13 / 15
緊張する時間
しおりを挟む
しかし、雅からラインが来た仁がそのままにしておくわけがなかった。
『今でもいいけど?』
『明日直接会って話してもいい?』
『直接だと先輩緊張しちゃうでしょ』
トントンと進んでいくラインに仁の表情はどんどんと緩んでいく。
「…これ、何言ってくれんだろうなぁ…」
そう思っていたものの、既読が付いてからなかなか返事が来なかった。少し待ってみればピロンっと入ってくる。
『青木君、バスタでバイトしてるって聞いたの。今度行ってもいい?』
そう送ってくるメッセージの長さからしてもこれほどに時間がかかるものではないのは十分に解るものだった。それでもこの時間を要した、と言う事はどれだけ考えていたのだろうかと思うものだった。
「…行ってもいいかって…別にいいだろ…聞かなくても…」
そう思いつつも雅に平静を装いながらも仁は入れ始める。
『別にいつでも来てくれていいよ。夏目先輩ならサービスしちゃうし』
『や、ちゃんと買うし!それはダメ!』
『たまには頼ってよ』
送ったものの、恥ずかしくなり送信取り消しを試みるものの、すでに既読が付いていた。
「詰んでんじゃんよ…」
しかし少し間をおいて雅からの返信があった。
『頼る所はそこじゃないです…』
ただ一言そう入ってきた。
「じゃぁどこで頼ってくれんだって…」
仁も解っている。自分よりも紫音に頼ることが多いと言う事も、自分が茶化し続けてきているとは言え、雅の心が紫音にあると言う事も…それでもこうしてラインが繋がっている、いつも離せない時間に会話が成立している…それだけで嬉しく思っていた。
「…明日、誘ってみるか…」
そう呟く声は雅には愚かどこかに届くわけでもないままに、空をさまよっていくのだった。
翌日、何気なく道場の横を通った仁は漏れ聞こえる音に扉を開けた。
「だから言ってんだろうが、せめてボカロはやめろ」
「うるさいなぁ…」
「ぁあ?一緒に練習してるこっちの気にもなりやがれ」
「ならコレ…」
そう言って一気にバラードに変わる。
「……これかよ…」
「ん、いいでしょ?」
「思い出すわ」
「えー?何を―?」
「てめ…っ、わざとだろ」
「ほら、紫音の番だってば…」
「音下げろ」
「え、上げろって?」
「そのままでいい。」
チグハグとも思えるような会話をしながら二人揃って袴を着、打っていた。入り口付近の仁んお姿に気づくことも無いままに二人で音楽をかけて練習している雰囲気にそのまま声をかける事もしないままに仁はその場を後にしていった。
「…やぁっぱな。付き合ってんだろ、隠しきれてねぇって…」
珍しく弱音にも似たような言葉を紡ぐ仁の後ろから女子生徒が声をかけた。
「ねー!仁、おはよ!」
「おー」
「え、テンション低くない?」
「別に?で、何?」
「今度の日曜って用事ある?」
「ぁ?日曜か…バイトだわ」
「えー、残念!一緒に映画行こうと思ったんだけど…」
「わりぃな」
そうやんわりと断りを入れた仁だった。しかし、バイトと言っても午後からの物だったため、特別断らなくても問題は無かったのだろ。それに加えて仁自体も午前中に一緒にタバスに行かないかと雅を誘おうと思っていたのだ。
「…ダメもとで誘ってみるってのアリか…」
呟きながらも授業中にはほぼ上の空と言わんばかりに仁は一日を過ごした。少し早くに道場に向かう途中、雅と鉢合わせる事になった。
「あ、青木君。」
「夏目先輩、いまからっすか?」
「そうだよー」
「…そういや…今、少しいいっすか?」
「何?」
「昨日…言ってくれた事なんすけど…もしよかったら今度の日曜にバイト入ってるんすよね、俺。だらかバイト前に一緒に行きません?」
「あ、今度の日曜、先に約束あって…」
「……もしかしてそれって住吉さんっすか?」
「そう、よくわかったね」
「いや、解ったっていうか…」
