81 / 127
81 星の隠れ家
しおりを挟む
夜の間に荷物をまとめて、静かにそれらをタクシーに乗せて、ホテルからずらかった我々は、海の中に眠ってたトレーラーを浜辺に持ってきて、荷物をその中にまとめた。
イオリはものすごい勢いで荷物整理をして、収納上手な彼のおかげでキャビネットの中がぎっちりになったけど全てが収まった。
当日はそのまま寝るしかなかった。ちょっとカビ臭いマットで彼が寝て、私は残ってるアサルトやヘビースナイパーのメンテをしつつ、夜中はずっと周囲を警戒していた。
翌日になると忙しくなった。オリオン様から「どこに行った?」とイオリに連絡が来て、彼は事情とトレーラーでこれから生きていくことを伝えると、分かってくれた。
レイヴも俺に黙っていくなよって嘆いてたけど、別にいつでも遊びに来れるので、それを伝えると納得してくれた。
アジトで仕事をこなして、その帰りにモールに寄ったイオリは、マットやワイヤレスコンロ、あの如何わしいお店で赤いランプや新しい鎖など、全てを揃えた。
翌日は仕事帰りにトレーラーを改造してくれるお店に寄って、ユニットバスのスペースに仕切りを入れて、トイレとシャワーを別にした。その二つも最新のものになって、ついでに壁紙も新しいのに買えた。
すると彼がソファの部屋やベッドルームの壁紙も凝り出して、ソファの部屋は大理石の白いペイント、ベッドルームは赤いシックな壁紙に変えた。
運転席のハンドルも新しいのに変えて、席も新しくなった。更に自家発電装置を埋め込んでもらい、オートタレットもつけてもらった。もうここで一生住める感じになった。
それが終わる頃には彼はクタクタで寝てしまった。次の日、仕事から帰ると彼は寝室のデコレーションにずっと取り組んだ。そして寝た。
翌日も仕事が終わるとまたトレーラー改造のお店に行って、今度はミニキッチンを改造して、冷蔵庫もつけてもらった。キッチンにある引き出しを引くと簡易テーブルになって、調理がしやすくなったらしい。
その翌日も仕事が終わると今度はソファを新しいものに変えた。黄緑が気に入ってるのにと言ったら、彼は色はそのままにして、高級なしっとりとした素材の新しい物を選んだ。
ソファには下に引き出しがついていて、従来のものよりも収納出来るスペースがあった。彼はそこに自分のネクタイや小物を入れることにした。
その次の日も、彼はベッドルームのデコレーションに勤しんだ。天井にフックをつけて、鎖を垂らし、しかもそのフックは移動可能にしていた。
ライフルのかけられている壁はそのままで、オリオン様に奪われたままのマークスマンがかかってたパーツのところに手錠と縄を引っかけた。
ベッド下の引き出しにはそれ系グッズを入れた。窓の上にある壁掛けのチェストの中には、彼が満足げな顔をして、天体望遠鏡を入れた。
電球を変えたおかげで、寝室の明かりは真っ赤になった。彼はその中で私をハグしながら眠るのだ。ぐったりと。
そんな一週間だった。トレーラーは目まぐるしい変化を遂げて、移動する小型高級住宅のようになった。シャワールームに小窓や換気口までついてるし。
でもね、私は不満だった。今日は犯人はティーカップ第七話の放送日だ。でも彼はもう疲れて寝てしまっている。仕事も増えてるので仕方ないけど、あれからずっと二人でいちゃいちゃはしてない。
デレラロームを一人聞いて、トレーラーの屋根の上に座って、星を眺めてる。今トレーラーは郊外の砂浜に止めてあり、この辺りは夜になると誰一人居なくなる。
いてもタレットが撃ってくれる。私は星空の下で、イオリの麗しいビブラートを聞いてた。切ないものよ。
あれから一週間、イオリのノアフォンはひっきりなしに鳴ってた。
サラだった。レイヴ曰く、我々があのホテルから消えたことを知ると、彼女はレイヴにどこに行ったのか言えと何度も訴えたらしい。レイヴは知らないと答えたって。
彼女は我々を探してるらしい。バリーにも頼んだらしいけど、彼は協力したがらないみたい。バリーはあの時イオリに殴られながら我々に近づかないように催眠をかけられたからだった。
彼女から逃げられて良かったと思ってる。でも欲求不満なものは不満だ。つい、口が尖った。
……そろそろ放送時間だ。私はポッドを消して、屋根に寝そべって、ノアフォンでテレビ画面をつけた。犯人はティーカップのあらすじが流れてる。
イオリと見たかった。でも彼は疲れてる。分かってるけど少し寂しい。ってか、欲求不満である。あーもうだめだ。
全然話が頭に入らない。刑事がぐだぐだ言ってるけど、結局犯人が分からないとかそんなことばかり言ってる。しかも刑事が怪しがってた人が殺されてしまった。
あれだけ登場した多数の人物が、ポロポロやられていってる。しかも舞台の小島から出られないし、刑事はぐだぐだしてるから、犯人のやりたい放題だ。
まだジュンコ夫人は生きてる。私はそれだけでニヤッと笑った。このことを明日イオリに話そう……そしてぐぬぬとさせたい。もうここまでくると、ジュンコ夫人が死なないように見守る為に、これを見てる気がする。
さくっとドラマは終了した。一人で見てたから、集中出来たのはいいけど……寂しい。
私はFOC業務用のイヤホンでデレラロームを聴きながら、屋根から降りて部屋の中に戻った。新しい家具の匂いがするけど、彼の香水の匂いもする。
……。
ノアフォンを見た。因みにこの一週間、私の方にもサラからの着信はあったけど、今日は無い。
連絡帳の名前をスライドすると、バートの名前があった。あの日以来、連絡はしてなかった。
選択肢は二つ。密かにバートを呼んで、チップをあげてご奉仕してもらうか、色んなものを我慢しながらイオリの隣で寝そべるか。
そんなの決まってる。私はコクリと頷いた。
イオリはものすごい勢いで荷物整理をして、収納上手な彼のおかげでキャビネットの中がぎっちりになったけど全てが収まった。
当日はそのまま寝るしかなかった。ちょっとカビ臭いマットで彼が寝て、私は残ってるアサルトやヘビースナイパーのメンテをしつつ、夜中はずっと周囲を警戒していた。
翌日になると忙しくなった。オリオン様から「どこに行った?」とイオリに連絡が来て、彼は事情とトレーラーでこれから生きていくことを伝えると、分かってくれた。
レイヴも俺に黙っていくなよって嘆いてたけど、別にいつでも遊びに来れるので、それを伝えると納得してくれた。
アジトで仕事をこなして、その帰りにモールに寄ったイオリは、マットやワイヤレスコンロ、あの如何わしいお店で赤いランプや新しい鎖など、全てを揃えた。
翌日は仕事帰りにトレーラーを改造してくれるお店に寄って、ユニットバスのスペースに仕切りを入れて、トイレとシャワーを別にした。その二つも最新のものになって、ついでに壁紙も新しいのに買えた。
すると彼がソファの部屋やベッドルームの壁紙も凝り出して、ソファの部屋は大理石の白いペイント、ベッドルームは赤いシックな壁紙に変えた。
運転席のハンドルも新しいのに変えて、席も新しくなった。更に自家発電装置を埋め込んでもらい、オートタレットもつけてもらった。もうここで一生住める感じになった。
それが終わる頃には彼はクタクタで寝てしまった。次の日、仕事から帰ると彼は寝室のデコレーションにずっと取り組んだ。そして寝た。
翌日も仕事が終わるとまたトレーラー改造のお店に行って、今度はミニキッチンを改造して、冷蔵庫もつけてもらった。キッチンにある引き出しを引くと簡易テーブルになって、調理がしやすくなったらしい。
その翌日も仕事が終わると今度はソファを新しいものに変えた。黄緑が気に入ってるのにと言ったら、彼は色はそのままにして、高級なしっとりとした素材の新しい物を選んだ。
ソファには下に引き出しがついていて、従来のものよりも収納出来るスペースがあった。彼はそこに自分のネクタイや小物を入れることにした。
その次の日も、彼はベッドルームのデコレーションに勤しんだ。天井にフックをつけて、鎖を垂らし、しかもそのフックは移動可能にしていた。
ライフルのかけられている壁はそのままで、オリオン様に奪われたままのマークスマンがかかってたパーツのところに手錠と縄を引っかけた。
ベッド下の引き出しにはそれ系グッズを入れた。窓の上にある壁掛けのチェストの中には、彼が満足げな顔をして、天体望遠鏡を入れた。
電球を変えたおかげで、寝室の明かりは真っ赤になった。彼はその中で私をハグしながら眠るのだ。ぐったりと。
そんな一週間だった。トレーラーは目まぐるしい変化を遂げて、移動する小型高級住宅のようになった。シャワールームに小窓や換気口までついてるし。
でもね、私は不満だった。今日は犯人はティーカップ第七話の放送日だ。でも彼はもう疲れて寝てしまっている。仕事も増えてるので仕方ないけど、あれからずっと二人でいちゃいちゃはしてない。
デレラロームを一人聞いて、トレーラーの屋根の上に座って、星を眺めてる。今トレーラーは郊外の砂浜に止めてあり、この辺りは夜になると誰一人居なくなる。
いてもタレットが撃ってくれる。私は星空の下で、イオリの麗しいビブラートを聞いてた。切ないものよ。
あれから一週間、イオリのノアフォンはひっきりなしに鳴ってた。
サラだった。レイヴ曰く、我々があのホテルから消えたことを知ると、彼女はレイヴにどこに行ったのか言えと何度も訴えたらしい。レイヴは知らないと答えたって。
彼女は我々を探してるらしい。バリーにも頼んだらしいけど、彼は協力したがらないみたい。バリーはあの時イオリに殴られながら我々に近づかないように催眠をかけられたからだった。
彼女から逃げられて良かったと思ってる。でも欲求不満なものは不満だ。つい、口が尖った。
……そろそろ放送時間だ。私はポッドを消して、屋根に寝そべって、ノアフォンでテレビ画面をつけた。犯人はティーカップのあらすじが流れてる。
イオリと見たかった。でも彼は疲れてる。分かってるけど少し寂しい。ってか、欲求不満である。あーもうだめだ。
全然話が頭に入らない。刑事がぐだぐだ言ってるけど、結局犯人が分からないとかそんなことばかり言ってる。しかも刑事が怪しがってた人が殺されてしまった。
あれだけ登場した多数の人物が、ポロポロやられていってる。しかも舞台の小島から出られないし、刑事はぐだぐだしてるから、犯人のやりたい放題だ。
まだジュンコ夫人は生きてる。私はそれだけでニヤッと笑った。このことを明日イオリに話そう……そしてぐぬぬとさせたい。もうここまでくると、ジュンコ夫人が死なないように見守る為に、これを見てる気がする。
さくっとドラマは終了した。一人で見てたから、集中出来たのはいいけど……寂しい。
私はFOC業務用のイヤホンでデレラロームを聴きながら、屋根から降りて部屋の中に戻った。新しい家具の匂いがするけど、彼の香水の匂いもする。
……。
ノアフォンを見た。因みにこの一週間、私の方にもサラからの着信はあったけど、今日は無い。
連絡帳の名前をスライドすると、バートの名前があった。あの日以来、連絡はしてなかった。
選択肢は二つ。密かにバートを呼んで、チップをあげてご奉仕してもらうか、色んなものを我慢しながらイオリの隣で寝そべるか。
そんなの決まってる。私はコクリと頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる