243 / 253
時を超えていけ!フィナーレ編
243 選択と行動
しおりを挟む
次の日、クラースさんの船が七つの孤島の一つ目の島に到着した。その船にはクラースさんは勿論、私とジェーンと、完成した時空間歪曲機が乗っけられていた。
ここは海賊の秘宝がある島だ。そのエリアの横の海を移動しているときに、クラースさんが金貨の山を発見して興奮してしまったが、訳を話すとガッカリした様子になり、私とジェーンは笑った。
船を島につけると、我々は力を合わせて三人で卵形の機械を運んで、少し広めの砂浜に、その機械を置いた。
「ここでいいかな……。」
ジェーンが額の汗をシャツの袖で拭いながら言った。
「ええ、ここで結構です。キルディア、クラース、本当にあなた達にはお世話になりました。」
しかしクラースさんはいい顔をしなかった。
「帰っても、今度は奥方を泣かせるようなことをするなよ、ジェーン。」
ジェーンは苦笑いをした。
「その保証は出来ません。さて、とうとう、ここまで来ましたね。」
ジェーンが機械に肘を置いて、きらめく青い海を眺めている。私はどついた。
「いいから早く帰りなよ。クラースさんがケイト先生に無断で、船を出しているんだから、時間が無い。バレたらどうするの!」
「そうだった……」クラースさんが思い出したようで狼狽えた。「俺はちょっと船に戻るから……うん、ジェーン、達者でな。」
クラースさんとジェーンがハグをした。最後の別れと言うこともあり、相手を惜しむような、いつもよりも熱いハグだった。それが終わると、クラースさんは船に向かって、砂浜を歩いて行った。ジェーンは私を見た。
「さて、あなたですが……。」
「ん?」
もう、別れの言葉など必要ない。私のポケットにはあのポエムだって、スーパーボールだってある。もうそれで十分だよ。ハグなんていらない。だってそれがもう一度したくなったとしても、もう二度とジェーンの温もりは手に入らないんだから。
ここ最近、トイレとお友達になったおかげで、結構痩せた。その痩せた私を見て、この人は楽しいんだろうか。だから微笑んでいるのだろうか。するとジェーンが、何か口をパクパク動かしているのに気付いた。
「ん?何それ?」
また口をパクパクと動かしている。何か伝えたいようだが、そんなことをするなら言えばいいのに。どうしていちいち、彼は一筋縄ではいかないのだろう。私は彼が何を伝えたいのか、口の動きをよく見た。
き……?き……?
(キスをしませんか?)
だった。私は大きくため息をついた。
「いいや、出来ないよ。そんなことをしたら……と、兎に角、出来ない。ごめんねジェーン。」
ジェーンがショボンとして、俯いた。
「そうですか……分かりました。」
ああ、永久の別れが近い。これさえ乗り切れば、もしかしたら、すっきりするかもしれない。今は辛いが、それは彼がまだ、ここに居るからなのだ。彼さえ帰ってしまえば……ああ、保証はないけれど。
「元気でね、どこに行っても、体調に気をつけて。」
「はい。キルディア、今まで、本当にありがとうございました。」
「いえいえ。」
私が手を振ると、ジェーンも手を振って機械に向かって歩いた。もし、今、彼の腕を引っ張って、やっぱり帰るな、なんて駄々を捏ねたらどうだろうか?きっと、彼のことだ。冷静に、私を説得して、帰るに違いない。
ジェーンがもう一度私に向かって手を振り、時空間歪曲機に乗った。扉を閉めて、操縦席に座った。機械は卵形の半分が、透明になっており、中の様子が見える。手慣れた様子で、ボタンやレバーを操作している。これが見納めなのか。何だか、まだ実感が湧かないよ。
ジェーンがもう一度、こちらを見た。それだけで嬉しかった。私が手を振ろうとしたその時、物凄い爆風が時空間歪曲機の下から吹き荒れて、辺りに砂埃が舞い散った。
籠ったような爆発音が聞こえたが、砂煙のせいで前が見えない。意味あるのか知らないけど、手でどうにか砂を仰いでいると、砂が落ち着いて来た。砂霧の晴れた先、そこに機械は無かった。ジェーンが、消えていた。
青く透き通った空、波の音。潮のそよ風、船の休む音。この瞬間に、大切な、心から大切だった彼が、死んでいることが確定した。
厳密には向こうの世界で、まだ生き続けているのかもしれない。でも、もうこの時代には、何処をどれだけ探しても彼は居ない。遥か昔に、彼は土に還ってしまったのだ。
全身の力が抜けて、私は砂の上に膝から崩れ落ちた。本当に正しかったのか?本当に騎士の価値観を守り抜いたことが、正しかったのか?最後の最後まで、彼は私とスキンシップを取ることを、望んでいたのに、正義感を盾にして、遠ざけて、彼は帰ってしまった。
後悔しないと思っていた。馬鹿だった。会いたい。もう一度だけ、彼のあの無表情を見たい。そうなるに決まっていたのに、私は、最後の最後で、キスも出来なかった。
いつもと変わらない景色、いつもと変わらない世界なのに、私の心には思った以上の穴が、空いてしまったようだ。その穴がとても痛い。私は振り向くと、きらめく海に向かって歩き始めた。瞳からは涙がポロポロと溢れているが、もう構いやしない。
波のきらめきは、私に何を伝えたい?無が広がっている。どうしても、どうしても、彼のことを考えてしまう。彼に会いたい、ただ、会いたい。
サラサラの髪の毛を、もう一度触りたい、櫛でとかしてやりたい。システムのアナウンスのような、淡々とした、あの低い声を聞きたい。海風のように爽やかな、あの香りが恋しい。触れたい。あの大きな手に、頬に、触れたい。
初めて、自分は女なのだと思えた。恋をしていたのだ、あの人を愛していた。もう、この喪失感は、何物にも例えられなかった。私は手で、涙を吹いた。
その手が、私の涙を拭いてくれたのが、ジェーンが作ってくれた、ナイトアームだった。腕のラインに、キラリと、彼が存在していた証が、光った。
「う、うわああああああっ!あああああああ!」
私は大声を出して泣いた。もう彼はこの世界に居ないのに、ここに、私の腕に、彼が存在している。
もう一度、ジェーンに会いたかった。価値観なんか、捨てればよかった。もっと、もっと素直に、駄々を捏ねて、彼を食い止めれば良かった。私は波打ち際で、海に向かって、嗚咽を漏らした。
何故私は、黙って彼を見送った?もう二度と、彼に会えなくなることは分かっていたのに。どうして黙って、彼が帰るのを見守っていたんだ。涙で何も見えない。泣きすぎて喉が痛い。
すると、私の肩を誰かが抱いた。クラースさんだった。そのまま、力強く私のことをハグしてくれて、それがまた、私に涙させた。
「どうしよう、クラースさん、ジェーンに会いたいよ……!」
「俺は、あいつを絶対に許さないぞ。お前に、こんな酷い哀しさを与えて、平気な顔して、しれっと帰ったんだ。絶対に許さない!なあ、」
クラースさんが私の肩を掴んで、頬に流れる涙を、彼が太い指で拭いてくれた。私もカーディガンの袖で涙を拭いた。クラースさんは、真剣な顔をしていた。
「俺は思うんだが、お前が居るべきなのは、この世界ではないんじゃないか?」
「どう言うこと?」
「方法なんぞ俺が知っている訳が無い。でも、ジェーンに会いたいんだろう?」
私が過去の世界に行く?想像したことも無いし、それはパラドックスへの影響があるから、避けるべきだろうが……でも、もう一度会いたかった。呆れられてもいいから、ちゃんと自分の気持ちを、彼に伝えたかった。
私は、何度か頷いた。するとクラースさんも、何度も頷いた。
「そうか、なら、チェイスに会いに行こう。あいつなら、方法を知っている。」
「そ、そっか。いけるかな?」
「いけるさ。多分。」
「なら……そうだね。今からどれくらいかかるか、分からないけど、それをやってみたい。」
「よし、すぐに行ってみよう。」
私達は、チェイスに会いに行くことに決めた。
ここは海賊の秘宝がある島だ。そのエリアの横の海を移動しているときに、クラースさんが金貨の山を発見して興奮してしまったが、訳を話すとガッカリした様子になり、私とジェーンは笑った。
船を島につけると、我々は力を合わせて三人で卵形の機械を運んで、少し広めの砂浜に、その機械を置いた。
「ここでいいかな……。」
ジェーンが額の汗をシャツの袖で拭いながら言った。
「ええ、ここで結構です。キルディア、クラース、本当にあなた達にはお世話になりました。」
しかしクラースさんはいい顔をしなかった。
「帰っても、今度は奥方を泣かせるようなことをするなよ、ジェーン。」
ジェーンは苦笑いをした。
「その保証は出来ません。さて、とうとう、ここまで来ましたね。」
ジェーンが機械に肘を置いて、きらめく青い海を眺めている。私はどついた。
「いいから早く帰りなよ。クラースさんがケイト先生に無断で、船を出しているんだから、時間が無い。バレたらどうするの!」
「そうだった……」クラースさんが思い出したようで狼狽えた。「俺はちょっと船に戻るから……うん、ジェーン、達者でな。」
クラースさんとジェーンがハグをした。最後の別れと言うこともあり、相手を惜しむような、いつもよりも熱いハグだった。それが終わると、クラースさんは船に向かって、砂浜を歩いて行った。ジェーンは私を見た。
「さて、あなたですが……。」
「ん?」
もう、別れの言葉など必要ない。私のポケットにはあのポエムだって、スーパーボールだってある。もうそれで十分だよ。ハグなんていらない。だってそれがもう一度したくなったとしても、もう二度とジェーンの温もりは手に入らないんだから。
ここ最近、トイレとお友達になったおかげで、結構痩せた。その痩せた私を見て、この人は楽しいんだろうか。だから微笑んでいるのだろうか。するとジェーンが、何か口をパクパク動かしているのに気付いた。
「ん?何それ?」
また口をパクパクと動かしている。何か伝えたいようだが、そんなことをするなら言えばいいのに。どうしていちいち、彼は一筋縄ではいかないのだろう。私は彼が何を伝えたいのか、口の動きをよく見た。
き……?き……?
(キスをしませんか?)
だった。私は大きくため息をついた。
「いいや、出来ないよ。そんなことをしたら……と、兎に角、出来ない。ごめんねジェーン。」
ジェーンがショボンとして、俯いた。
「そうですか……分かりました。」
ああ、永久の別れが近い。これさえ乗り切れば、もしかしたら、すっきりするかもしれない。今は辛いが、それは彼がまだ、ここに居るからなのだ。彼さえ帰ってしまえば……ああ、保証はないけれど。
「元気でね、どこに行っても、体調に気をつけて。」
「はい。キルディア、今まで、本当にありがとうございました。」
「いえいえ。」
私が手を振ると、ジェーンも手を振って機械に向かって歩いた。もし、今、彼の腕を引っ張って、やっぱり帰るな、なんて駄々を捏ねたらどうだろうか?きっと、彼のことだ。冷静に、私を説得して、帰るに違いない。
ジェーンがもう一度私に向かって手を振り、時空間歪曲機に乗った。扉を閉めて、操縦席に座った。機械は卵形の半分が、透明になっており、中の様子が見える。手慣れた様子で、ボタンやレバーを操作している。これが見納めなのか。何だか、まだ実感が湧かないよ。
ジェーンがもう一度、こちらを見た。それだけで嬉しかった。私が手を振ろうとしたその時、物凄い爆風が時空間歪曲機の下から吹き荒れて、辺りに砂埃が舞い散った。
籠ったような爆発音が聞こえたが、砂煙のせいで前が見えない。意味あるのか知らないけど、手でどうにか砂を仰いでいると、砂が落ち着いて来た。砂霧の晴れた先、そこに機械は無かった。ジェーンが、消えていた。