「紫音のお母さんとか、一緒に進路のことでいろいろと相談しようかって話になって…それで家族で会う事になっててね?」
「あ、二人とかじゃなくて?」
「えー、何で?」
「いや。なんていうか、さ」
「あ、もしかして青木君も芹沢君と同じかな…」
「は?部長?」
「私、紫音と付き合ってないからね?」
突如聞かされた言葉に仁の足はふいに止まった。
「クスクス…やっぱり付き合ってると思ってた?」
「そりゃ、あんな風にいつだって一緒に練習してたら、よ?」
「朝練ってうちの部やってないでしょ?だから私が打ちたいって言ってるのに付き合ってくれてるだけ」
「俺も一緒に行こうかなぁ…?」
「あ、来る?」
にこにこと何の違和感もないままに誘っている雅だった。
「…でも、住吉さん怖ぇからな…きっと」
「そう?紫音そんな圧強い…か、うん、圧強いね」
「だろ?」
「うるせぇよ、何人の悪口堂々と言いやがってんだ」
「あ、紫音、朝振り!」
「住吉さんって、夏目先輩の事ほんっと好きっすよね」
「お前はそのなんでもかんでも好きっていう癖をやめろ」
「へーへーっと」
「直す気ねぇだろ」
そう話しながらも道場に入っていく三人だった。次々に面々が揃って来る中で紫音は雅に声をかける。
「…で?」
「何?」
「誰彼構わず好きっていう男が好きとはな」
「ちょ…!紫音!!」
ぐいっと手を引いて道場の隅に連れていく雅。
「…あのね?秘密にしてるんだけど…」
「どうせバレてるだろ」
「さっきまで私と紫音が付き合ってるって思ってた青木君が?」
「あながち間違いじゃねぇだろ」
「今は違うでしょ」
「うるせぇよ」
「……もぉ…」
しかしその隅で二人が話しているのをみて周りはやはり『…付き合ってるのか…』と同じことを漏れなく思っているのだった。そんな中穏やかじゃないのはマネージャーである唯だった。そんな二人の方を見ない様にしつつもきゅっと手を握りしめていた。
「どうかした?小坂ちゃん」
「青木君…別に?」
「住吉さんの事好きなの?」
「そ、れは…恐らくみんな好きですよ」
「まぁなぁ…あぁ見えてカリスマ性は抜群だしよ」
「でしょ?」
「でも、そんな小坂ちゃんに一つ、」
「え?」
「あの二人付き合ってないらしい」
「そう言ってるだけで、あの空気、どう見ても付き合ってなくても両片思いですよ」
フフッと寂しそうに笑う唯を見て、仁はふっと視線を二人に向ける。そう見えなくもない。だとしたらなぜ付き合わないのだろうか…と考えていた。
「付き合ってたらその時点でジエンドだけどな…」
「え、何か言った?」
道場内のざわつきに消されるほどの仁の言葉に唯はそれとなく話かけるものの、なんでもね…と交わすのだった。
『今でもいいけど?』
『明日直接会って話してもいい?』
『直接だと先輩緊張しちゃうでしょ』
トントンと進んでいくラインに仁の表情はどんどんと緩んでいく。
「…これ、何言ってくれんだろうなぁ…」
そう思っていたものの、既読が付いてからなかなか返事が来なかった。少し待ってみればピロンっと入ってくる。
『青木君、バスタでバイトしてるって聞いたの。今度行ってもいい?』
そう送ってくるメッセージの長さからしてもこれほどに時間がかかるものではないのは十分に解るものだった。それでもこの時間を要した、と言う事はどれだけ考えていたのだろうかと思うものだった。
「…行ってもいいかって…別にいいだろ…聞かなくても…」
そう思いつつも雅に平静を装いながらも仁は入れ始める。
『別にいつでも来てくれていいよ。夏目先輩ならサービスしちゃうし』
『や、ちゃんと買うし!それはダメ!』
『たまには頼ってよ』
送ったものの、恥ずかしくなり送信取り消しを試みるものの、すでに既読が付いていた。
「詰んでんじゃんよ…」
しかし少し間をおいて雅からの返信があった。
『頼る所はそこじゃないです…』
ただ一言そう入ってきた。
「じゃぁどこで頼ってくれんだって…」
