社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第1章・綺麗なエルフ族の女の子

012:奴隷市襲撃・後編

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 エッタさんが心配だ。
 このドレッドヘアー男を早く倒して、エッタさんのところに走っていきたい。
 俺が側にいて止めてあげるとか言っておきながら、俺は目の前の雑魚1人を相手にして苦戦してる。


「ちょっと本気で行くから雑になるかもしれないけど………我慢してもらえるかな!!」

・炎魔法Level1《ファイヤーハンド》
・闇魔法Level2《ドレインハンド》

――――炎魔の拳イフリート・ナックル――――

「や 闇魔法のLevel2だと!? 普通の人間が、闇魔法を使えるわけがねぇ………テメェは魔族か!!」

「そんなの今更どうだって良いでしょ………だから言ったろ? 少し雑になるってな!!」


 俺の手には燃え尽くす炎と触れば相手から生気を奪う闇を纏って、ボクシング漫画の主人公が使っていたデンプシーロールの様に、ディエンテの顔面を右やら左やらに思い切り殴った。
 すると燃える熱さと全身から力が抜けてくる感覚に、顔からは血の気が引いて完璧に気を失うと同時に命も失った。


「ちょっと時間をかけ過ぎたな………早くエッタさんのところに行かないと!!」

「ミナトさんっ!! エッタさんたちを連れてきたワン………でもエッタさんが………」

「え エッタさん………何があったんだ?」

「妹さんのカミラちゃんは、左腕と右足を失っているにゃ………それだけじゃなく6人のエルフが殺されてたにゃ」


 エッタさんのところに行こうと思ったら、ゾロゾロと傷だらけで痩せているエルフたちが地下から出てきた。
 捕まっていたエルフさんたちは歩けているが、エッタさんの目からは光を失っており絶望した目をしていた。
 シュナちゃんに聞いたが、それはあんな目にもなるよな。
 前世の俺なら、こんな状況になったところで他人事だと無視したりしていたよな。


「エッタさんっ!! 俺の目を見て!!」

「え……」

「俺の目を見ろ!! 確かに辛く悲しい事だ、こんな事があったら普通絶望する………でもだ。俺たちがいるのに、そんな目をするな!! 辛い事は俺たちにも分けろ!!」


 絶望を感じたのは数分前の事だろう。
 俺には家族や大切な人を失う辛さを理解する事はできない。
 想像したとしても現実というのは、絶対に想像を超えてくる辛さがあるんだ。
 それなのに想像できるなんていう方が残酷なんだ、それなら俺がやるべき事はエッタさんが辛いと感じた時に、その全てを背負う覚悟をする事だ。


「ミナト様……どうして罪のない人たちが死ななきゃいけないんですか!! どうしてふざけた人間の為に、私たちが苦しい気持ちにならなきゃいけないんです!!………どうして」

「そうだね。この世界は真面目な人間が、損をする様にできているとも言える………しかし愚直にも正しさを追い求めるんだ」

「ミナト様?」

「正義とは己の事を強く信じ突き進む事だよ………敵討ちがダメなんて言わない。その人たちの報いを、エッタさんが晴らすのは大切な事だ」


 俺は死んだ事があるからこそわかるんだ。
 死んでしまったら何を思っても残ってはいない、その人の思想と骨1つだって残りはしないんだ。
 それなら生きている人間が、その人の代わりに思いを察し実行する他ないと俺は思っている。
 今回の場合は復讐する事だっていけない事じゃない。
 これで奴隷市の奴隷商が命乞いをしようと、俺は躊躇なくディエンテを殺した様に首を刎ねる事だってできる。


「とにかく当事者の人間に話を聞こうか………そこに隠れているのは分かっているから」

「ここがワン? いたわんっ!?」

「ひっひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」


 俺たちだけで話を進めて良いが当事者というべき奴隷商に話を聞こうじゃないか。
 奴隷商が物陰に隠れているのは女騎士ミレーヌのオリジナルスキル《周囲探知サーチ》によって分かっている。
 俺が言ったのを聞いてカエデちゃんは、隠れている奴隷商を引っ張り出して俺たちに囲まれ怯えに怯えている。
 そりゃあエッタさんだけじゃなく、俺もシュナちゃん・カエデちゃんも飛びかかっていてもおかしくは無いからだ。


「さてとエッタさんに復讐してもらう前に、ちょっと確認させてもらうわぁ………ほうほう」

「な 何をするんだ!! 俺は悪くないんだ!! 俺たちは王宮の人間に頼まれたからやってるだけだ!!」

「それが悪いって言ってんだよ………まぁ俺がなんぼ言葉で言っても分からないよな」


 エッタさんが奴隷商を殺しちゃう前に、触れておいてコピーできるスキルをコピーしておこう。
 思っていた通りにジョブオリジナルのスキル《奴隷紋》をコピーする事ができた。
 このスキルは奴隷商にしか奴隷は作れないが、スキルを使う事で簡単に奴隷を作れて、エッタさんたちに奴隷の首輪を付けさせていた事でコピーの条件を満たしていた。


「エッタさん。俺の剣を使って良いよ………俺は手を出さないから、エッタさんが自由にやってよ」

「ありがとうございます………」

「ま 待ってくれ!! 俺にも妻と娘がいるんだ!! これは国によって仕組まれた事なんだよ!!」

「そうですね。確かに、この人にも奥さんや子供がいた、こんな人でも死ねば悲しむんですよね………」


 エッタさんには酷な話であり、目の前で大切な人の遺体を見て、目の前に喚いている奴隷商にも家族がいる。
 1度は剣を振り上げたが、命乞いを聞いてスッと剣を下ろし悔しい辛いと唇を噛み締めている。


「私には人を殺すなんて無理です………」

「あ ありがとうございます!! 金ならいくらでも賠償させてもらいます………」

「聞こえなかったの? 私にを殺す事はできないって言ったんです………貴方は、もう人じゃない!!」

「ぎゃ!? ぎゃあああああ!!!!! いだい、いだい………うぉへぇ………」


 なんともユーモアのある攻撃なのだろうか。
 エッタさんは人は殺せないが、多くのエルフを殺した奴隷商ほ男は既に化け物になっていると言って右足を切断した。


「生き残った子から聞きました。貴方たちは、陵辱するだけして解放してあげると言ってから殺したみたいですね………これが人間のやる事だと本気で思ってるんですか?」

「そ それは違うんだ!! あれは部下たちが、勝手にやっていただけで、俺が命令したわけじゃないんだ!!」

「そんな言い訳が通じる程、私が馬鹿に見えてるんですか? 本当に気分が悪くなります………」


 殺されたというエルフの子たちは、希望を持って出れると思ったが、その寸前に殺されて天から地に落とされたみたいだ。
 俺としても理性のある人間がやる事ではないだろうと思うが、それをやれる奴は俺たちの言語なんて通用しない。
 俺なんかよりもエッタさんの方が、そういうところに関しては理解しているのかもしれないな。
 そのままエッタさんは両手を前に出して命乞いをしている奴隷商の左腕を、スパッと足に続いて腕も切断した。


「痛いですか? カミラも痛かったでしょうね。手足を失った上に、仲間を目の前で殺されて………貴方をブチ殺します」

「調子に乗るなよ!! ただのエルフ風情が、お前らは魔物じゃねぇか………それが人間様には向かってるじゃねぇ!!」


 あぁあ奴隷商は完璧に痛みでストッパーが外れて、自暴自棄になりエルフたちの事に暴言を吐き始めた。


「もう貴方は死んで下さい………」

「いやだ……いやだぁああああ!!!!!」


 もう生かしておいても良い事がないとエッタさんは思い。
 死ぬと悟った途端に片方が無い手足で、ハイハイをしながら何とか逃げ出そうとするが、エッタさんに首を刎ねられた。
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