青く透き通った空、波の音。潮のそよ風、船の休む音。この瞬間に、大切な、心から大切だった彼が、死んでいることが確定した。
厳密には向こうの世界で、まだ生き続けているのかもしれない。でも、もうこの時代には、何処をどれだけ探しても彼は居ない。遥か昔に、彼は土に還ってしまったのだ。
全身の力が抜けて、私は砂の上に膝から崩れ落ちた。本当に正しかったのか?本当に騎士の価値観を守り抜いたことが、正しかったのか?最後の最後まで、彼は私とスキンシップを取ることを、望んでいたのに、正義感を盾にして、遠ざけて、彼は帰ってしまった。
後悔しないと思っていた。馬鹿だった。会いたい。もう一度だけ、彼のあの無表情を見たい。そうなるに決まっていたのに、私は、最後の最後で、キスも出来なかった。
いつもと変わらない景色、いつもと変わらない世界なのに、私の心には思った以上の穴が、空いてしまったようだ。その穴がとても痛い。私は振り向くと、きらめく海に向かって歩き始めた。瞳からは涙がポロポロと溢れているが、もう構いやしない。
波のきらめきは、私に何を伝えたい?無が広がっている。どうしても、どうしても、彼のことを考えてしまう。彼に会いたい、ただ、会いたい。
サラサラの髪の毛を、もう一度触りたい、櫛でとかしてやりたい。システムのアナウンスのような、淡々とした、あの低い声を聞きたい。海風のように爽やかな、あの香りが恋しい。触れたい。あの大きな手に、頬に、触れたい。
初めて、自分は女なのだと思えた。恋をしていたのだ、あの人を愛していた。もう、この喪失感は、何物にも例えられなかった。私は手で、涙を吹いた。
その手が、私の涙を拭いてくれたのが、ジェーンが作ってくれた、ナイトアームだった。腕のラインに、キラリと、彼が存在していた証が、光った。
「う、うわああああああっ!あああああああ!」
私は大声を出して泣いた。もう彼はこの世界に居ないのに、ここに、私の腕に、彼が存在している。
もう一度、ジェーンに会いたかった。価値観なんか、捨てればよかった。もっと、もっと素直に、駄々を捏ねて、彼を食い止めれば良かった。私は波打ち際で、海に向かって、嗚咽を漏らした。
何故私は、黙って彼を見送った?もう二度と、彼に会えなくなることは分かっていたのに。どうして黙って、彼が帰るのを見守っていたんだ。涙で何も見えない。泣きすぎて喉が痛い。
すると、私の肩を誰かが抱いた。クラースさんだった。そのまま、力強く私のことをハグしてくれて、それがまた、私に涙させた。
「どうしよう、クラースさん、ジェーンに会いたいよ……!」
「俺は、あいつを絶対に許さないぞ。お前に、こんな酷い哀しさを与えて、平気な顔して、しれっと帰ったんだ。絶対に許さない!なあ、」
クラースさんが私の肩を掴んで、頬に流れる涙を、彼が太い指で拭いてくれた。私もカーディガンの袖で涙を拭いた。クラースさんは、真剣な顔をしていた。
「俺は思うんだが、お前が居るべきなのは、この世界ではないんじゃないか?」
「どう言うこと?」
「方法なんぞ俺が知っている訳が無い。でも、ジェーンに会いたいんだろう?」
私が過去の世界に行く?想像したことも無いし、それはパラドックスへの影響があるから、避けるべきだろうが……でも、もう一度会いたかった。呆れられてもいいから、ちゃんと自分の気持ちを、彼に伝えたかった。
私は、何度か頷いた。するとクラースさんも、何度も頷いた。
「そうか、なら、チェイスに会いに行こう。あいつなら、方法を知っている。」
「そ、そっか。いけるかな?」
「いけるさ。多分。」
「なら……そうだね。今からどれくらいかかるか、分からないけど、それをやってみたい。」
「よし、すぐに行ってみよう。」
私達は、チェイスに会いに行くことに決めた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる