隣のアイツ

みやび

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初めまして。

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「ン……」

次に未来が目を覚ました時だ。ゆっくりと体を起こすと目の前に広がるのは見た事も無い光景、風景だった。そして同時に仁ではなく背の高いイケメンというにふさわしい程の顔面偏差値の男性が居た。

「…ここって…何?」
「νΠ§ΞАΧБΔΨωИ?」
「え?何?……誰?ってか…何語?」
「ΘВοФΗЗψ×?」
「…だから…解んないんだって…」

目の前にいた男性が発する言葉は聞いたこともない言語。そんな時、遠くを気にする男性はグイっと未来を引き寄せると顔を近付ける。

「…何…!ッ…止め…」

必死に抵抗しようとする未来の顎を持ち上げて半ば強引に唇を重ねた。後ろ手に頭を固定されて居る為逃げようにも逃げられなかった。舌を器用に絡め取られどうにも動けなかった未来。長くも感じるその時間…ゆっくりと男性が離れれば遠くから近付いてくる足音と同時に耳に届いてくる言葉が理解できるようになっている事にすぐに気付いた。

「これはこれは、ハーバルウッド伯爵。こんな所で逢引ですか?みっともない」
「あなたは、ポーリン子爵が何用で?」
「いえねぇ、このあたりで最近じゃじゃ馬が出没していると聞きましてね?」
「ほぅ?もしかしてあなたはこの娘がじゃじゃ馬だというのか?」
「さぁ、それはどうでしょうか?」
「(何…この人たち…てか…伯爵とか…子爵とか……何?)」

そう言いながらも未来を背中盾に隠しながらもと呼ばれたその男性がかくまっているのは解る事。そして…さっきのキスを皮切りに言葉が解る様になったこと…それだけで情報過多になってき始めていた。

「とりあえずはここには居ないようだから?とりあえずは引きますよ。」
「そうした方がいい。無益な争い事は避けるに限るぞ」
「…フン…」

にっと笑うその男性にどうしたものか…と思いつつもポーリン子爵は連れを引き連れて離れていった。入れ替わりに武装している男たちが二人、集まって来た。

「貴様…ポーリン子爵だな」
「まぁ待て。俺は無事だから。」
「…しかし!!!」
「あなた様の付き人も血の気が多いですな。少し躾されては?」
「あぁ。そうだな」

そう言ってさっさと帰らせる男性。これ見よがしにガルルっと牙をむき出しにする猫の様にその背中を見つめる二人はすぐに未来たちの元に集まって来た。

「グレイ様!!大丈夫ですか!お怪我は…!!」
「ない。だから大丈夫と言っただろう」
「しかし、急に一人で走り出されては…・・・と、そちらの娘は?」
「お前、言葉が解るだろう?」
「え…はい・・・・」
「ならよかった。ここで何をしている」
「私も解らなくて…ここ…どこですか?」
「おい!グレイ様の質問に答えないか!」
「まぁまぁ、」

にこやかにすっと片手をあげればぴたりと声がやむ。それどころか一歩下がり頭を下げる大の大人が二人いるこの光景に未来は驚きすら隠し切れずに居た。

「…ッッ」
「お、おい…何で泣く…」

ぺたりと座り込んだ未来。目からは止めようと思っても止まらない程の涙があふれてやまなかった。

「ハァ…取りあえずは内に来い」
「…グレイ様?!」
「構わんだろう?帰るぞ?」
「…しかし、どこの娘かもわからぬ女性を…」
「確かに。見た事の無い服装だしな。さて。」

動けなくなっている未来の前に膝をついて男性は手を差し出した。

「俺はグレイス・ハーバルウッド。聞いての通り皆にはグレイと呼ばれている。お前の名前は?」
「……ッッ…」
「どうした。」
「…私は…遉…未来」
「さすが…?変わった名前だな」
「名前は未来。みらいと書いて、未来です」
「…珍しいな。」
「…よく言われます。」
「じゃぁミク。まずは俺についてこい。話はそれからだ。」
「知らない人についてはいけません!」
「……クスクス…」
「何がおかしいんですか?」
「俺の名前は?」
「…グレイ、さん?」
「知ってるじゃないか。行くぞ」

そうして半ば強引にグレイは未来を立たせると腰に腕を回して歩き出そうとした。

「…あの…少し離れてください…」
「ん?なぜだ?」
「…だって…近すぎるじゃないですか…初対面なのに…」
「まぁそうだが。なら一人で歩いてついてこれるか?」
「…それは…はい…」
「ならいいが?」

その返事を聞いて未来の腰からグレイの腕が放されるも、ゆっくりとした歩調に合わせる様に歩いて行くのだった。
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