仁も解っている。自分よりも紫音に頼ることが多いと言う事も、自分が茶化し続けてきているとは言え、雅の心が紫音にあると言う事も…それでもこうしてラインが繋がっている、いつも離せない時間に会話が成立している…それだけで嬉しく思っていた。
「…明日、誘ってみるか…」
そう呟く声は雅には愚かどこかに届くわけでもないままに、空をさまよっていくのだった。
翌日、何気なく道場の横を通った仁は漏れ聞こえる音に扉を開けた。
「だから言ってんだろうが、せめてボカロはやめろ」
「うるさいなぁ…」
「ぁあ?一緒に練習してるこっちの気にもなりやがれ」
「ならコレ…」
そう言って一気にバラードに変わる。
「……これかよ…」
「ん、いいでしょ?」
「思い出すわ」
「えー?何を―?」
「てめ…っ、わざとだろ」
「ほら、紫音の番だってば…」
「音下げろ」
「え、上げろって?」
「そのままでいい。」
チグハグとも思えるような会話をしながら二人揃って袴を着、打っていた。入り口付近の仁んお姿に気づくことも無いままに二人で音楽をかけて練習している雰囲気にそのまま声をかける事もしないままに仁はその場を後にしていった。
「…やぁっぱな。付き合ってんだろ、隠しきれてねぇって…」
珍しく弱音にも似たような言葉を紡ぐ仁の後ろから女子生徒が声をかけた。
「ねー!仁、おはよ!」
「おー」
「え、テンション低くない?」
「別に?で、何?」
「今度の日曜って用事ある?」
「ぁ?日曜か…バイトだわ」
「えー、残念!一緒に映画行こうと思ったんだけど…」
「わりぃな」
そうやんわりと断りを入れた仁だった。しかし、バイトと言っても午後からの物だったため、特別断らなくても問題は無かったのだろ。それに加えて仁自体も午前中に一緒にタバスに行かないかと雅を誘おうと思っていたのだ。
「…ダメもとで誘ってみるってのアリか…」
呟きながらも授業中にはほぼ上の空と言わんばかりに仁は一日を過ごした。少し早くに道場に向かう途中、雅と鉢合わせる事になった。
「あ、青木君。」
「夏目先輩、いまからっすか?」
「そうだよー」
「…そういや…今、少しいいっすか?」
「何?」
「昨日…言ってくれた事なんすけど…もしよかったら今度の日曜にバイト入ってるんすよね、俺。だらかバイト前に一緒に行きません?」
「あ、今度の日曜、先に約束あって…」
「……もしかしてそれって住吉さんっすか?」
「そう、よくわかったね」
「いや、解ったっていうか…」
「紫音のお母さんとか、一緒に進路のことでいろいろと相談しようかって話になって…それで家族で会う事になっててね?」
「あ、二人とかじゃなくて?」
「えー、何で?」
「いや。なんていうか、さ」
「あ、もしかして青木君も芹沢君と同じかな…」
「は?部長?」
「私、紫音と付き合ってないからね?」
突如聞かされた言葉に仁の足はふいに止まった。
「クスクス…やっぱり付き合ってると思ってた?」
「そりゃ、あんな風にいつだって一緒に練習してたら、よ?」
「朝練ってうちの部やってないでしょ?だから私が打ちたいって言ってるのに付き合ってくれてるだけ」
「俺も一緒に行こうかなぁ…?」
「あ、来る?」
にこにこと何の違和感もないままに誘っている雅だった。
「…でも、住吉さん怖ぇからな…きっと」
「そう?紫音そんな圧強い…か、うん、圧強いね」
「だろ?」
「うるせぇよ、何人の悪口堂々と言いやがってんだ」
「あ、紫音、朝振り!」
「住吉さんって、夏目先輩の事ほんっと好きっすよね」
「お前はそのなんでもかんでも好きっていう癖をやめろ」
「へーへーっと」
「直す気ねぇだろ」
そう話しながらも道場に入っていく三人だった。次々に面々が揃って来る中で紫音は雅に声をかける。
「…で?」
「何?」
「誰彼構わず好きっていう男が好きとはな」
「ちょ…!紫音!!」
ぐいっと手を引いて道場の隅に連れていく雅。
「…あのね?秘密にしてるんだけど…」
「どうせバレてるだろ」
「さっきまで私と紫音が付き合ってるって思ってた青木君が?」
「あながち間違いじゃねぇだろ」
「今は違うでしょ」
「うるせぇよ」
「……もぉ…」
しかしその隅で二人が話しているのをみて周りはやはり『…付き合ってるのか…』と同じことを漏れなく思っているのだった。そんな中穏やかじゃないのはマネージャーである唯だった。そんな二人の方を見ない様にしつつもきゅっと手を握りしめていた。
「どうかした?小坂ちゃん」
「青木君…別に?」
「住吉さんの事好きなの?」
「そ、れは…恐らくみんな好きですよ」
「まぁなぁ…あぁ見えてカリスマ性は抜群だしよ」
「でしょ?」
「でも、そんな小坂ちゃんに一つ、」
「え?」
「あの二人付き合ってないらしい」
「そう言ってるだけで、あの空気、どう見ても付き合ってなくても両片思いですよ」
フフッと寂しそうに笑う唯を見て、仁はふっと視線を二人に向ける。そう見えなくもない。だとしたらなぜ付き合わないのだろうか…と考えていた。
「付き合ってたらその時点でジエンドだけどな…」
「え、何か言った?」
道場内のざわつきに消されるほどの仁の言葉に唯はそれとなく話かけるものの、なんでもね…と交わすのだった。
0
あなたにおすすめの小説
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
マチ恋 ―君に捧げるLove song― 一夜の相手はスーパースター。誰にも言えない秘密の恋。【完結】
remo
恋愛
あなたにとっては遊びでも、私にとっては、…奇跡の夜だった。
地味で平凡で取り柄のない私に起きた一夜のキセキ。
水村ゆい、23歳、シングルマザー。
誰にも言えないけど、愛息子の父親は、
今人気絶頂バンドのボーカルなんです。
初めての恋。奇跡の恋。離れ離れの恋。不倫の恋。一途な恋。最後の恋。
待っている…
人生で、一度だけの恋。
【完結】ありがとうございました‼︎
お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。
五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。
ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。
年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。
慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。
二人の恋の行方は……
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
半年間、俺の妻になれ〜幼馴染CEOのありえない求婚から始まる仮初の溺愛新婚生活〜 崖っぷち元社畜、会社が倒産したら玉の輿に乗りました!?
とろみ
恋愛
出勤したら会社が無くなっていた。
高瀬由衣(たかせゆい)二十七歳。金ナシ、職ナシ、彼氏ナシ。ついでに結婚願望も丸でナシ。
明日までに家賃を用意できなければ更に家も無くなってしまう。でも絶対田舎の実家には帰りたくない!!
そんな崖っぷちの由衣に救いの手を差し伸べたのは、幼なじみで大企業CEOの宮坂直人(みやさかなおと)。
「なぁ、俺と結婚しないか?」
直人は縁談よけのため、由衣に仮初の花嫁役を打診する。その代わりその間の生活費は全て直人が持つという。
便利な仮初の妻が欲しい直人と、金は無いけど東京に居続けたい由衣。
利害の一致から始まった愛のない結婚生活のはずが、気付けばいつの間にか世話焼きで独占欲強めな幼なじみCEOに囲い込まれていて――。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる