長男嫁お盆ウォーズ! ーー今年もやつらがやってきた。3日間の苦行をどう乗り切るんだ!?ーー

濃子

文字の大きさ
4 / 5

第4話

しおりを挟む

りっちゃん「あいかわらず、うちのバカ姉妹がすまんの」
わたし「わかってんなら、もっと怒ってよ」
信空「ほんま、おばちゃんらありえへんで」
りっちゃん「あいつらも嫁ぎ先で苦労してんやろ」

わたし「おいーー、いい加減にしな老後はひとりになるで」
 実害がないやつは、なんでこうのんきなんやろな。

りっちゃん「はいはい。今度、鮎でも食べに連れてったる。今日の施主さんがええとこ教えてくれたんや」
わたし「おっしゃ!テンションあがってきた!川もいつ行こか!」

信空「俺、22日しかあかんわ」
りっちゃん「ほな、仕事調整する。空也は?」
わたし・信空「逃げた~~~!」
りっちゃん「賢いやつやな。風呂はいってこよ~~」


 何とか1日目が終わりやで~~~。まだ、1日なんやけどな!







 小姑お泊まり2日目(早く帰れと天に念じる)ーー。

 もちろん、朝なんか誰も起きてこおへんし。

りっちゃん「行ってくんで。あれの入金してきてな」
わたし「オッケーです」
 りっちゃんの仕事場は、ちょっとだけ離れたとこにあります。まっ、現場見に行ってたら、仕事場には夜しかいなかったりするけど。

信空「お母さん~、水筒デカいのだして」
わたし「昨日言うときや」
信空「昨日はいけたけど、今日はもうひとつ暑いやん」
わたし「はいはい。かこちゃんもおっきい水筒にする?」

かこちゃん「いい。ピンクのすいとうがいいの!」
わたし「ほな、予備の水筒リュックにいれてるからね。もうじき、カオリお姉さん来るからトイレ行っとこうね」

ネネ「お母さん、トイレマットまた濡れてるで」
わたし「💢💢💢」
信空「おばさんらも、なんで見やんのやろなーー。ほな、行ってきます!昼メシは帰りにみんなでマック行くから」
わたし「あら、優しいな」
信空「ひとり減ったところでやけどな。兄貴も友達とラーメン行くって」
わたし「ラーメン好きやな……」

 夏でもひたすら熱いラーメン。大丈夫か、うちの長男はーー……。


わたし「さて、ネネ。ばーちゃん達起こしてきて」
ネネ「起きひんよ」
わたし「流れるプール行くんやって」
ネネ「言うてたな」
わたし「あんたどうするん?」
ネネ「子守やろ?絶体に嫌やな。杏ちゃんち行こかな」

わたし「姉さん仕事やからな。仕事のときは、よその子家にあげへんよ」
ネネ「従姉妹やん」

 わたしの実姉の娘が杏ちゃん、ネネと同い年。自転車で行ける距離に住んでます。学校は違うけど。

ネネ「聞くだけ聞こ」
わたし「あかんかったら子守りやな」
ネネ「すっごい負担やん。おばちゃんらいっこもちび見やんで」
 でしょうなーー。実家に帰ると子供見なくなるの、なんでなんやろーー?



姑「濃ちゃん、朝ごはん用意したって。後、プール行くからお茶もな」
わたし「してますよ。ジュースは自分らで買ってくださいよ。クーラーバッグは用意してますんで」
 保冷剤も凍らせてますよ。なんとできた嫁さんや。

姑「買っといてくれへんかったん?」
わたし「昨日買い物行ったときに買ったと思ってました」
姑「そんなん言ってへんやん」
 すごい非難がましい目で見てくるやんな。
 何をむくれとんねん。頼まれてもないことわかれってか?

小姑➁「ジュースあるやん。もうあれでいいやん」
 うちのストックに目をつけた未生が、クーラーバッグにジュースをいれる。
わたし「………」
 また買ってこなあかんやんかッ!!あんたら帰ってきてもバカバカ飲むやろ!

姑「ネネ、あんた今日はそのちゃん達と遊んでくれるんやでな?」
ネネ「今日、杏ちゃんと遊ぶから無理」
姑「何それ、そのちゃん達来てたらそのちゃん達を優先しなさい!」
小姑➁「ほんまやで、ネネ。どういうつもりなん!」

 ーー意味わからん。なんでやねん。

ネネ「おばちゃんら、去年あたしにまかせて、ちびらいっこも見やんかったやん。キリがいなくなったら怒るし。そんなん、誰が行きたいんよ」
 ネネに睨まれて、ババ様はむっとした顔になったけど、それ以上は言わんかった。そら、言えんわな。小学生に自分の子の生命を託すほうが間違ってるし。

ネネ「ほな、またな」
 娘にも逃げられたわたし。まあ、我が子を守るのも母親のつとめや。

姑「濃ちゃん、行くで」
わたし「送迎はしますよ」
姑「………」
わたし「洗濯物がぎょうさんありますし、買い物もいかなあかんのでね」
 送迎すりゃ、十分でしょ。往復1時間20分、わたしのその時間を使ったるんやからな。

 ーーババ様は免許ないしな……。免許ない人間って、送迎を軽く見るよね。気いつかって運転してるのにさ。


 とにもかくにも、車の運転は引き受けるーー。おい、昨日使ったときのゴミか……。なんやねん、お菓子のゴミそのままか、床にもペットボトルが転がってるけど……。

 嫁の車なら、どんだけ汚してもいいんか?車の中で散らかるお菓子なんか食べさすな。うちの子は、わたしが怖いから、チョコパイなんか絶体に食べへんけどな。

 こういうこと教えとかな、これからよその車に乗るときに非常識なことして、自然にまわりから距離を置かれたりするで~~~。



 しかし、わたしは年に2回の小姑帰省のために、チャイルドシートを処分できずにいる。2台よ、なんて無駄な物置の主。もう、かこちゃんもジュニアシートだからね。

 処分できるものが、できんとは……、ストレスが増える一方やわ。 

わたし「着きましたよ。迎えに来るのに、40分はかかりますから、早めに連絡くださいよ」
姑「すぐ来てね」

 ーー横暴!ーーお盆で道混んでんのに、交通状況がよければ早いですけどね……。


 送ったついでに買い物へ、近場にTR◯ALがあるとなんでも揃いますよ(Y県国道24号沿い)。
 今日の晩御飯、海鮮ちらしのサーモンとイクラを購入。このふたつを嫌うお子様はあんまりおらん。親も満足、頼れる親子やで。

 サラダは女子が大好きアボカドとエビーー、尽くすな、わたし。こんなんだから、ダメなんよ~~~。

 ジュースや菓子パンも大量に買って、ほんまひと来たら遊ぶ暇なんかないよな。その準備で半日がポンポン飛んでくで~~。通常の買い物に加え、さらにはバーベキュー食材なんか買ってみ?もはや、カゴが3つ。この時期やし、あのひとバーベキューするんやな、って丸わかりや。

 家に帰れば、お米のセット(9合で足りるか?2回炊くか……)と、また洗濯物をはずして熱いからソファーに置いて冷ます(わたしもソファーを服置き場にしてんな)。部屋も片付けなあかんし、やることは減らへん。玄関に靴があったから、空也と信空は部屋におるみたいやなーー……。


 いや、後もう1日。まだ1日ーー………。


 休む間もなくサーモンを切ってタレにつけとく。ちらしの具材は混ぜご飯の素で勘弁してもらうで。シイタケが少ないってババ様がいつも文句言うから、シイタケ煮を買ってきました、大量投下したるわ。


 ピロンッ。

 げっ、もうそんな時間かい!?

 スマホを見ると、ババ様からのラインで、帰りの時間が表示されていた。

姑『いま、アイス食べてるから迎えに来て』

 ?

 時間わからんのか?まあ、いい、これも予想通りや。あんたとの付き合いも長いからな。

わたし『いまから出るんで40分かかりますよ』

 ピロンッ。

姑『そんなに(´ε` )』←たまにスタンプ使ってくるけどこういう系。


 ブルるるるるる~~~。エンジンをいれて、ひとりのときはラ◯クをかけながら運転してます。歌うはもちろん、『Driver’s High』やッ!!


 ひとり気持ちよく歌ってると、途中で後部座席の窓が開いてることに気づく。ーー信号待ちのとき、誰も聞いてなかったやろな………。赤面………。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...