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新しい発見
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社員登用も無事に終わり、幾日かたったある日。
「いらっしゃいませ」
いつも通りにお客様を迎えた時だ。
「すみません。本日なんですが、時任社長様はいらっしゃいますか?」
「時任、ですか?本日はお休みを頂いておりまして…」
そう。出勤自体の日数がぐんと減った時任。牧田に権利を渡してから、出勤しても鳳凰にこもる事が多くなった。それでも本日が休みなのは間違いない。
「そうでしたか…」
「どういったご用件でしょうか?」
「実は…」
来訪者の話を聞けば、館の契約、加えて防災関連の事だという。その更新が滞って居る為確認しに来たというのだった。
「申し訳ありません。こちらなのですが、大本の会社が変更になりまして、その会社の傘下にグラッドホテルが入っているという状況になっているのですが、そちらはご存じでしょうか?」
「いえ、そういったことも…」
「…かしこまりました。でしたらそちら、大本会社、シンテクノというんですが、そちらの代表は今現状いるのですが…」
「お名前は…?」
「牧田柾と…」
そう言って字も書きだす。
「なるほど。」
「もしよろしければ牧田呼び出しましょうか?」
「よろしいでしょうか?」
「お掛けいただいて、少々お待ちくださいませ。」
そうして桜は事務所に急いだ。
「失礼します、会長?」
「ん?どうかした?」
「実は今…」
詳細を話せば大きなため息を一つ吐いて『解った』と返事をし、すぐ行く。と言ってくれた。
「…お待たせいたしました。ただいま牧田まいりますので…」
「ありがとうございます。」
そうして待つ事数分。裏から出てきた牧田は名刺を差し出しながらも挨拶をして、ダイニングに行く事もせずに、フロントの前で話をしている。
「なるほど、で、名前が要るって事ですか?」
「はい、そうですね。」
「時任からは何も?」
「来てません。」
「すみません…」
そうして牧田は名前、会社の住所等を含め、応えていく。
「あとは、あ、牧田さんの生年月日お伺いしてもいいでしょうか?」
「十月二十一日です」
「あ、あと西暦も」
そうして応え終え、これで以上と解ればさっさと事務所に戻っていくのだった。
「誕生日…」
こっそりと自身のノートにメモを取る桜。そんな間も一緒にタッグを組んでいた瀬戸は終始牧田と業者の会話を聞いていたものの、桜はただ黙々と仕事をこなしていた。
「…でも、思ったより若いですよね!牧田会長」
「え?」
「ほら、さっき誕生日言ってたじゃないですか!それ聞いて自分と一つしか変わらないし。それで会長ってすごいなって!」
「それもそうだね、」
「あ、もしかして御門さん、知ってた感じですか?」
「知らないよ、でも確かに若いよね、」
「この間の食事会でも、一人すぐ離れて行っちゃうし。みんなどうしたんだろうねって話してたんですよ?」
「あー、あれ?せっかく会長が親睦会って言うので開いてくれたから他の人たちと関わりたいなぁと思って?」
「親睦会ならまずここの人たちとの関係を友好にしなくちゃ!ですよ!!所詮他の支部の人たちは関わらない人たちなんですし!」
「そうかもしれないけど、シンテクノの傘下に入った歓迎会込みでって聞いてたし。」
「ふぅん…まぁ、いろんな話仲間内で出来たのでいいですけど!」
「そっか、良かったね!」
まるで他人事と言わんばかりの桜の返事にすぐにこの話を打ち切ってしまった瀬戸だった。
「いらっしゃいませ」
いつも通りにお客様を迎えた時だ。
「すみません。本日なんですが、時任社長様はいらっしゃいますか?」
「時任、ですか?本日はお休みを頂いておりまして…」
そう。出勤自体の日数がぐんと減った時任。牧田に権利を渡してから、出勤しても鳳凰にこもる事が多くなった。それでも本日が休みなのは間違いない。
「そうでしたか…」
「どういったご用件でしょうか?」
「実は…」
来訪者の話を聞けば、館の契約、加えて防災関連の事だという。その更新が滞って居る為確認しに来たというのだった。
「申し訳ありません。こちらなのですが、大本の会社が変更になりまして、その会社の傘下にグラッドホテルが入っているという状況になっているのですが、そちらはご存じでしょうか?」
「いえ、そういったことも…」
「…かしこまりました。でしたらそちら、大本会社、シンテクノというんですが、そちらの代表は今現状いるのですが…」
「お名前は…?」
「牧田柾と…」
そう言って字も書きだす。
「なるほど。」
「もしよろしければ牧田呼び出しましょうか?」
「よろしいでしょうか?」
「お掛けいただいて、少々お待ちくださいませ。」
そうして桜は事務所に急いだ。
「失礼します、会長?」
「ん?どうかした?」
「実は今…」
詳細を話せば大きなため息を一つ吐いて『解った』と返事をし、すぐ行く。と言ってくれた。
「…お待たせいたしました。ただいま牧田まいりますので…」
「ありがとうございます。」
そうして待つ事数分。裏から出てきた牧田は名刺を差し出しながらも挨拶をして、ダイニングに行く事もせずに、フロントの前で話をしている。
「なるほど、で、名前が要るって事ですか?」
「はい、そうですね。」
「時任からは何も?」
「来てません。」
「すみません…」
そうして牧田は名前、会社の住所等を含め、応えていく。
「あとは、あ、牧田さんの生年月日お伺いしてもいいでしょうか?」
「十月二十一日です」
「あ、あと西暦も」
そうして応え終え、これで以上と解ればさっさと事務所に戻っていくのだった。
「誕生日…」
こっそりと自身のノートにメモを取る桜。そんな間も一緒にタッグを組んでいた瀬戸は終始牧田と業者の会話を聞いていたものの、桜はただ黙々と仕事をこなしていた。
「…でも、思ったより若いですよね!牧田会長」
「え?」
「ほら、さっき誕生日言ってたじゃないですか!それ聞いて自分と一つしか変わらないし。それで会長ってすごいなって!」
「それもそうだね、」
「あ、もしかして御門さん、知ってた感じですか?」
「知らないよ、でも確かに若いよね、」
「この間の食事会でも、一人すぐ離れて行っちゃうし。みんなどうしたんだろうねって話してたんですよ?」
「あー、あれ?せっかく会長が親睦会って言うので開いてくれたから他の人たちと関わりたいなぁと思って?」
「親睦会ならまずここの人たちとの関係を友好にしなくちゃ!ですよ!!所詮他の支部の人たちは関わらない人たちなんですし!」
「そうかもしれないけど、シンテクノの傘下に入った歓迎会込みでって聞いてたし。」
「ふぅん…まぁ、いろんな話仲間内で出来たのでいいですけど!」
「そっか、良かったね!」
まるで他人事と言わんばかりの桜の返事にすぐにこの話を打ち切ってしまった瀬戸だった。
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