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Chapter12 標的
#77 謹慎
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AI開発・アルゴリズム研究部の自動ドアが開いて、糸井部長が「こっち」と手招きした。室内はなんともいい難い空気に包まれている。私はてっきり場所を移して話し合いをするものと思っていたが、誰にもそんな素振りはなかった。
「AIチームには状況を説明した。下手に隠して疑心暗鬼になられても困るから」
合田部長が私の心を読んだように説明する。
「むしろ、バレてちょっと楽になった。隠してるのしんどくてさ」
一希君は言い訳でもするようにそう言ったものの、声に力がなかった。
「あの、一希君が『Y』に脅迫されてたことや、『Y』の正体については……?」
「それも言ってある。AIチームのことは一旦置いといて、ひとまず外部への対応を検討しよう。密室で話すと余計な憶測を生むと思って、ここで話すことにしたんだ」
合田部長の言葉に、糸井部長も同意の意を表すように首肯する。私が「大丈夫ですか?」と問うと、「俺が責任をとる」と、合田部長から力強い声が返ってきた。
「で、本宮さん、投稿は見たか?」
「はい。3件とも確認しました」
「本宮さんが写っていたあの写真もだが、『Bun-guy』の投稿のスクショも結城先生のスマホから盗まれたものだろう。Pitter投稿は新田の助言で削除したようだが、まあ、セキュリティ意識がその程度だったってことだ。ハッキングされるなんて考えもしないだろうし。
とにかく、これで翻案予言botのアカウント乗っ取り犯と〈漆黒の夜【公式】〉が同一犯だと判明した。こうして派手な動きをしてるのを見ると、予言を利用するために翻案予言botのアカウントを乗っ取ったら、結城先生だったっていうパターンだろうな」
ですね、と合田部長の言葉を受けて蒼君が続ける。
「翻案予言botのセキュリティがガバガバで、アカウントをそのまま使うつもりだった。けど、思いの外あっさり取り戻された。それで別のアカウントを作ったんだと思います。その前に、翻案予言botへのなりすましも試みたかもしれません」
「それで――」と、合田部長は何か話そうとしたが、途中で止めてキーボードを叩いた。
「佐伯部長と繋がった。本宮さんも新田もこっちに」
合田部長の手招きでブース内に回り込むと、パソコンモニターには佐伯部長が映っている。背景はホテルの部屋のような薄暗い場所で、昼間にも関わらずカーテンが閉められていた。
『お待たせしてすいません。さすがに外で話すわけにいかないからホテルに戻ったの。それで、堂坂府警の担当刑事とは連絡がとれたかしら?』
音声はスピーカーで流され、このやりとりもAIチームと共有されるようだった。佐伯部長にも許可を得ているのだろう。
「先ほどから伊藤刑事に電話しているのですが、まだ繋がりません。結城先生の電話もずっと通話中になっているので、そのふたりで話している可能性があります。暴露投稿にはDRIの名前も出ているので、いずれ向こうから連絡があると思いますが」
合田部長の発言が切れたタイミングで、「すいません」と一希君が頭を下げた。合田部長が首に引っ掛けたインカムはオフになっていて、モニター下の集音マイクにランプがついている。
『情報を伏せるように言ったのは警察だし、こういうこともあり得ると予想はついてたから、新田君が今謝る必要はないわ。AIチームのみんなは聞いているのよね?』
はい、と合田部長がうなずくと、各ブースにいるAIチームの面々の顔に緊張が走った。
『AIチームだけじゃなくて、他の職員にもこれまで何が起きていたのか説明する必要があるけれど、外部に対しては今まで通り「警察からの指示で公にできなかった」で通しましょう。AIチームは忙しいだろうから、糸井部長と本宮さんで職員向けに経緯を説明できるよう準備しておいてください。私も予定キャンセルして戻るから』
わかりました、と私と糸井部長はそろって返事をした。佐伯部長はこれからが本題というように、ひとつ息を吐く。
『AIチームの3人は、今回の投稿どう考えてる?』
この問いかけにすかさず発言したのは蒼君。
「〈漆黒の夜【公式】〉は、『K』が非公開データを流出させたことは把握していないみたいですね」
「それは、俺もかなり慎重にやったから。結城先生のスマホにそれらしい痕跡は残ってないと思う。先生にも直接念押ししたし」
しどろもどろで話す一希君に、合田部長は苦笑を浮かべた。
「なんていうか、改めて複雑だな。こんなに簡単にうちのデータが盗まれるなんて」
「す、すいません。本当に、申し訳ない……」
一希君は消え入るように言い、成り行きを見守っている同僚たちに向かって深々と頭を下げた。すると、左奥のブースで誰かが立ち上がった。
「なんだ、本田?」と合田部長。
「発言いいですか?」
「ちょっと待て。発言するならそっちで佐伯部長と接続しろ」
本田君は「了解です」と言ってインカムをつけ、喋り始める。
「だいたいの事情は聞いたので新田を責めようとは思いませんけど、万が一のことを考えたら、新田はしばらく謹慎とかしたほうがいいんじゃないですか? 後々、『K』が非公開データを流出させたってことが明らかになったりしたら、何の処分もしてないってDRIが責められると思います」
本田君の表情は、彼の言葉通り一希君を責めるようなものではなかった。しかし、一希君はかなり居心地悪そうな顔をしている。
「俺は解雇されても――」
一希君が最悪の処遇を口にしようとしたが、蒼君が「ちょっといいですか」と強引に遮った。
「〈漆黒の夜【公式】〉が非公開データ流出の事実を知らなくても、『不正アクセス』があったということは公式声明文としてリテラ・ノヴァ上で公開されています。そのことから、『K』がその不正アクセスを行った張本人である――つまり、不正アクセスがDRI内部の犯行だったと推測する人もいるかもしれません。そうなったとしても、不正アクセスによる情報流出が『非公開データ』だとはわからない。
しかし、事件当事者以外に、少なくとも1人は非公開データ流出の事実を知っている人がいます」
「翻案の著作権者?」
私が言うと、「そうです」と蒼君がうなずく。
「7月に何かが起きるという、『漆黒の夜』と呼ばれる予言の元となった翻案の著作権者は、自分の翻案が予言になったことを知っているでしょう。Pitterだけでなく、テレビでも取り上げられているようですから」
『それについては、私も懸念していたわ。DRIに直接言ってきてくれればいいけれど、Pitterや、もしくはメディアなんかで「私の著作データが盗まれた」と暴露する可能性もないわけじゃない。
惣領君が言いたいのは、それを見越した対応をしろということかしら?』
「おっしゃる通りです。だから、新田さんを謹慎にしてはどうかという本田さんの意見には、僕も賛成します。
事件のフェーズは変化してきているし、翻案予言bot絡みの調査については一段落したと言っていい。なので、新田さんにはここで一旦抜けてもらっても大丈夫だと思います」
一希君はどことなく泣きそうな顔をしていた。誰も「辞めろ」と言わず、「謹慎」「一旦抜ける」と言った、希望を残す言葉を使っているからかもしれない。画面の向こう側の佐伯部長は、『合田部長はどう思われます?』と、一希君の直属の上司に尋ねた。
「私も同意見です。新田の安全のためにもそうした方がいいと思います」
『……そうね。では、新田君は無期限の謹慎ということにしましょう』
「無期限ですか?」
蒼君の口調から、やり過ぎでは? と言いたいのが伝わってくる。
『状況が落ち着くまでよ。1ヶ月経っても状況が変わらなければ、その時に再検討しましょう。ここで中途半端に1週間や2週間の謹慎なんて処分にしたら、甘すぎると批判されるのが関の山。下手に期限を切らない方がいいわ』
蒼君は反論できず、無言でうなずいた。隣にいた当の一希君は「解雇じゃないのが不思議なくらいだろ」といつもの軽い口調だが、見ている方の胸が痛む。
『では、私はすぐ東都を発つ準備をするので、何かあったらすぐ連絡をください。合田部長、あとはよろしくお願いします』
佐伯部長は慌ただしく通信を切り、画面がグレーに変わった。部屋には気まずい空気が流れ、沈黙を破ったのは本田君だった。
「あー、あのさ、新田。まさかこんなあっさり謹慎になるとは思わなくて……、なんか、悪い」
「いや、逆に言ってくれてよかった。このままズルズル出勤してていいのかって、ずっと思ってたから」
「でもさ、新田は脅されてやったんだろ? それも、相手のために忠告したのに」
「本田ァ」と、合田部長が会話に割って入った。
「おまえは脅されたらやるのか?」
「俺はやりませんよ。合田部長や惣領の目を盗んでデータ盗むなんて、そもそもできないですから」
本田君の言い方は、暗に一希君の技術を褒めているようにも思えた。実際そうだったのか、彼は一希君のほうを見て「なあ、辞めんなよ」とぶっきらぼうに口にする。一希君はそれには答えず、微笑を返すだけだった。
そのときヴーッとスマホの振動音が響いた。室内の空気が再び緊張に包まれたが、その震えるスマホを手にした蒼君は、「あ、やっと来た」と安堵の表情を浮かべる。
「僕の方にかかってきました。堂坂府警の伊藤刑事です」
「AIチームには状況を説明した。下手に隠して疑心暗鬼になられても困るから」
合田部長が私の心を読んだように説明する。
「むしろ、バレてちょっと楽になった。隠してるのしんどくてさ」
一希君は言い訳でもするようにそう言ったものの、声に力がなかった。
「あの、一希君が『Y』に脅迫されてたことや、『Y』の正体については……?」
「それも言ってある。AIチームのことは一旦置いといて、ひとまず外部への対応を検討しよう。密室で話すと余計な憶測を生むと思って、ここで話すことにしたんだ」
合田部長の言葉に、糸井部長も同意の意を表すように首肯する。私が「大丈夫ですか?」と問うと、「俺が責任をとる」と、合田部長から力強い声が返ってきた。
「で、本宮さん、投稿は見たか?」
「はい。3件とも確認しました」
「本宮さんが写っていたあの写真もだが、『Bun-guy』の投稿のスクショも結城先生のスマホから盗まれたものだろう。Pitter投稿は新田の助言で削除したようだが、まあ、セキュリティ意識がその程度だったってことだ。ハッキングされるなんて考えもしないだろうし。
とにかく、これで翻案予言botのアカウント乗っ取り犯と〈漆黒の夜【公式】〉が同一犯だと判明した。こうして派手な動きをしてるのを見ると、予言を利用するために翻案予言botのアカウントを乗っ取ったら、結城先生だったっていうパターンだろうな」
ですね、と合田部長の言葉を受けて蒼君が続ける。
「翻案予言botのセキュリティがガバガバで、アカウントをそのまま使うつもりだった。けど、思いの外あっさり取り戻された。それで別のアカウントを作ったんだと思います。その前に、翻案予言botへのなりすましも試みたかもしれません」
「それで――」と、合田部長は何か話そうとしたが、途中で止めてキーボードを叩いた。
「佐伯部長と繋がった。本宮さんも新田もこっちに」
合田部長の手招きでブース内に回り込むと、パソコンモニターには佐伯部長が映っている。背景はホテルの部屋のような薄暗い場所で、昼間にも関わらずカーテンが閉められていた。
『お待たせしてすいません。さすがに外で話すわけにいかないからホテルに戻ったの。それで、堂坂府警の担当刑事とは連絡がとれたかしら?』
音声はスピーカーで流され、このやりとりもAIチームと共有されるようだった。佐伯部長にも許可を得ているのだろう。
「先ほどから伊藤刑事に電話しているのですが、まだ繋がりません。結城先生の電話もずっと通話中になっているので、そのふたりで話している可能性があります。暴露投稿にはDRIの名前も出ているので、いずれ向こうから連絡があると思いますが」
合田部長の発言が切れたタイミングで、「すいません」と一希君が頭を下げた。合田部長が首に引っ掛けたインカムはオフになっていて、モニター下の集音マイクにランプがついている。
『情報を伏せるように言ったのは警察だし、こういうこともあり得ると予想はついてたから、新田君が今謝る必要はないわ。AIチームのみんなは聞いているのよね?』
はい、と合田部長がうなずくと、各ブースにいるAIチームの面々の顔に緊張が走った。
『AIチームだけじゃなくて、他の職員にもこれまで何が起きていたのか説明する必要があるけれど、外部に対しては今まで通り「警察からの指示で公にできなかった」で通しましょう。AIチームは忙しいだろうから、糸井部長と本宮さんで職員向けに経緯を説明できるよう準備しておいてください。私も予定キャンセルして戻るから』
わかりました、と私と糸井部長はそろって返事をした。佐伯部長はこれからが本題というように、ひとつ息を吐く。
『AIチームの3人は、今回の投稿どう考えてる?』
この問いかけにすかさず発言したのは蒼君。
「〈漆黒の夜【公式】〉は、『K』が非公開データを流出させたことは把握していないみたいですね」
「それは、俺もかなり慎重にやったから。結城先生のスマホにそれらしい痕跡は残ってないと思う。先生にも直接念押ししたし」
しどろもどろで話す一希君に、合田部長は苦笑を浮かべた。
「なんていうか、改めて複雑だな。こんなに簡単にうちのデータが盗まれるなんて」
「す、すいません。本当に、申し訳ない……」
一希君は消え入るように言い、成り行きを見守っている同僚たちに向かって深々と頭を下げた。すると、左奥のブースで誰かが立ち上がった。
「なんだ、本田?」と合田部長。
「発言いいですか?」
「ちょっと待て。発言するならそっちで佐伯部長と接続しろ」
本田君は「了解です」と言ってインカムをつけ、喋り始める。
「だいたいの事情は聞いたので新田を責めようとは思いませんけど、万が一のことを考えたら、新田はしばらく謹慎とかしたほうがいいんじゃないですか? 後々、『K』が非公開データを流出させたってことが明らかになったりしたら、何の処分もしてないってDRIが責められると思います」
本田君の表情は、彼の言葉通り一希君を責めるようなものではなかった。しかし、一希君はかなり居心地悪そうな顔をしている。
「俺は解雇されても――」
一希君が最悪の処遇を口にしようとしたが、蒼君が「ちょっといいですか」と強引に遮った。
「〈漆黒の夜【公式】〉が非公開データ流出の事実を知らなくても、『不正アクセス』があったということは公式声明文としてリテラ・ノヴァ上で公開されています。そのことから、『K』がその不正アクセスを行った張本人である――つまり、不正アクセスがDRI内部の犯行だったと推測する人もいるかもしれません。そうなったとしても、不正アクセスによる情報流出が『非公開データ』だとはわからない。
しかし、事件当事者以外に、少なくとも1人は非公開データ流出の事実を知っている人がいます」
「翻案の著作権者?」
私が言うと、「そうです」と蒼君がうなずく。
「7月に何かが起きるという、『漆黒の夜』と呼ばれる予言の元となった翻案の著作権者は、自分の翻案が予言になったことを知っているでしょう。Pitterだけでなく、テレビでも取り上げられているようですから」
『それについては、私も懸念していたわ。DRIに直接言ってきてくれればいいけれど、Pitterや、もしくはメディアなんかで「私の著作データが盗まれた」と暴露する可能性もないわけじゃない。
惣領君が言いたいのは、それを見越した対応をしろということかしら?』
「おっしゃる通りです。だから、新田さんを謹慎にしてはどうかという本田さんの意見には、僕も賛成します。
事件のフェーズは変化してきているし、翻案予言bot絡みの調査については一段落したと言っていい。なので、新田さんにはここで一旦抜けてもらっても大丈夫だと思います」
一希君はどことなく泣きそうな顔をしていた。誰も「辞めろ」と言わず、「謹慎」「一旦抜ける」と言った、希望を残す言葉を使っているからかもしれない。画面の向こう側の佐伯部長は、『合田部長はどう思われます?』と、一希君の直属の上司に尋ねた。
「私も同意見です。新田の安全のためにもそうした方がいいと思います」
『……そうね。では、新田君は無期限の謹慎ということにしましょう』
「無期限ですか?」
蒼君の口調から、やり過ぎでは? と言いたいのが伝わってくる。
『状況が落ち着くまでよ。1ヶ月経っても状況が変わらなければ、その時に再検討しましょう。ここで中途半端に1週間や2週間の謹慎なんて処分にしたら、甘すぎると批判されるのが関の山。下手に期限を切らない方がいいわ』
蒼君は反論できず、無言でうなずいた。隣にいた当の一希君は「解雇じゃないのが不思議なくらいだろ」といつもの軽い口調だが、見ている方の胸が痛む。
『では、私はすぐ東都を発つ準備をするので、何かあったらすぐ連絡をください。合田部長、あとはよろしくお願いします』
佐伯部長は慌ただしく通信を切り、画面がグレーに変わった。部屋には気まずい空気が流れ、沈黙を破ったのは本田君だった。
「あー、あのさ、新田。まさかこんなあっさり謹慎になるとは思わなくて……、なんか、悪い」
「いや、逆に言ってくれてよかった。このままズルズル出勤してていいのかって、ずっと思ってたから」
「でもさ、新田は脅されてやったんだろ? それも、相手のために忠告したのに」
「本田ァ」と、合田部長が会話に割って入った。
「おまえは脅されたらやるのか?」
「俺はやりませんよ。合田部長や惣領の目を盗んでデータ盗むなんて、そもそもできないですから」
本田君の言い方は、暗に一希君の技術を褒めているようにも思えた。実際そうだったのか、彼は一希君のほうを見て「なあ、辞めんなよ」とぶっきらぼうに口にする。一希君はそれには答えず、微笑を返すだけだった。
そのときヴーッとスマホの振動音が響いた。室内の空気が再び緊張に包まれたが、その震えるスマホを手にした蒼君は、「あ、やっと来た」と安堵の表情を浮かべる。
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