、そんな結月の元に、新しく執事がやってくる。背が高く整った顔立ちをした彼は、まさに非の打ち所のない完璧な執事。
だが、その執事の正体は、なんと結月の『恋人』だった。レオが執事になって戻ってきたのは、結月を救うため。だけど、そんなレオの記憶を、結月は全て失っていた。
これは、記憶をなくしたお嬢様と、恋人に忘れられてしまった執事が、二度目の恋を始める話。
「お嬢様、私を愛してください」
「……え?」
好きだとバレたら即刻解雇の屋敷の中、レオの愛は、再び、結月に届くのか?
一度結ばれたはずの二人が、今度は立場を変えて恋をする。溺愛執事×箱入りお嬢様の甘く切ない純愛ストーリー。
✣✣✣
カクヨムにて完結済みです。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※第6回comicoお題チャレンジ『空』の受賞作ですが、著作などの権利は全て戻ってきております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる